熊野古道・伊勢路 4 三瀬谷~伊勢柏崎 2018.10.05
 
熊野古道・伊勢路 第2回目 JR参宮線・田丸駅~JR紀勢本線・伊勢柏崎駅
●10月5日(金) 第3日目(雨) 旅館:大黒屋発 ~ 三瀬川 ~ 三瀬坂峠 ~ 滝原宮 ~ JR伊勢柏崎 14km
 JR三瀬谷駅前~タクシー~三瀬川~三瀬坂峠4.6km~滝原宮7.1km~阿曽駅前12.4km~伊勢柏崎駅19km

旅館「大黒屋」:08:00⇒タクシーにて多紀原神社まで移動⇒三瀬坂峠08:50-09:00⇒里登りの道標09:36⇒道の駅「木つつ木館」10:08-10:21⇒瀧原宮10:41⇒
大宮小学校11:45⇒近畿自然歩道の道標をひたすら国道歩き伊勢柏崎駅ゴール14:44
予定は伊勢柏崎駅17:45発の電車に乗るべきでしたが1本早い16時台の電車に乗れました。
あいにくの雨の出発となりました。前日と違い、かなりの本降りです。「暑いより、ましかっ~」なんて強がり言いながら玄関先で待っていると午前8時に、予約しておいたジャンボタクシーがやってきました。登山口に近い多紀原神社までお願いしました。多紀原神社は、その昔、倭姫命(ヤマトヒメノミコト)が宮川を渡られる際に案内をした真奈胡神(マナコノカミ)が祭神で、境内には玉砂利が敷かれており、静かな空気が流れていました。そこからわずかな時間で三瀬坂峠入口です。昔の巡礼者達は三瀬の渡しで宮川と別れを告げて、三瀬坂峠を目指したことでしょう。
上:三瀬谷駅  下:多紀原神社参道 上:大黒屋旅館  下:妙楽寺   多紀原神社
 三瀬川の登山口から三瀬坂峠へと向かいます  三瀬坂峠も荒れています 
三瀬坂峠 三瀬坂峠の宝暦地蔵
三瀬坂峠は標高256m、高い峠ではありませんが、急坂のつづら折りがつづきます。茶屋跡や、宝暦6年に祀られたとされる地蔵などがあり、古道の雰囲気を感じることができます。石室の中にお地蔵様が祀られていました。宝暦地蔵です。
ところどころにある、お地蔵様は地元の人々が、道中の安全を祈って祀られたとされる説と、
むかし、この地域周辺で疫病が流行し、これ以上広まらないようにと祀られたという説がありますが真実かどうかははっきりしないそうです。
三瀬坂の標識 三瀬坂池 里登り口の祠 三瀬坂峠のQRポイント
車の速度は恐ろしいほど早くトラックが通ると吹き飛ばされそうになります。
里登りの道標が過ぎたら道の駅の看板が見えて来ました。1km先と書いてあります。道の駅「木つつ木館」でトイレ休憩とスマホスタンプを入手し、滝原宮へと詣でます。
滝原宮
 瀧原宮は瀧原並宮とも天照大御神の御魂をお祀りし、古くから「遙宮とおのみや」として崇敬を集めています。瀧原宮は二つの別宮が並立しており、また御船倉を有するなど他の別宮と異なる点が多々あります。内宮の別宮と言われ参拝方法はお伊勢さんと同じと書いてありました。
神域内の樹齢数百年を越える杉の木立に囲まれた参道と谷水の流れを利用した御手洗場は内宮を連想させ、神代の昔に誘います。
古民家:こんぺいとう屋さん 
この辺りのお宅は石垣の重厚さ、古民家の佇まいが素晴らしい通りでした。 ここを歩いていて雨の日で良かったとつくづく感じました 
良い通りですねえ この辺りの新聞社各社のホーロー看板です…左に人物がほしいなあ
大内山川の流れ 阿曽の観音堂 十一面観音さまが祀られています
雨は強くなったり、弱くなったりですが止み間はありませんでした。アメニティ公園に東屋があり少し休憩を取り、コースは国道から外れました。ご神体が大岩だという名も無き神様が雨の中ひっそりと佇んでいて神々しく感じました。阿曽の踏切を越え歩いていると溝の水が急に鉄分を含んだ色に変わりました。石灰華です。温泉・鉱泉の湧出口などにできる炭酸カルシウムの沈殿物で近くに温泉が湧いているのかも知れません。
k国道歩きは辛いです 大岩がご神体の名も無き神様 トビ 大内山川の流れ
国道42号線に合流したり再び旧道に入ったりと単調なコースで看板は「近畿自然歩道」の標識に変わって熊野古道の看板が見当たらなくなってしまいました。再び国道に出たり、旧道を歩いたりとしていると垣内踏切までたどり着きました。もうまもなくゴールの伊勢柏崎駅が近い筈です。最後の力を振り絞り伊勢柏崎駅に到着です。14時44分ゴーーーールです。
ヒルにやられました 伊勢柏崎の駅で治療しました   1週間ほどたって やっと痒みが和らいできました
電車の時間までには1時間以上もあり、リュックを駅に置いて「山海の里・紀勢」まで行って見ましたが空腹を満たしてくれる施設もなくパンなどを買い込んで戻ってきました。ここで雨具を脱ぎ着替えをしようとスパッツを外したらなんとスパッツが真っ赤に染まっています。ヒル、ヒル、ヒルです。姿を見せないヒルに怯え、血だらけの足を治療し大騒ぎでした。伊勢柏崎駅は簡易トイレがポツンと置いてあるだけの無人駅で高校生が学校帰りに利用するだけの小さな駅でした。
 
  教   訓 
其の1…荷物の軽減に努力する。
今回使用しなかった品々が次回に必要かどうか工夫し、500gであっても軽い方が楽。
レーションは自分の分だけ持参し、分け与えない。
其の2…シュリンゲとカラビナの携行
アクシデントの際、必要となるので必携。2m×2本あれば全員合わせれば20mのロープ代わりになる。 
  感   想
 ●ひ め
アクシデントが大好きな私としてはこの日の渡渉はなかなか経験のできないことでした。力を合わせたからこそできたことで単独山行なら右往左往せざるを得ない所でした。今後の山行には「シュリンゲ2本、カラビナ1個」は必携です。重たいから持って行かないは無しね。
(私が一番に言いそうだわ~笑)アクシデントでは知恵を出し合う事の素晴らしさを体感し宝物を貰った気がしました。

雨の中の最終日は国道歩きが多くて、少々疲れました。しかし晴天ならば、もっと疲れたかもしれません。照り付ける太陽は秋とは思えないほどジリジリとアスファトの照り返しがきつかったことと思います。ヒルに咬まれたことも後になれば滑稽話に変わるでしょう。峠の中はうっそうとしていたので女鬼峠あたりで吸い付かれたのだと思います。それにしても左足5ケ所、右足2ケ所・・かゆみが出る度に、あの光景が蘇ります。(ふくらはぎの一番柔らかい場所を選んで吸ってる~カシコイワ)

 ●Jyunko
伊勢路から戻った夜は12時頃の就寝でしたが、朝無事、起きれました。しかし、「ヒル」を家に、お持ち帰りしておりズボンのお尻の白い裏ポケットが真っ赤、何処から侵入したやら、びっくりでした。この度、私のなかでの思い出は「谷川の橋かけ」と「ヒル」で決まりです。お世話になりました。リュックのベルト切れも、何から何までありがとうございました。 姫さんのおっしゃる通り、リュックのベルト切れは宿で発見やったんやし、靴は出かける前の家で見つけたし、この幸運に感謝(うれしい)
 ●JON
雨の日は撮影は好きなんですが 降り過ぎるとレンズは曇るし雨粒はつくし もう大変。もっと大変なのは撮影時間が少ないことです 1カット2~3枚撮っていくのですが気が付けば20mくらいは離れています。その都度急ぎ足で詰めていくのですが その間に伊勢路の見どころを見落とすことが多いのです。
帰ってから 三重県からいただいた熊野古道伊勢路図絵と照合するのですが 抜けてる 撮り漏れてる 何を撮ったのか解らない。
参加者それぞれに伊勢路を歩く目的が違うようなので同じように歩くのは無理というものですが。 … お願い…オイラのことは 見捨てて行って。 一人でも当日の宿には着くから 帰りの電車に乗り遅れてみんなと離れても ひとりでも帰ってくるからネ。
 文:美智子00