姫の還暦記念山行 ・ 北鎌尾根から穂高縦走
平成20年8月6日(水)〜平成20年8月12日(火) 車中1泊・小屋3泊・テント1泊・旅館1泊  6泊7日の山旅
●8月12日(火)晴れ
新穂高から路線バスで高山に出て、高山バスセンターから大阪まで濃飛高速バスで帰ります。
中尾温泉から再びロープウェイの新穂高駅へ。前夜西穂高山荘に泊まったサスケパーティを迎えるため、お土産を買うため、高山行きバスの始発停留所であるため、3つの目的をもって戻りました。

高山行きバスは9時50分。サスケうらら組と出会えません。会うのは無理と考えバスターミナルへ下ります。
「あと5分で高山行きのバスは発車します」
案内放送が流れています。姫は切符売り場へ急ぎます。JONが乗車口で待っていると、大あわてのサスケさんがアルプス温泉から飛び出して来ます。
「おお、JONさん」
「温泉に入ってはったんですか」
「これに乗りまっしゃろ。切符買うて来ますワ」
切符売り場まで急いでいる途中、姫とクロス。道の真ん中でハイタッチ。再会を喜び合っています。通過中の乗用車も思わず急ブレーキ。
「あかん。姫お金貸して。うららが財布持ってんねん」
再び切符売り場へ急ぎます
「わー間におうた。うららはまだでっか」
そうこうしているうちに、うららさんが温泉から出てきて乗車口へ。そして来るなり
「あかん。ロッカーに財布おいたままやー」
あわててアルプス温泉へ逆戻り。おいおい、バスの発車時間は過ぎてまっせー。

たぶん3分ほど遅れてバスは発車。
どうにかバスに乗れて、高山に向かいます。その車中の喧しいこと、うるさいこと。
「静かにせな、寝られへんやろ」
そういいながら眠り,眠りから覚めるとJR高山駅前だった。

高山に到着すると大きなリュックをコインロッカーに入れて高山見物をすることにしました。
緊張の糸も切れて今日は観光モードです。まず腹ごしらえのため飛騨の十割そばの看板を見つけて飛び込み、ビールと天ざるソバで乾杯。焼酎のそば湯割りを飲んで、喧しいほど喋って、そのあとも高山の古い町並みを散策しました。かき氷の旗につられてイチゴミルク、宇治ミルク、アイスモナカをたいらげ、お酒の蔵元で一杯飲んで、通りで売っている桃をかじって、1個1100円のサングラスを2個買って、サスケパーティは14時40分の名古屋行きの列車に乗り、我々は15時20分発の大阪行きのバスで帰りました。

北鎌尾根を終えたいま「また行きますか?行きたいですか?」と聞かれたら、いまは「ノー」と答えます。しかし腕の擦り傷が癒え、足や顔のむくみが取れ、写真ができた頃に同じことを聞かれたら「季節を変えてふたたび」と答えていそうな自分が想像できて恐ろしい。水を充分に持ち荷物の軽減に工夫し、体力の維持に努め、信頼できるパートナーに出会えれば素晴らしい山行となることは間違い有りません。ビバークの最中にリーダーが「ハイカーとクライマーの違いは何か」と質問をされました。
私の回答は80点だつたらしいですが百点の模範解答は
「いかなる場合も自分の命を守り、相手の命をも守る。これこそがクライマーの真髄である」
そう話してくれた。
★荷物の中で何が不要で何が不足か戻って考えてみました。
まず使用していないものは何もありません。全て使いました。着替えは沢の水を利用して最低必要枚数だけ工夫したし、防寒着は合羽を利用しました。不足の品は何と言ってもビバークを含む北鎌尾根を抜ける間の水です。突然のヒョウに助けられましたが「水不足」は命にかかわります。行動食もビスケツトや甘いお菓子類は、ほとんど残ってしまいました。食べる気もしませんでした。やはり喉ごしのよいパック入りのフルーツの缶詰やゼリーなどが最適です。ゴミの量が増えますが体力を維持するにはこのような食材がいいのではないでしょうか。
★山のマナー
ツアー等で簡単に槍ケ岳や西穂高岳に行けるせいか「相手の事を配慮しない登山者」が多いのに驚きました。たとえば槍ケ岳の一方通行のハシゴを平気で逆に登る人、岩場の危険地帯でも距離を置かず詰めて登ってくる人。当然道を譲ってくれるであろうと平気で突っ込んで挨拶も交わさない人など言えばキリがありませんがその都度小言を言うと「北鎌尾根を踏破した誇り」に傷がつくと思いじっと今回は我慢しましたがツアーで参加の時は添乗員の配慮が必要です。やまたび倶楽部の山行では口うるさく言いますがそれが「常識」なんです。
【パートナー・JONの声】
山のマナーは確実に悪くなっています。都会の我が儘ぶりをそのまま山に持って行っているような気がします。「今時の若い者ワ」そんな言葉を耳にしますが、山に来る若者は大丈夫です。男女を問わず好青年です。ただ小屋で働く一部のアルバイト君、商売をしていると言う感覚を身につけてほしいと感じました。
今回嫌な思いをさせられたその全ては、中高年と呼ばれている人たちだったように思います。
アンザイレンの意味も知らずにハーネスにヘルメットのおばあちゃん二人、もう少し山についてリーダーさんから学んだほうがいいですよ。リーダーさんもそのレベルの人間を厳しいルートに連れて来ないほうがいいですよ。
デイパックで大キレットを超えている人もいました。大声で騒ぎながら槍の穂先で会話をしている婦人達もいました。山で大声の井戸端会議は止めましょうね。まあ数えあげればキリがありません。
でも一番閉口したのは、外国の登山者グループでした。