上信越&北関東の日本100名山を辿って  第5日目 武尊山(2158m) 6月11日(木曜日・晴れ)
雨飾山・苗場山・奥白根山・男体山・武尊山・皇海山
 川場谷キャンプ場04:20~不動分岐04:50~不動岩06:50~胎内くぐり08:05~前武尊08:50〜09:10~家ノ串10:15〜10:20~
武尊山山頂11:30ー12:00~家ノ串12:55~前武尊13:55~スキー場分岐14:50~不動岩分岐16:00~川場谷キャンプ場16:30
武尊山(ほたかやま)は、群馬県利根郡みなかみ町、川場村、片品村の境にある標高2,158mの成層火山です。北アルプスの穂高岳と区別するため、上州武尊山とも呼ばれています。武尊山は沖武尊(2,158m、中ノ岳(2,144m)家ノ串(2,103m)前武尊(2,040m)剣ヶ峰(2,083m)剣ヶ峰山(2,020m)獅子ヶ鼻山(1,875m)西峰(1,871m)の八つの主な峰から成り立っています。標高2,000m以上では唯一、国立、国定、県立のあらゆる自然公園に含まれていない山岳でもある.
山名の由来は、日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征の故事によるものとされています。山名に日本武尊の「武尊」の字をあてるようになったのは、江戸時代と考えられています。
登山届を提出して 暗がりの中を出発 不動岳の分岐 沢を渡って
旭小屋ルートに合流 鎖をつかみ 倒木を越え 大岩を越えて
 いままで少し楽なコースばかりでしたが武尊山は難易度の高い岩場の多いコースでした。ちょうど妙義山とよく似た山容です。「とにかく時間のかかる山」と認識していました。午前3時過ぎに起床。朝食を済ませ午前4時20分、周囲が明るくなり始めましたので出発しました。私たちは難易度の高い岩場の多い健脚コースである「旭コース」を、あえて選びました。30分ほど歩くと不動岳分岐が見えてきました。「いよいよやな。気を抜かずに行こう」歩き始めは疲れが蓄積しはじめたのでしょうか。思うように足が上がりません。「ゆっくりでええでぇ!」後ろから人の気配がするので「先に行ってもらおう」と、その間、休憩できるので後ろからくる登山者を待ちました。止まると後続者の足音も止まります。歩き出すと同時に移動しているように感じます。「誰~誰かいるの?」次の瞬間、笹が大きく揺れて沢の方に走り去る黒い影が見えました。その速度は登山者ではなくて動物のようでした。クマかなあ。(こわ~っい!)
 
岩場の中を楽しみます
修験者の修行の場 不動岳の鎖場
 カニノヨコバイ
2時間30分ほどで不動岳の取り付き点に到着です。急峻な岩で手を滑らすと命はありません。ラビットノットを掛けながら慎重に通過します。鎖に全体重をかけてはいけないのでクライムダウンで降下していきます。「カニのヨコバイ」と名前の付いた場所もありました。劔岳ほど整備されていなくてスリルがありすぎます。登り始めて4時間を過ぎたころ日本武尊の実物大と思われるりっぱな像が立っていました。お社もあり屋根には救護用のソリが備え付けられていました。「山頂に着きました!」「そんなわけあるかっ~!それは前武尊やろ?」前武尊で長い休憩を取り甘い紅茶に助けられ再び歩き始めます。
 
 
 
一の池、二の池、三の池の上に広がる雪田 
やっと到着です 三角点にご挨拶 御嶽山大御神の碑
家の串、中岳を経て上り下りの険しい道を進みます。今までこれほどにきついと思った山があっただろうか・・・と思うほど長くてつらい道のりでした。険しいアップダウンの後には笹藪が敷き詰められたような悪路を通過したり、ぬかるんだ道を渡ったり雪田の道を1キロメートルもあるトラバースがあったりと今回は「山頂を踏まなくていいので引き返したい」と、喉元まで出かかっては飲み込みました。頂上直下に再び日本武尊が立っており「もう一息だよ」と声をかけてくれたような気がしました。
最後の力を振り絞って頂上を踏んだ時は達成感で涙が流れました。頂上では、しばし放心状態。 
 
 .OGNAほたかスキー場 .OGNAほたかスキー場への分岐 
 不動岳の分岐まで帰ってきました  下山届を提出して登山完了です
帰路は岩場コースではなくスキー場コースを選びましたがこれもまた悪路に続く悪路で膝が痛くなりました。途中でクマの大きな糞が登山道に落ちていました。「朝のガサゴソはやっぱりクマやったんや」

不動岩の分岐に午後4時に到着です。あとは惰性で歩いても30分もあればスタート地点に戻ることができます。
午後4時20分ゴールです。
タイムコースが往路も復路も時間差がないと言うことからもきつくて厳しいコースであることを物語っています。恐怖感はありましたが不動岳コースの岩場があったればこそ頑張れた気がします。帰り支度をして川場温泉「悠湯里庵」と言う豪華な温泉に浸かりました。武尊山登攀のご褒美です。ナビでこの日の宿「道の駅」を探すと何とみなかみ町まで案内されてしまいました。仕方がないのでこの夜は道の駅みなかみ泊です。夕食は何を食べたか記憶にありません。
 
文:美智子姫