「錦秋の常念岳」は胸突き八丁・口八丁・おまけに空は姫天気

★第1日目(9月26日)
 長かった夏も終わり、朝夕はめっきり秋らしくなりました。秋らしくと言うよりも肌寒ささえ感じます。久しぶりの「バス旅行」です。
いままではバスを「貸し切り」で使い、賑々しく行っておりましたが、加齢に伴い一人減り、二人減りで、今回は8名の寂しい出発となりました。しかし、旅は人数ではありません!中味ですぞっ!(ガイドもどきとしては働く場を失い少々寂しいです。)乗り合いバスですので夏沢鉱泉の「ミカンコロコロ事件」の二の舞にならないように、アルペン号「松本行き」のバスに梅田三番街から乗り込み、新大阪、千里ニュータウン、名神茨木、名神高槻、名神深草で乗客を乗せ松本バスターミナルへ向けて出発いたしました。私達のメンバーも、ひとり深草からの乗車です。「いた!いた!」深草のバス停でメンバー全員が揃いました。午前9時を過ぎると少し渋滞がはじまり、窓の外は秋を告げるトンボが飛び交い、伊吹山も勇姿を見せてくれ、稲穂が頭を垂れ曼珠沙華も美しく咲いていました。今年は「春、夏、秋がなくて初冬」みたいで暑かった夏にやっとピリオドが打てました。
空は秋晴れ 阿智PAで休憩 千恵ちゃん 美マッチ、やっちゃん
鋸岳、甲斐駒もくっきり 松本駅前到着 松本の街 アルペン号
 多賀サービスエリア、阿智パーキングエリアでトイレ休憩を済ませ、車内は80lの乗客で埋まっています。ドライバーさんが「間違って乗っている人はいませんか〜?このバスは松本行きですよ〜!」聞くところによると時々行き先を間違えて乗ってくる人がいるらしいです。ほとんどの乗客は静かに目をつぶっている様子です。日本で2番目に長い恵那トンネル(8490b)の手前でランボルギーニやオロチ等の赤や黄色や黒色のスポーツカー集団が5台、10台と追い越し車線をぶっ飛ばしていきます。数えていると全部で22台も通過していきました。(ここはサーキットとちゃうで〜)
標高660bの地にある恵那トンネル付近の温度は18度秋真っ只中です。飯田ICを過ぎ駒ケ岳SAを過ぎる頃、車窓左側に、宝剣岳、千畳敷ホテル、右側には甲斐駒岳、仙丈岳、鋸岳がくっきりと見えて来ました。この辺りは中央アルプスと南アルプスの間を走っています。
やがて中央道に別れを告げ長野道へと入っていきます。長野道みどり湖、広丘野村、神林、松本インター前と降車場所へ立ち寄りながら松本バスターミナルに13時30分定刻に到着しました。
松本駅からはホテル「アンビエント安曇野」のマイクロバスのお迎えがあり1時間あまりの安曇野のドライブと洒落込むことができました。
安曇野の蕎麦の花は綺麗でした
 松本バスターミナルに到着すると15分の待ち時間で、ホテル「アンビエント安曇野」のマイクロバスのお迎えがあり1時間あまりの安曇野のドライブと洒落込むことができました。ホテル送迎バスを予約時に「万が一高速バスが遅れた場合は待ってくれるのですか?」と聞くと「次の停車場の穂高駅との関係で1分たりとも待てません」との回答でした。「なぬ〜っ!ならば高速バスとの接続などとまぎらわしい書き方をすんなっ!」と言いたいのをグッと我慢し、一度冷静になるために電話を切りました。少しの間を置き、再びホテルへ電話をしたら先ほどの受付嬢ではない、やさしい口調の女性が出られたので、もう一度最初からお願いをすることにしました。「かしこまりました。お待ちしております。高速バスが遅れた場合はその対応はさせて頂きます。お気を付けておいで下さい」と何とスムーズに予約がまとまりました。受付嬢によって、こうも対応が違うのでしょうか。

別荘に住むと言う老人夫婦と私達だけの乗客をのせ常念山脈の麓へと走ります。途中、安曇野の町並みには白い蕎麦の花やコスモスの花が風に揺れ、リンゴの木が青い実をつけていました。安曇野を流れる梓川は槍ヶ岳や常念岳に端を発し犀川、千曲川、信濃川と名前を変えて日本海へと注ぐ日本で一番長い川です。

山麓に入っていくと常念岳登山口の標識に導かれるように、白樺の林を進んでいきます。
ホテル着14時35分、豪華なホテルです。(値段も高いのよ〜)
ホテル「アンビエント安曇野」
ホテルの部屋は男女別に2室用意されており、和洋折衷に炊事場がついており自炊もできるタイプです。荷物を置くとレディスルームに全員集合し、これから始まるであろう山行の成功を願って、お茶とお菓子で乾杯をし地図を広げイメージを大きく膨らませることとなりました。到着が早いと言うこともあってホテルの外周を散策する者、風呂に入る者、体調不良調整に昼寝をする者と自由に時間を過ごすことができました。今までだと参加費を安くするために夜行バスで朝到着するとすぐ登山開始をしていましたが前日に近くで宿泊して登山に備えると心にも余裕ができ、体力的にも随分と余裕が出来るように感じました。夕方になると外はしっかりと雨が降ってきました。「山間部だからよくある事や〜」慰めと言うか、明日への希望と言うか、そんな言葉を交わしながら、いつも豪華と言いつつも「登山時は、雨、風がしのげればエエんじゃ〜」が山の常識みたいになっていますが今回は本当の豪華ホテルの様でした。温泉はあるし、ちょっとした観光旅行モードが楽しめます(会計係としては頭いたいんだけど・・・)
安曇野の森の散策に出かけました
猿曰く「人間の群れに出遭って怖かったわー」 人間曰く「猿の群に出遭って怖かったわー」
夕食は岩魚の塩焼きがサイコー どうみても人間ドックの順番待ちだね
まっ、たまのことだからいいかっ!寝袋ではなくふっかふっかの布団で常念岳の夢を見ながら熟睡いたしました。翌朝は、ホテルの朝食バイキングが午前7時から始まるのを待って、頼んでおいたジャンボタクシーに乗り「ヒエ平」に向かいます。ヒエ平から王滝ベンチ、胸突八丁を得て5時間ほどで常念小屋に到着する予定となっています。山頂は明日拝むとして、この日は北アルプスの空気をご馳走になり就寝することとなりました。


GPSデータ
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文:美智子姫00000 写真・GPSデータ提供:鹿島秀元