『みちのく3000q・毎日一座・1週間の東北登山』 |
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★第3日目(8月8日・日曜日) 『岩木山1625m』 (青森県) |
ルート:津軽岩木スカイライン→八合目駐車場→鳥ノ海噴火口→鳳鳴避難小屋→岩木山山頂→鳳鳴避難小屋→八合目駐車場 |
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午前6時、酸ヶ湯温泉キャンプ場を出発し、念願のお岩木山へ向かいます。今日のお天気は快晴です。 途中、走行しながら、お岩木山を探しましたが、まだ視界に入ってきません。周りには高原野菜が旬を迎えている様です。国道394号線を南下、山にはうぐいすがさえずり、蝉の鳴き声と合唱していました。弘前の市街地を抜けると少しずつ辺りの様相が変わってきます。岩木山も見え隠れするようになって来ました。 何ということか、この頃GPSが迷子になってしまいました。次の信号で側道に出ろという案内。こんなところで出たらどうなる?、とりあえず指示に従うと細い道に入ってあっち行ったりこっちに曲がったり。「此処さっき通った道だよな」「前から来る地車積んだ車さっき追い越したよな」「あかん違う方向いて走ってるGPS入れなおそう」 セットしなおして進んでいくと同じところで側道に出ろとの案内。無視して直進すると「次で左」「次を右」 ややこしいから岩木山の見えるところでそちらに向けてハンドルをきった。 「ええがな、ええがな。だんだん岩木山が近づいてくるがな」 なんとかルートに乗って進みます。 アップルロードのりんごはまだ青く収穫にはまだ早やそうです。外気温は28度。快適なドライブが続きます。 岩木山が近づくにつれ、道ばたの店先に「嶽きみ」と言う幟旗が目立つようになります。何だろうと考えながら店先や旗を見ていると、どうも「とうもろこし」の様です。そういえば私の育った高知ではキビと言っています、 |
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キビとキミ何となく似ているようにも感じます。食べてみたい気もしますが、生のため買わずに通過することにしました。 |
岩木山の山頂には岩木山神社の奥宮が奉ってあるため、麓の岩木山神社の本殿にお参りしていくことにしました。朱塗りの本殿は荘厳で朝の散歩を兼ねた町の人たちが多く参拝に訪れていました。
本来はここの境内の左手より奥に延びている登山道を辿って山頂にある奥の院を目指すのですが、最近は津軽岩木スカイラインを利用して八合目まで行く人が多く、登山道の利用者が少なくなっているため「道が笹 に覆われて荒れている」との地元の人の情報もあり、私たちも津軽岩木スカイラインの8合目駐車場を目指します。 ここに車を止めリフト横の登山道を登り、9合目の鳥ノ海噴火口を巻くように頂上を目指します。 |
山の天気は変わりやすいと言いますが、お岩木山には雲がよく似合います。雲が山頂にかかったとき麓で見ていると絵になるのですが、頂上にいると濃霧の中なのです。 鳥ノ海山の小さな頂で岩木山を眺めているといろいろな形の雲が岩木山のてっぺんを掠めていきます。登山道は石を積み重ねたような階段状で少々歩きにくい感じがします。人気の山とあって混雑を避けるため「右登り、右下がり」と書いた看板があちこちに立っておりよく目立ちます。右側通行で歩けと言う指示で非常によいルールだと感心しました。 行き交うほとんどの登山者は軽装です。登山者というよりは岩木山神社奥宮参詣者というほうが正しいのかも知れません。登山基地が八合目とかなり上にあるのと八合目から九合目までの間をリフトが通っていることがその要因のようです。 |
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9合目には鳳鳴ヒュッテ避難小屋、頂上には頂上避難小屋があり、八甲田山同様避難小屋が岩木山山頂に到着した後、山頂の裏側にある奥宮に参拝。ふたたび山頂標識のあるところに戻った途端、360度の展望が開け、遠くに見えるは日本海、眼下には津軽平野が美しく広がっています。津軽平野の、ど真ん中に、十二単の裾を、はらりと広げた様な山、どの方向からみても美しいので、どちらが正面なのかわからない岩木山。 私の大好きな美空ひばりの歌 「りんご追分」 にも歌われた 「お岩木山」 今日は頂上で「♪りんごのはなびらが〜♪」…と、歌うことができました。満足。満足。 |
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鳳鳴ヒュッテ避難小屋内部 |
ここから白神岳まで移動しなければなりません。ルートとしては岩木山から北にとって鯵ヶ沢町から五能線沿いに国道101号を南下する方法と先に南へ下って白神山地沿いに西に向かう白神ラインルートが考えられます。道は鯵ヶ沢経由のほうが良さそうです。白神ラインは前線ダートのようです。
いろいろ考えましたが、せっかく此処まで来ているのだからということで、白神ラインを通ることにしました。白神ラインの途中には「暗門ノ滝」もあるようなので見学することにしました。 走っていると突然「津軽じょんがら節が聞こえてきます。「どうした。何や何や」時計に目をやると正午。 そおっかぁ〜。正午を告げるサイレンの代わりに津軽じょんがら節を流していたのかぁ。…ちょっと心が癒されたひとときでした。 |
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文:美智子姫 記 |
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