高野七口 その1  高野七口 その2 高野七口 その3   高野七口 その4 高野七口 その5  高野七口 その6 高野七口 その7 
2020.5.17
  いよいよ高野七口も後半にさしかかりました。大峰口は、高野山の東の入り口であることから東口、あるいは麓の土地の名から野川口とも呼ばれており、一説によると、弘法大師はここから初めて高野山に入ったとも言われています。この大峰口を通じて高野山と吉野大峰山を結ぶ高野大峰街道は、「すずかけの道」とも呼ばれ、修験者や巡礼者の往来で昭和初期まで大いに賑わっていたそうです。1860年代頃、十津川郷士を中心とした天誅組が活動した場所だそうです。
                       
大峰道を歩くには五條駅からのバスが1日に2本(朝8時02分発と夕方)しかなく、始発電車に乗り込み大阪難波から五条駅下車、五条駅からは奈良交通のバスに1時間揺られ小代下バス停で下車(1260円)、村営バスに乗り換え今井辻バス停(410円)から歩き始める予定でした。奈良交通のバスの車窓からの景色は、山の中の道で道幅が狭くて恐ろしく、後続車両を幾度となく追い抜かせ進んで行きました。秘境と言われる十津川温泉は、幾たびかの台風被害にも負けずに修復を終え美しい佇まいを見せてくれました。小代下バス停で予想もしなかったことが発覚しました。奈良交通のドライバーさんに乗り継ぎの村営バス停を尋ねた所「日曜日は運休でっせ」と笑顔で答えられました。笑顔って・・・目の前には坂本ダム湖が、どでかく見え、目の前が真っ白になりました。村営バス(410円)に乗ることが出来れば7km(時間にして1時間33分)省略出来て高野山にはお昼にはゴールするはずでした。
▲近鉄電車・難波駅から南海電車・大阪難波駅までの通路も空いています 
▲南海電車・高野線はガラガラです 
▲橋本駅でJR和歌山線に乗り換えて五条駅へ 
 ▲五条駅で奈良交通に乗り換えて  ▲バスも五条の町を過ぎると私達4人だけ ▲小代下で下車 
小代下バス停から待っても来ない村営バスのバス停を尻目にダム湖にかかる大きな橋を渡りました。バスならエンジンをふかさないと前には進めないのではと思うほどの急な上り坂で標高を歩いて歩いて歩いて稼ぐのです。

仕方なく7kmのアスファルト歩きを覚悟して午前9時20分に歩き始めました。「にっくき410円~!」「あああ~410円!」と、叫びながら、しばしコロナとは無縁の新緑ののどかな田舎道を歩いていると、山肌に立派なイタドリを見つけました。「靖ちゃん今年イタドリ採れた?」「1本も採れてない」「ホラそこ・そこ」と指をさすと靖ちゃんの目が輝きました。その瞬間、恨めしい410円バスの事は忘れました(大笑)その後はイタドリを見つけるために目の色が変わり、沢山の量を収穫できました。今回のイタドリは靖ちゃん用です。高い所はジョンさんに上って貰い私達は「右~もっと左、もっと上~」と司令塔です。(写真撮っておけばよかった!)「 あー怖かった、歳とともに高いところが苦手になってきました。」
▲天ノ川を堰き止めて作られた猿谷貯水池に架かる中原橋
  ▲ちょっと案内図の見学   ▲ダム湖での釣り人  ▲イタドリ採ったどおおお
 ▲急な坂を登っていきます…今回はキセキレイくんが見送ってくれました 
歩き始めてから1時間、木陰を見つけて休憩です。おにぎりを食べて元気復活です。更に進むと野迫川村営の大きな案内板が見えてきました。
2時間歩いたことになります。本来なら今井辻バス停で降車するはずでした。「い・い・今からがスタート?」もうゴールかと勘違いする程、疲れているし、辛い上り坂でした。
 ▲野迫川大橋です…山間部を立派な道路が通っています
 ▲今井の集落です  ▲上:庚申さん 中:藤 下:スカンポを採ったヨ 
▲今井辻に立つ看板…予定ではここが歩行のスタートだったのです
牛蒡橋を渡ると二股に道が分かれており、「スズカケラインの看板」が立っていました。右へ進むと、「野川弁財天」、地元では「野川の弁天さん」として親しまれている財宝の神様で、弘法大師が建てたと伝えられ、本尊の大弁財天女像も弘法大師の手によるものとの言い伝えが残っています。
 高野豆腐伝承館でスタンプをゲットし、野迫川村はホタルで有名なのでしょうか、橋にはホタルのイラストがあちこちに描かれていました。橋を渡り、川に沿って進むと、左手にお地蔵様が祀られている。丁寧に手を合わせます。階段の細い道があり、「大峰道」と書かれた標識が立っていました。途中で合流するため民家の中を通らず車道をそのまま前進しました。民家のおじさんが「どこまで行くんや?」「高野山奥の院です」と言うと「だいぶ遠いぞ」と声を掛けてくれました。今井集落を抜けると県道と合流し、中原川に沿って進んでいきます。「自然水」と書いた看板が立っておりましたが私は何回となくお腹を壊した経験があるので湧水は絶対に飲まないようにしています。お腹の丈夫な人は自然の恵みですからと薦めましたが・・・誰も飲む人はいませんでした(これからは生水は危険です)
▲岩倉稲荷大明神 ▲野迫川村の保護樹・野川の大ケヤキ 
▲クリンソウ 
まもなく大峰道に入ると言う直前の鉄工所の建物の軒先を借りて昼食タイムとしました。しっかりと空腹を埋め、今回の心臓部である大峰道を歩く準備ができました。午後のスタートです。
  「高野大峯歴史街道」と刻まれた石柱が立っていました。ここで記念撮影を済ませ、やっと土の香りのする山道へと突入です。土を踏んだ途端、今までの疲れがふっ飛びました。靴の中に小石が入ったと勘違いしましたが7kmのアスファルト歩きで「右足はえだ豆」「左足はエンド豆」が育ったみたいです(笑)

 初めて「大峰道」と書かれた標識を確認し、大木に巻き付けてある「大峰道」の標識を確認して進んでいきました。かなり崩れた場所もあり注意を促しながら急坂を登っていきました。雨の前なのか小さな虫が汗の臭いで顔のあたりにへばりついてきます。防虫スプレーを振りかけました。途中で山椒の葉を見つけました。(少しお裾分けしていただきました)山道はこれが楽しいです。
▲東の高野大峰歴史街道碑 ▲大峰道 
▲天狗木峠の役ノ行者像 ▲ 西の高野大峰歴史街道碑
▲天狗木峠 ▲天狗木峠の地蔵様 ▲桜峠へ
天狗峠をまもなく出るというところでjunkoちゃんからの電話が鳴りました。何と、何と、ゴールの高野山に来ていると言うのです。みんなの驚きの顔を見せてやりたかったです。桜峠から逆に歩いて合流する様伝えました。 
 舗装道を歩いているとに出た右手に「お地蔵様」がありました。
右手に地蔵尊が祀られていて、その横に「南海電鉄バス天狗木転落事故物故者五十回忌」と書かれた卒塔婆が立っていました。昭和34年1月1日に初詣のバスが、この場所から90mの崖を転落し、9人の方が死亡した場所だそうです。(合掌)
車道をしばらく歩くとjunkoちゃんの姿を見つけて大きく手を振りました。向こうも大きく手を振り返してくれました。近づいてみると・・・知らない人だったんです(爆笑)近くに住む人達が日課の散歩に来ていたらしく、こうこうしかじかでと説明をして人違いであった事をお詫びしました。「よぉがんばったなぁ」と、関西のおばちゃん名物の飴ちゃんをみんなにくれました。
▲桜峠の直前でjunkoちゃんとばったり    ▲全員で記念写真…やっぱ一人でも欠けちゃあねチビノッポコデブイヨッ名トリオ!
地元の人達と別れ歩いていると、今度こそほんまもんのjunkoちゃんです。「junkoちゃ~ん!」劇的な再会をして、バスが運行してなかったこと、イタドリが取れた事等を一気にお喋りの花が咲きました。それにしてもjunkoちゃん根性あるよね。ゴールの中の橋駐車場到着15時30分。歩いた距離約17km(32,000歩)帰りのバスも電車もガラ空きで「三密」状態を避けた山行は私達に英気を取り戻し、お互いの元気を確認できた「復活の祈りの道」でした。
▲高野山駅 駅舎 ▲高野山駅 改札前 ▲南海電車高野線
 ● ひめの感想 
実行日が雨かもと言う天気予報を鵜呑みにしたことをまず詫びておきます。「雨もまた自然」と決行していればバスの運休で7kmのアスファルト歩きも無かったと思います。ごめんなさい。久しぶりの山歩きでみんな興奮気味でした。新緑の山々はコロナとは無関係に美しい山容を見せてくれました。心洗われました。コロナの免疫が出来た気分です。熊野古道独特の杉の木立の土の道に足を踏み入れた途端、疲れが吹っ飛びました。元気をもらいました。
● 靖ちゃん
昨日はお疲れ様でした。コロナ忘れて楽しかったです。お陰様でイタドリ沢山ありました、皆さんありがとう。
● 留守番ポッチーさんの感想
おはようございます。今日はなんとか天気だそうで良かったですね、ご安全に楽しんで下さい。 今日も楽しい写メールと景色良かったです。有難うございました。お疲れ様です。それにしてもjunkoちゃんの根性見させていただきました、おそれいりました。
● junkoちゃんの感想
オハョウございます。申し訳ございませんでした。寝坊してしまいました。最近の生活のみだれが現実になり失敗です。スイマセン。(その後ゴールの高野山から逆歩き)執念でみなさんと会えました。嬉しかったです。
● 正ちゃんの感想
昨日は、皆さんと一緒に高野七口に参加させて戴きまして、ありがとうごさいました。 それにワテの腰痛のご心配を掛けてしまい、すみませんでした。昨晩は、意識して一昨晩と反対向きに寝たところ、腰痛は収まりました。次回は快調に行けると思います。
● JONの感想
今回のコースも地道は少なく、そのうえ小代下から今井橋までキツイ登りと下りがあり大変でした。印象に残るところは少なかったのですが、天狗木峠の地名と昭和34年1月1日に初詣のバスが、この場所から90mの崖を転落し、9人の方が死亡した60年も前の事故を思い出した次第です。
それと「密を避けるために2mは空けましょう」と言われてるのにこれが案外難しい自分たちの仲間はともかく、駅で並ぶとき今まで通り普通に他人様の後ろに並んでしまう気をつけなきゃあ。反省しきりです。

本日朝から参加できなかった junkoちゃんが高野山から逆コースを桜峠まで上がってきてくれたことに敬意を表し「やまたび倶楽部」をもう少し続けることにしました。
あーあー、今回で終われると思ったのに…
 
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