東大台散策 大台ケ原~堂倉滝 堂倉滝~桃ノ木山の家 桃ノ木山の家~宮川第3発電所
2020.08.07
大台ケ原~堂倉滝 後編
大杉谷の特徴は何と言っても滝と吊橋です。堂倉滝吊り橋が目の前に見えたら右側にドドーンと堂倉滝のお目見えです。大杉谷の滝で大台ヶ原から下るルートでは一番最初に現れるのが、この堂倉滝。落差18m。見た目以上に大きく見せる姿は歩き疲れた体も一気に吹き飛びました。日出ヶ岳でのんびりしすぎたのか、鎖場通過に思ったよりも時間を費やしたのか既に予定より2時間遅れています。(小屋には2時過ぎには到着予定・・・この調子だと難しいね)
▲堂倉滝
▲堂倉取水堰堤…ここから宮川第3発電所へ送水しています
ここは宮川第三発電所に送水するために設置された取水堰です ここから北へ約2.8kmの所にある不動谷の取水堰まで水路トンネル進みここで北東方向に角度を変え2.5km行ったところで水管の中を通って宮川第三発電所へと送られています  ここでタービンを回した水は宮川貯水池へと放出されています
▲堂倉滝吊り橋
大台ヶ原・大杉谷吊橋事故
1979年9月15日、吉野熊野国立公園大台ヶ原山・大杉谷の上流から二つ目にあたるこの堂倉吊橋(全長46m)において、大阪の観光サークルの一行52名が「通行制限。一人ずつゆすらないで静かに渡って下さい。三重県・宮川村・大台警察署」の警告板を無視し、しかも、まだ渡りきっていない先行パーティ2名の制止をさえぎって、強引に8名もの多人数で渡橋しようとしたため、吊橋が10名の荷重に耐えきれず、直径21・5mmのメインワイヤー2本のうち上流側の1本が切れ、橋板が45度に傾き、1名がワイヤーにぶらさがっていたが2分後に約20m下の河原に墜落、露岩に激突死亡、1名がワイヤーに跳ねられて重症を負う事故を起した。
また死亡者のザックには、途中、河原で拾った岩が入っていたという。 
このような事故を引き起こさないため登山者は無神経に大股で歩いたりしてはいけない 線は引かれてはいないが橋板の中央に一本の線があると思い静かにその上を歩かなければいけない。
▲イワタバコ ▲堂倉吊り橋を行く
▲危険個所においては2個のカラビナを架け替えながら進んでいきます…カラビナチェーン
 ここで墜落したら命はない そのような個所ではカラビナを鎖にかけて通過していく 何度も家での練習を促したがその成果は出たのだろうか・・・・。
▲与八郎滝滝 ▲隠れ滝
隠れ滝吊橋と渡ると次は光滝です。落差40m、堂倉滝があまりに印象的だったからなのか、すんなりと通過しました。光滝から七ツ釜滝までは約1時間ほどかけて、七ツ釜滝吊り橋を渡るとすぐ七ツ釜滝が見えてきました。その名の示す通り多くの釜を有する段瀑であり、落差は120m以上。「日本の滝百選」に選ばれている名瀑です。東屋もあり、リュックを下ろして、しばし滝見物です。もうすぐ小屋に到着だと安心したのか、頻繁に休憩を取るため、だんだん到着予定時間が遅れてきました。 
▲光  滝
サワグルミの木
サワグルミもクルミ科の1つです。柔らかく加工がしやすいという特性を持つため、軸や箸、下駄などに利用されてきた歴史を持つようです。
クルミと名はついているため、食べられるような気がしますが、サワグルミは実を食べられません。私たちがクルミとして食べているものはオニグルミの実なのです。 
 ▲七ツ釜滝の吊り橋
七ツ釜ノ滝 : この滝の前に長い吊り橋が有ったようにうっすらと記憶しているが勘違いなのだろうか…何分50年前の話なもので 
▲七ツ釜最下部の滝 ▲七ツ釜ノ滝 避難小屋
美しい滝を巡るためには何回となく崖っぷちを通過しなければなりません。滑落防止のカラビナの架け替え操作が、上手くいかないのか時間ばかりがかかって仕方がありません。山の中の午後4時は暗く感じてしまいます。滑落しないためとは言いながら、なかなか前に進めないジレンマも手伝って宿泊先の小屋まで先発隊を編成することにしました。(見捨てたのではありません。小屋への連絡係です)小屋に到着すると「心配していましたっ!とにかく女性の方は、早くお風呂に入ってて下さい。後から到着した人は丁寧にお迎えしますから」 
▲もうすぐ小屋 ここで気を抜かないで 安全策構築です ▲桃ノ木山の家に到着です
入浴、夕食、片付けの時間が迫っており小屋の人も少々慌て気味でした。午後5時過ぎ無事に小屋に到着したものの登山靴を脱ぐ気力もなかったと聞きました。時間は遅れたけれど怪我が無くて何よりだったと缶ビールで乾杯、あわただくし夕食を済ませ、8時消灯。
宿のスタッフからのアドバイス
「小屋への到着がこれほどに遅れたと言うことは翌日のバスの時間に間に合わないかもしれませんね。この事をバス会社に連絡をしておきます」素晴らしい判断とバス会社との連携プレーにより感動の一幕があったのです。(後で詳しく記述)
● JONの感想 
この区間はよく整備されていると思うものの 登山に基本は確実に身につけておかなければ入ってはいけないコースです 若かりし頃今から50年ほど前に通過したコースだったが高齢になってから通ってみるとそのすごさを感じました 高齢になってくると体力もさることながら精神面もかなり弱くなっているのを実感しました 今では、とても他人様の命を預かるなんておこがましいと思いました 山に入る以上 「連れて行ってもらう」という考えや旅行に行っているという考えでは 危険極まりないです 今一度習ったことや過去の経験を思い起こしてください このコースは遭難件数の多いところですので注意しなければいけません
 
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