Yamatabi-CLUB000
往路 1日目 2日目 3日目 4日目 復路
「台風6号をUターンさせて、爺ケ岳&鹿島槍ケ岳&五竜岳&唐松岳 登頂」
 
●(第3日目・7月19日(火曜日)天候 雨のち曇り

雨の洗礼を受け午前5時30分出発です。
頬にあたる雨は冷たく痛く、暑さをほとんど感じることはありません。むしろ寒いくらいです。
冷池山荘から布引山への登りはかなりきつく、雨で足元も滑りやすくなっています。ロングコース初体験のオリオンさんと靖ちゃんの体調を気遣いながら今日もトップを歩きます。
とにかくゆっくり前進するのみです。布引山には三角点はありません。ここは鹿島槍ヶ岳のビューポイントなのですが濃霧の中のため視界はまったくありません。布引山を過ぎると鹿島槍ケ岳の南峰までただひたすらに高度をかせぎます。
憧れの鹿島槍南峰の頂上で一瞬視界がよくなり眼下の尾根をくっきりと見渡すことができました。
もちろん三角点を探して記念撮影もしました。ほんの一瞬でしたがパノラマ状態に展望が開けたときの感動は言葉では言い表すことができません。
タイムスケジュール
 05:50  冷池山荘 出発
 06:35  布引山
 07:50  鹿島槍南峰
 09:10  鹿島槍北峰
 11:50  キレット小屋 泊
   午後からは休養日
晴れて喜んだのもつかの間、またガスに覆われてしまいました。鹿島槍は後立山の盟主と言われ、標高もさることながら、双耳峰の独特の山容が魅力のひとつと言えると思います。遠くからでも山容で鹿島槍だとすぐわかるようになりました。
冷池山荘 冷池山荘出発 いきなりの登りです 雨の中を登ります
この辺りは非対称山稜です 雪渓を踏んで 樹林帯を抜け ガレ場を登っていきます
山荘から3時間ほどで鹿島槍(2889メートル)南峰に到着。キレット小屋から上がってきたと言う5名のパーティと歓談。南峰、北峰と鹿島槍独特の双耳峰を巡り、吊尾根から八峰キレットへ向います。
稜線を行く もうすぐ頂上です バンザーイ・バンザーイ
鹿島槍ヶ岳 南峰 山頂 鹿島槍ヶ岳 南峰 山頂
鹿島槍ヶ岳 北峰 山頂 鹿島槍ヶ岳の吊尾根
鹿島槍ヶ岳北峰山頂にて 思わず万歳をする面々
北峰からの下り 強風の中を下って行きます 雪渓上部にて 吊尾根からキレットへ
今日のコースは歩行時間こそ短いものの八峰キレットの通過があり慎重に歩を進めていかなければなりません。岩場も多いことからストックの使い分けに充分気をつけて行かなければ滑落という最悪の事態も免れません。ストックはリュックに収納し、スワミベルトカラビナ、シュリンゲを身につけ鹿島槍吊尾根から下っていきます。
八峰キレットは急峻な崖の間につけられたラインを辿ります。聞きしに勝る恐怖の連続です。
足を踏み外したら奈落の底に真っ逆さま、気を抜くことはできません。
八峰キレットと思われる鎖場が見えてきました。昨夜の小屋でラビットノット(カラビナの掛け替え)を作り、使い方を復習し万全を尽くし、万が一、手が滑ったとしてもスワミベルトとカラビナで滑落防止ができることを頭に入れ、怖がらずきちんと一歩一歩を踏み安全通過をしようと全員で確認をしたおかげで、濡れた岩場を怪我もなく無事通過することができました。
ルートを外さないようにお互い注意をしながら進んでいきます。
降下したよー カラビナで安全策を それにしても怖いなあ
ラビットノットの掛け換えで危険箇所を安全に通過します こわーッ!
ここでは落ちれん 濡れた岩場は滑ります 飛ぼうかなあ
落ちたら命の保障はできない もう少しで通過できるかな 突然! キレット小屋が目に飛び込んでくる
穂高のジャンダルムにも似た、いいえ、ジャンダルムよりも危険個所が多く、そして長く岩場歩きを楽しみました。(風がなくてよかったわ~)鎖場を登り切ったところで、いきなりキレット小屋が出現しました。「あっーッ。小屋が見えましたっ」とあまりのうれしさに叫びました。後ろから来るジョンは私が前で滑落して叫んだと勘違いしたのか、あとでえらく叱られました「黙って歩け!落ちたかと思ったぞ!」「ハイ・・・・すみません」
「おーい。着いたで~」 「着いた」「着いた」「命があった」 よかったなあ…喜び合うメンバー
到着時間は11時50分です。今日は最初から中休み日と決めていましたので無理をせず前に進まずキレット小屋周辺を楽しむことにしました。受付を済ますと人間丸ごと乾燥室まで行き、濡れた衣類をその場で脱ぎ、リュックも干し、部屋に入り、時間も早いことから缶ビールでキレットを無事通過できたことへの祝杯をあげました。キレット小屋も台風の影響を受けて、われわれ4人だけの宿泊です。1畳に3人と言う小屋状態を考えると天国のようです。                                                         キレット小屋 泊
  オリオンさんこの日の感想
布引山南峰・北峰は、わりかしスムーズに行けました。鹿島槍から手前から見て
「ああ今からあれに登るのか」と思いました。
キレット越えは、大変でした。命がけでしたよ。
  靖ちゃんのこの日の感想
今日も一日雨だと思ってたのに、お花がいっぱいきれいに咲いていました。二日目になって疲れが残っているのか、しんどかったです。
鹿島槍に上がった時は最高でした。キレット小屋まで早めについてよかったです。
めっちや疲れが残っています。キレットは写真では見てたけど実際にみてびっくりしました。
  JONのこの日の感想
鹿島槍は若き日に雪の東尾根で吹雪で撤退を余儀なくされたことが頭をよぎります。この5月にも山岳会の山仲間が雷の影響を受け頭髪が逆立ったそうです。数年前にはやまたび倶楽部のメンバーの知人が5月の山で滑落死されていますし、事故の多い山域です。天候は良くなかったですが、雷に遭わなくて良かったです。
キレットは日本三大キレットと言われてる、大キレット(槍ヶ岳〜穂高岳)、不帰キレット(白馬岳〜唐松岳)と肩を並べるだけあって、八峰キレット(五竜岳〜鹿島槍ヶ岳)もすごかったです。鋭さは大キレット以上だと感じています。
昨今中高年の山岳事故は増える一方ですが日々トレーニングをして装備を整えて入れば大丈夫だと思います。
正午には小屋に着いてゆっくりと休養するのも良いものでした。
  姫のこの日の感想
あこがれの鹿島槍との対面です。晴天とは行きませんでしたが満足のいく出合でした。
八峰キレットの通過は私の楽しみにしていたコースでしたのでふつうの歩きはへとへとであっても岩場を見るとわくわく感に変わり楽しかったです。
「ここで滑ったら死ぬ」と言う緊張感も私は好きです。


美智子姫:記    写真/GPSデータ:鹿島秀元000
往路 1日目 2日目 3日目 4日目 復路