「錦秋の常念岳」は胸突き八丁・口八丁・もひとつおまけに空は姫天気

★第2日目(9月27日)
午前6時、雨は止んでいるものの、霧のために一寸先の視界も望めません。
リーダーからの招集がかかり、ミーティングを始めました。
天気予報によると雨が強くなるとのことで、8人全員の意見を聞くことになりました。
「所属する山岳会ならこの天気ならば山行中止にする」
「年も年だし雨とわかっていての登山はきつい」
「無理して行かなくてもいいかも」「どちらでもいい」
「警報が出ているわけではないので雨もまた自然、行きたい」
多数決では山行中止という結果となりました。「もういちどフロントに行きインターネットで天気予報チェックをしてから最終決断をしよう」
と言うことでジョンと姫がフロントに行くこととなりました。エレベーターの中では重い空気が流れていて、一言も言葉を交わすことはありません。
フロント係の人が天気予報の項目をコピーしてくれ「曇りのち晴れ。翌日は晴れ」と言うデーターをもとに、仲間の待つ部屋に帰り、
「登山は雨でないのに限るが、雨の場合の合羽も持っていることから決行することに決めました」
さあ急にあわただしくなってきました。予約してあるジャンボタクシーは午前7時40分にやって来ます。朝食のバイキングが既に始まっていることから、あわててレストランに走りました。雨は止んでいるものの、霧が深いため合羽とスパッツを着用し、出発の準備もあわただしくフロントで支払いを済ませていると外には既にジャンボタクシーが到着していました
「早くして〜!」
そんな言葉をみんなにかけて、車道終点の「ヒエ平」にある常念岳登山口に午前8時には到着することができました。
ヒエ平登山口からいよいよ登山開始です
それぞれがストレツチを済ませ、簡単なミーティングを済ませました。
本日のルートは常念岳の一ノ沢コースで、標高差1200b、4時間30分の行程で沢沿いにゆっくり高度を上げていきます。トップは姫が仰せつかり「ゆっくり、確実に歩を進めろ」と言うリーダーの指示のもと、「後は自由に列をなしてもいいが3日間とも歩く順番を変えない様に」とのリーダーの言葉で自分の歩く位置を決め、ゆっくりと登っていきました。
歩き始めは高低差の少ない歩きやすい道です
最初のポイントは山ノ神
途中で山の神様を祀っている場所があり、みんな熱心に天気のお願いをすることとなりました。胸突き八丁までの4時間の道のりを30分毎に休憩を挟み、リズムが取れた段階で50分歩行に切り替えました。沢沿いの道はマイナスイオンが溢れており、霧も晴れ、暑さを感じることはなく「水を持ちすぎたかなぁ」と言うくらい涼しく、快適でした。胸突き八丁あたりにくると薄日が差してきて「キャー!太陽が出たよ!奇跡だよ〜!」常念岳の頂上も、くっきり見えてきました。あたりはうっすらと紅葉がはじまり、白い小石が雪化粧をしているみたいに美しくダイヤモンドの様に輝いて見えました。
途中花をゆっくり愛でたり、栃の実を拾って楽しんだり
9時40分大滝を通過
10時05分烏帽子沢到着、ここで合羽を身に着けます
10時55分笠原沢到着
11時40分胸突八丁に入っていきます
12時20分 最終の水場を通過
12時35分 第1ベンチ通過
13時05分 第2ベンチ通過
13時13分 第3ベンチ通過
13時40分 常念乗越通過
常念乗越13時40分、予定時間より1時間オーバーしていますが、みんな「ゆっくり登れて良かったわ〜!」「マイナスイオンいっぱい吸えたわ〜!」「諦めず決行してよかった〜!」と感動の声をあげました。常念小屋の客は私達以外に2組ほどでガラガラです。お部屋もゆったりと男女別の個室をもらい、濡れた合羽や靴を乾燥室に乾かして疲れを取ることにしました。

GPSデータ
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文:美智子姫00000 写真・GPSデータ提供:鹿島秀元