胃痛に悩むジョンの足取りが思うように進みません。「先に歩いてテン場を探せ」そんな指令を受け、少し先を歩きます。
時間は既に5時を過ぎています。雨が降りそうで木立の中を歩くと町中より夜が早く訪れそうで急な下りは捻挫でもしたら大変です。あせる気持ちと思うようなテン場が見つからず、やっと登山道脇にわずかな空間を見つけテン場と決めました。「テン場が見つかりました〜」
大きな声でジョンに伝えます。その声が届いたのか少し元気な足取りが伺えます。 |
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▲さっきの所で張ればよかったなあ |
▲テント張れたの 17:48 だった |
▲この酒が悪かった |
雨が落ちてくる気配で大急ぎでテントを張り、リュックを入れ、そのまま倒れ込みました。少し休憩をしてから食事の準備です。
食事といったところでお湯をわかし、ご飯を湯煎し目刺しを焼くだけなんですが山の中ではご馳走です。
今夜は篠尾辻(岸ノ宿跡)でテント泊です。
またまた登山道の傍らにテントを張っています。明日の天気が少々心配なのですが、残り明日一日ですので玉置神社で買い求めた銘酒・神代杉で乾杯したいと思います。「かんぱ〜い!」
疲れていたためか酔いも周りバタンキューとなりました。 |
しかし、ここからが大変だったんです。ジョンが酔いすぎてうなり始めました。それに「水はどうやって運ぶねーん?!」とわけのわからない言葉を発しはじめたのです。夢をみている様です「もう水は運ばなくていいよ」と言うと寝息をたてて眠ってしまいました。
奥駈にとって水対策が一番大変なのです。
翌朝そのことを言うと、地蔵岳の岩場を水タンクを持って登っている夢を見ていたそうです。
テントを叩く雨音は、激しく、大きく、明日ゴールできるのかどうか心配ですが、とにかく熊野本宮までたどり着かないと いままでの苦労が水の泡になってしまいます。 |
第七日目 5月6日 金曜日 篠尾辻 (岸ノ宿跡) テント泊 |