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 11月17日 木曜日
 母公堂〜法力峠〜山上辻〜大日キレット〜稲村ケ岳〜大日岳〜山上辻〜レンゲ辻結界門〜レンゲ坂〜清浄大橋結界門〜母公堂
思い起こせば4月30日、名残り桜の花が舞い散る頃、吉野金峰神社からスタートし、あと3時間で山上が岳という手前の五番関の女人結界門で、女であるということで、通行を、はじき出されてしまい、泣く泣く山を下りました。そして再び柏木新道から登りかえし登山道で夜の明けるのを待った思いが蘇ります。
人によれば「行け、行け、かまうもんか〜」と言って女性同伴で登っている人もいます。またある女性の団体は地元住民が制止するのを振り切って入山した例も多々あるようです。
しかし何百年もの昔から女人を拒み続ける信仰の山の掟を破ってまで登ろうという気持ちは私にはありません。山ひとつ下り再び山を登り返せば祈りの道を続けて歩くことができるのです。山上ケ岳に登れない女人たちのために、その代わりとして女人大峯と呼ばれている稲村ケ岳を登ることで満願成就となるのです。  
あれから季節は夏を迎え、落ち葉の舞い散る秋も過ぎ、寒い北風の吹く季節に様変わりしようとしています。もう少し早く訪れるつもりでしたが、平成23年9月3日に上陸した台風12号による紀伊半島の多大なる被害のため今日になってしまいました。雪が積もれば今年中に到底達成することはできないと諦めていたところ、仲間の皆さんとともに稲村ケ岳山行の企画が通り、実行することができました。

午前7時阪急石橋駅でオリオン号はひさぽんを乗せ千里中央に私達を迎えにやってきてくれました。千里中央駅で、靖ちゃんとジョンと姫が合流し午前7時15分オリオン号は近畿道を経て阪和道、南阪奈道と順調に走り出しました。「明日は天気が崩れるみたいなので10時までに到着すれば今日のうちに稲村が岳に登ろうか?」と予定変更を切り出しました。みんなも天気が崩れそうなことは予想しており全員一致で出発同日に稲村が岳に登ることにいたしました。ただし午前10時に到着すればの話です。オリオン号は少しプレッシャーを感じつつ、気合いを入れて洞川に向けて快適さを失うことなく走ってくれました。(かといって速度違反することもなくギリギリ法定速度内で走り続けてくれました。)途中の道の駅でトイレ休憩したとき、なんとジョンが串刺しの大きなこんにゃくをかじりながら出てきました。「ここはこんにゃくが名物やて〜!食うか?」 「誰が食うねん。みやげに買うけど食べへ〜ん」そうなんです・・・私はコンニャクが苦手なんです。

稲村ケ岳は大日山と稲村ケ岳本峰の2つのピークから成り立っています。山麓から見上げると鋸歯状の展望がアルペン的な容貌を見せてくれ登山意欲をかきたてられる気がします。山容の整った山は大峰山脈はおろか、近畿でも数少ないと言われているそうです。
「大峰山は女はあかん!女や子供の登れるところとちがう!」
古くからそういわれて女人結界門が行く手を阻みます。資料や写真で見るのとは違い、実際に目の前にドカーンと立ちふさがっている結界門を見られるのもこの山の特徴だと言えます。4月30日には五番関女人結界門で封じられ、東熊野街道に下って柏木でテント泊、次の日、5月1日には阿弥陀森女人結界門で方向を南へ変えて進みました。 今回はレンゲ辻女人結界門と清浄大橋女人結界門を体験します。さあ仲間も誘って稲村ケ岳に挑戦です。
▲母公堂前を出発
 洞川の街並みを通り抜け、母公堂の駐車場に到着したのが午前9時50分、10時までに到着しました。「時間内に到着したし、天気もよさそうなので稲村が岳には今から登ろう!」という事になりました。登り3時間、下りのレンゲ坂はかなりきつく登りと同じく3時間費やすことになるとして休憩を含むと林道にギリギリ日没までには到着できるだろうということで、急いで身支度をし母公堂登山口を午前10時にスタートすることができました。
▲法力峠
▲山上辻 (稲村小屋前)
登り始めから急登が続くため、ゆっくりと確実に一歩一歩踏んで行きました。時々振り返り「速度はこれくらいで大丈夫ですか?」と声をかけみんなの体調を確認します。「大丈夫で〜す」まだ歩き始めて間もないことから元気な声が返ってきました。杉木立の中の比較的広々とした登山道は暑くもなく、寒くもなく、木漏れ日を浴びながら快適に登って行きました。途中で「水飲み場」もあり大峯・奥駈けで水不足でつらい思いをした事が蘇ってきました。500ccのペットボトルを満タンにするのに30分以上かけたり、30分以上かけて山を下った水場が枯れていたりと散々な目に遭いました。今日は溢れる勢いで清水が湧き出ていました。「帰りにもらおう」ということで登山口から1時間あまりで法力峠に到着し、初めての休憩を取ることにしました。予定変更したにもかかわらずみんなちゃんと弁当持参をしており感心!感心!。姫だけが「ポットが空やねん!」と騒いでいましたが大勢に影響はなくそのまま突き進むことにしました。(翌朝に宿でお湯をもらうつもりだったんだって〜)
「今日にしてよかったねぇ」「風もなく気持ちよくてエエねぇ」みんなの足取りも快適で山上辻まで来ると12時30分になっていました。稲村小屋の前にはベンチや椅子が数か所用意されていましたが行動食で済ませ少し休憩をして稲村ケ岳頂上まで行こうという事になりました。 まだ1時間はかかると思います。
山上辻から先は背の低い笹林の中を通過し、鎖あり、梯子ありで単調な登山道から解放されて緊張感を楽しみながら稲村が岳頂上(1725.9m)に到着しました。見晴らし台の上には貸切状態で誰もいなくて私達のための展望レストランです。「うわ〜っきれい!360度の大展望だ〜!」昼食も忘れて説明板を見ながら大峰の山々を満喫しました。
▲稲村ヶ岳  
 弥山方面  ▲竜ヶ岳方面
 行者還岳方面  大普賢岳方面
 ▲稲村ケ岳山頂から見た山上ケ岳
昼食を終えて気が付くと何と30分以上も経過しています。「あかん!もう下山しないとゴールが暗くなるぞっ!」あわてて下山準備をしもと来た道を急ぎ足で下ります。稲村ケ岳の山頂から10分ほど下ると大日のキレットです。そこからそそり立つ大日山(1689m)へはリュックをデポして空身で急ぎます。10分ほど登り、頂上で参詣をし、記念撮影を済ませると「下るど〜」キレットまで下って休む間もなく稲村小屋まで戻ってきました。 ここまでは往復同じ道を歩いてきたことになります。 
 ▲大日岳
稲村小屋から蓮華辻女人結界門にむけて、かなり険しく細く危険な登山道が続き緊張しながら進んで行くと1時間足らずで蓮華辻女人結界門が見えてきました。すると後ろから「見えたど〜」とジョンの声がした途端、ドタッと転倒する音がしたのです。よそ見をしたジョンが踏み外した様子です
(笑) 靖ちゃんは女人結界門を見るのは初めての様子で驚きの色を隠すことができなかったようです。何故女人は登れないのかの大きな説明文が立ててあり歴史を感じずにはいられませんでした。
▲稲村小屋
▲稲村小屋から蓮華辻女人結界門へと急ぎます 
蓮華辻女人結界門の前で記念撮影を済ませ、レンゲ坂の道乗りはかなり厳しく神経を集中させないと足を踏み外すような狭くて傾きのある道が多く、大雨の影響か、かなり崩れている個所もあり用心をしながら、大きな岩や石を飛びながら沢沿いを歩いて下りました。「林道終点」そんな看板が目に入るようになると「もうすぐ林道らしいよ!」と言うと疲れた足が元気を取り戻し、速度を増して前に進むことができました。しかし午後4時を過ぎたばかりだというのに、あたりは薄暗く、このままいくと林道に出るまでに日が暮れてしまいます。「急ごう!ただし気を付けてね!」看板を見つけてから約30分は下ったと思います。「林道が見えました!」時間は午後4時40分、あたりは薄暗く何とか危険地帯は足元の明るいうちに脱出できたようです。今までの登山でこんなに暗くなったことは初めてです。不安でしたが何とか平地にでることができました。「まだ清浄大橋までは30分はかかるから休憩をしてから行こう」行動食を口に含み、水分を補給し、速足で林道歩きを続けました。「早いど〜!」そんなジョンの声も聞こえないふりをして、かなりの速度で清浄大橋に到着したときは、あたりは真っ暗になっていました。 
▲蓮華辻女人結界門
  ▲レンゲ坂谷を下ります
▲清浄大橋女人結界門
 宿は午後4時30分以降がチェックインの時間のため「宿に連絡しておかないとキャンセルかと思うなぁ」と言うことで電話を入れました。「あと20分ほどで伺います」「お風呂は洞川温泉に入ってから来てください」「いえいえ、もうヘロヘロでそんな元気はありません。宿のお風呂に入ります。よろしく」とお願いをして暗闇の中の清浄大橋女人結界門の前で記念撮影をしました。「写ってるんかなぁ」ちょっと心配でしたが暗闇の中の記念撮影なんてめったにあることではありません。貴重な体験でした。
更に駐車場までは30分はかかり、白いアスファルトが照明代わりとなり、どんどこ、どんどこと歩いて行きました。(ひさぽんも姫も足取りは快適なんですが・・後ろ遅れとるど〜!)やっと母公堂の明かりが見えてきました。やっとゴールです。「行きはよいよい帰りは恐い」そのまんまでした。
 車に乗り天の川の宿までは20分ほどで到着したと思います。どこが宿なのか全くわからず灯りの点いている家を見つけて尋ねると何とそこが今夜のお宿でしたっ!

5人一部屋で少し窮屈ではありましたが山小屋のことを思えば贅沢も言えずリュックを部屋の外にだして布団を敷けばいいかと言う話になり、とにかく夕食を頂き(本当は風呂に先に入りたいのですが・・・)、風呂は沸いたら知らせるということで部屋にて一日を振り返ることにしました。明日の行程はオリオンさんがみっちりと下調べをしてきてくれましたので、観音峯山に登り、御手洗渓谷も散策し、その後奥駈け道の残りのコースである柳の宿から金峰神社までを車で廻ってもらうことにしました。
天川村は寒いアンカを頭に乗せて暖を取る…ホンマかいな
ジョン
またまた病み上がりで山に来ました。登れるかどうか心配でしたが、何とか稲村が岳・大日山をどうにか往復できました。体力低下が堪えます
ひさぽん
奈良方面には来た事がなく、以前から訪れてみたいと思っていました。大峰山にも行きたいと思っていました。上りは簡単でしたが下りは岩があり大変でしたが楽しい山行でした。
オリオンさん
稲村が岳と言うことで事前に色々調べまくってきました。なかなか良い山で展望台からの眺めが非常に素晴らしく全周見渡せたことがとてもよかったです。スタートが遅かったので帰り道は、暗くなるギリギリでしたが、楽しく登らせていただきました。
ひ め
「行きはよいよい帰りは恐い」と言う言葉がありますが稲村が岳コースは、まさにその通りでした。春先に大峯・奥駈け道を歩き、山上が岳に代わる稲村が岳を残すだけとなっておりましたので今回満願かない感無量です。
靖ちゃん
稲村が岳の登り始めはルンルン・楽々でしたが途中、頂上間近で青息吐息でした。景観の素晴らしさは言葉に表せません。下りの途中からは、かなり足にきていました。でも楽しい山行でした。雨に遭わなくてよかったです。
 文:美智子姫  
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