熊野古道・伊勢路 田丸~栃原 2018.10.03
 
熊野古道・伊勢路 第2回目 JR参宮線・田丸駅~JR紀勢本線・伊勢柏崎駅 
●10月3日(水)第1日目(晴天) JR参宮線・田丸駅~石佛庵~女鬼峠〜北女鬼峠登り口〜女鬼峠南~栃原16.2km
旅館 岡島屋泊
田丸駅⇒9:55⇒接待地蔵10:30⇒東外城田上社11:04⇒永昌寺12:09-12:30(昼食)⇒女鬼峠入口13:05⇒茶屋跡14:14⇒新池14:25⇒柳原観音千福寺15:29⇒阿弥陀寺16:28⇒旅館「岡島屋」泊16:50
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」は、熊野へ至る祈りの道として、いまでも地域の人達に大切に守られています。

上本町午前6時と午前7時の電車にそれぞれが乗車し田丸駅で合流です。先着の我々は田丸駅周辺の城跡を散策して後の電車を待ちました。みんな揃ったところで見覚えのある田丸駅からスタートです。第1日目は真夏を思わせるような太陽が照り付けています。(もう少し曇りでもいいのになぁ)この声が聞こえたのか次の日から雨の山行になろうとは想像もしませんでした(笑)
田丸駅を出るとすぐに庚申堂がありました。田丸大橋を渡り、しばらく歩いて後ろを振り返ると田丸城跡がよく見えました。熊野詣の際に通ったであろう爪痕がところどころにあり歴史を感じながら南無豊富地蔵大菩薩に手を合わせたり常夜灯に見惚れたりと予定通り行き着くのかしらと思うほど見どころ満載でした。次に接待地蔵様のお目見えです。その昔、土に埋もれてしまった地蔵様だそうです。農民の夢枕に立ち助け出されたというお話しがありました。民家の続くなだらかな坂道を歩いているとコンビニを見つけ昼食用のおにぎりを買い込みました。事前に地図を見ていると、どこにコンビニがあるのかよくわかります。
田丸QRポイント 道  標 南豊富地蔵大菩薩
幸神社常夜灯 接待地蔵 東外城神社
玉城町立外城田小学校を過ぎて少しコースを外れていますが東外城田神社に立ち寄ることにしました。珍しい白い鳥居がズラリと並んでいて不思議な感じです。(伏見稲荷の紅い鳥居のホワイト版です)はてしなく続いていて圧巻でした。ジョンが子供の頃に食べたことのあるクサマキの実を懐かしそうに食べていました。みんなも真似をして食べていましたがマズイって・・・(私は食べてませ~ん)
石佛庵
柿  畑
永昌寺
柿畑がズラリと続きます。食べごろには少し早い様に感じましたが秋を感じるのには最高の景色です。石佛庵と巡礼道引き観世音の碑を見て古い郵便局跡らしき廃屋を見て国東橋を渡りました。国道沿いに歩いていましたが「あれっ地図とは違うぞ!」と、みんなで立ち止まり確認し合い軌道修正をして永昌寺に到着です。境内の周りに腰かけさせて頂き、おにぎりを頬張ることにしました。とにかく暑いです。暑さで少々バテ気味です。国道歩きのため自動販売機は至るところにあり水分補給に困ることはありません。お昼を済ませて成川太子堂を過ぎると、いよいよ女鬼峠入口の看板が見えてきました。
 荷車の轍跡   千枚岩の切通し
女鬼峠は標高150mで千枚岩の切り通しになっています。江戸時代には「祢き峠(ねきとうげ)」、「ねぎ峠」等の名称も用いられそうです。往時の道の景観をよくとどめていて、
案内看板を設置するなど、地元住民による整備が進められました。いまでは行楽地化しつつあるそうです。整備が行われる以前は通行すら困難であったそうです。私達はアスファルト歩きが苦手で山道に入った途端、水を得た魚の様に生き生きとしてきました。荷車の輪だちを見て遠い昔には荷車が通過していたことを想像しながら歩きました。スマホでスタンプラリーも楽しみながら歩いて行くと「アケビ」を目ざとく見つけました。「採って!採って!」山の恵みを頂きました。子供の頃の懐かしい味です。峠には展望台に行く道と切通しを通過する道に分かれていましたが展望台を往復し千枚岩の切通も歩きました。下り道の途中に記帳ボックスがあり私達が女鬼峠を歩いた事を記帳しました。この日の通過者は私達の前に、たったの3人でした。私達の前に「ミウラさん」と言う方が記帳されていました。峠を降りると大きな池が見えて来ました。新池です。
女鬼峠 掘削時代のタガネの名残り
古民家 ホーロー看板の多い家 150cmのお地蔵様 庚申さん
しばらく歩いて行くと「右くまのみち」「左さんぐうみち」と道標があるので右を取りくまのみち方向へ。私の背丈と同じぐらいの大きなお地蔵様もありました。浄保法師大輪塔を見て柳原観音千福寺と言う立派なお寺があり境内に入らせて頂きました。ご本尊は聖徳太子の神勅によると言われています。中ではお坊様らしき人が何やらお話しをされていました。姫が何を思ったのか「あら〜ミウラさんっ!」と、さも知ってる人の様に声をかけました。まさしくミウラさんだったのですが当人は「はて?どこでお会いしましたか?」と不思議そうな眼差しでした。会ったことはありません、女鬼峠で記帳されたでしょと大笑い・・・そんなご縁でわずかな時間でしたが親しくお話しをさせて頂きました。三十三ケ所を修行中の身で「三浦照豊」さんとおっしゃり京都の醍醐寺に身を置く修行僧さんでした。
阿弥陀寺 旅館 岡島屋
街並みを歩いていると酒蔵がありました。1805年創業で宮川の伏流水を使った伝統の酒蔵だそうです。神酒の仕込みを知らせる小ぶりの杉玉が掛かっています。ウッチー会長の足がピタリと止まりました。「試飲があるかも知れないぜぇ~」そんなお顔をしていましたが皆の同意が得られず止む無く「通過~」となりました。製茶屋さんが軒を並べて立って「伊勢茶」として有名だそうです。踏切を渡ればこの日の宿「岡島屋」に到着です。16時50分まずまず予定通りの到着でしょうか。栃原迄16.2kmと距離が短く感じるかも知れませんが大阪からの移動で昼前からのスタートですし、日暮れも早いのでこのくらいでちょうどです。
  感   想
 ●ひ め

スマホでスタンプラリーを楽しみながら進むのですが、うまくいかず時間ばかり費やしてみんなの足を引っ張っています。ましてやスマホ以外の人にとっては無駄な時間かと思いますが、これも楽しみのひとつですから・・・ご理解を。観光協会発行の立派な絵地図は、立派過ぎて持ち歩くには大きいし、さりとて文字は小さいし・・・。しかし、みんなそれぞれに工夫をして自分でメモに書き出したり、必要なページのみを切り外したりとよく勉強されていたのがわかりました。標識か無い所も多く分岐に来ればみんな立ち止まり地図を確認し、迷うことなくスムーズに歩けました。しかし大辺路や中辺路と違い伊勢路は世の中に広く知られていない気がいたしました。誰一人登山者と出会いませんでした。こうなりゃあ私達が伊勢路の魅力を広めなくっちゃぁ・・・

 文:美智子姫00