東大台散策 大台ケ原~堂倉滝 堂倉滝~桃ノ木山の家 桃ノ木山の家~宮川第3発電所
日本百名山・日本三大渓谷のひとつ 「大台ケ原・大杉谷渓谷縦走2020」
●第1日目 8月6日(木曜日)晴れ
大台ヶ原(標高1695m)とは日出ヶ岳、正木嶺、円岳、牛石ヶ原、正木ヶ原に大蛇嵓(だいじゃぐら)をあわせた一帯の土地の総称です。その昔、大平と呼ばれていた大地が、大平原となり、大台ヶ原と呼ばれるようになったと言われています。そして、鹿児島にある屋久島を彷彿とさせる日本有数の多雨地帯だけに、その眺めは雄大。今回はその大自然の中を縦走しようと計画しました。  
 『遙か昔、海に流れ込んだ土砂はゆっくりと海底に積もり、やがて岩となり、大きな力を受けて隆起し、海面に姿を現しました。悠久の時の流れと共に、隆起と浸食をくり返した大地は、四方に急斜面を持つなだらかな山地となりました。大台ヶ原の岩や大地には、このような太古の記憶が隠されています。かつて、周囲を絶壁に隔てられ、果てしなく続く静寂が支配する森がありました。大きな木々と苔に覆われた樹海を深い霧が漂い、かすかに、生き物とこの森を修行の地として求めた人の気配だけがありました。大台ヶ原の森にも、ざわめきの時が近づいてきました。時代の風がこの森にも吹いてきたのです。薬草を求めて、新しい探査の対象として、あるいは新天地として人々が注目し始めたのです。ふもとの森が大きく変わり、大台ヶ原にもたくさんの人々が訪れるようになりました。薄暗い霧の森は、少しずつ明るくなり、静けさはにぎわいへと変わり、時間の流れも早くなりました』
大台ケ原・大杉谷入山の心得も出来て、「安易な気持ちで入山してはならない」「単独行は禁止」、などしっかりと学び4回に及ぶトレーニングも済ませました。

大台ケ原には4つのコースがあります。
① Aコース(初級):東大台(中道)(合計距離:8.04 km)日帰りコース
② Bコース(中級):東大台(合計距離:7.55 km)日帰りコース
③ Cコース(上級):西大台(合計距離:9.35 km)日帰りコース
④ Dコース(上級):大台ヶ原から大杉谷に抜けるコース(合計距離:16.19 km)

私達は初日にBコースを歩き 2日目と3日目に 1泊2日で大杉谷を抜けるDコースを行くことにしました。
▲自宅の最寄り駅までポッチーさんがお見送りをしてくださいました  ▲近鉄電車で大和上市駅行き、そこから奈良交通のバスに乗り換えます 
第1案の日程は悪天候のため、止む無く見送り、追加トレーニンクも終え、第2案での出発となりました。天気予報では3日間とも晴天に恵まれそうです。待った甲斐があったと言うものです。
出発前にメンバーから悲しいお知らせをうけました。junkoちゃんが激しい腰痛のため歩行困難となり山行を断念しました。トレーニングを積み、行く気満々で準備をしていましたが無理は禁物と苦渋の決断をしたみたいです。各方面の人数変更完了~ 。
▲奈良交通のバスに乗って一路大台へ…乗客は10人です ▲和佐又登山口で折り返し ▲大台ケ原駐車場に到着です
大阪阿部野橋7時12分発の近鉄吉野線に乗り大和上市駅で下車。午前9時発の(奈良交通バス・大台ケ原行に乗りました。1日に1本しか走行していないバスは大滝ダムを経由し、湯盛温泉杉の湯を通り(昔はトイレ休憩の場所いまはノンストップ)、わさび谷、大迫ダム、和佐又登山口に立ち寄り2時間ほどで大台ケ原に到着しました。
▲ランチタイムは柿の葉寿司 ▲会長さんはここでも多忙 ▲東大台へ出発
▲大台ケ原ビジターセンター ▲今夜のお宿
▲東大台散策路 中道 ▲野鳥撮影中
標高1500mもあるバス停は涼しくて気温は22度「大台ケ原に来たぞっ!」と言う実感を咬みしめることができました。空気が違います。物産店で柿の葉寿司を購入し外のベンチで昼食を済ませ、まずは宿泊先に行きました。丁度、庭の手入れをしていた管理人さんらしき人がいて中に入れて貰い荷物を置かせて貰いました。チェックインまでの時間、飲み物とレーションをサブリュックに入れて東大台コース「牛石ケ原~大蛇嵓~シオカラ谷吊橋」を散策しました。途中、鳥の撮影隊(10人ぐらい)がいて何の鳥を撮影しているのかと尋ねると「コマッタ、コマッタ、コマドリシマイ!」と答えてくれました。(あのおっちゃん絶対大阪の人やで~)コマドリの追っかけ隊を尻目に大蛇嵓までルンルン  お散歩気分です。荷物が軽いってこんなにも楽ちんなんや~。 
 ▲八咫烏  ▲遠くを望む神武神武天皇の立像  ▲牛石ケ原に佇む神武東征の碑と立像
▲牛石ケ原
 大蛇嵓の手前に牛石ヶ原。イトザサのじゅうたんを敷きつめたような大平原。霧が出ると、とても幻想的です。古川嵩翁が尾鷲から運んだという神武天皇像と伝説の大石・牛石があります。神武天皇碑前で記念写真を撮り先に進みます
▲蒸籠嵓(せいろぐら)の雄姿
▲大蛇嵓(だいじゃぐら)に到着です
▲大蛇嵓後方は竜口尾根
 大蛇嵓(だいじゃぐら)の嵓は切り立った崖と言う意味で、広い草地が広がり、野生のシカも頻繁に出没するようです。展望デッキもあり、眺めも抜群。崖絶壁の上にあり、大蛇の背に乗ったようなスリルな感覚を味わえて、大峯山系のパノラマが楽しめます。東大台コースきっての絶景ポイントと言われています。眼前は山上ヶ岳、弥山、釈迦ヶ岳と続く大峰連山、眼下は垂直約800mの断崖絶壁。高所恐怖症の人は冷や汗タラリかも知れません。昔はこんなに怖いと思ったことは無かったのに先端部分に行くと足がすくみました。
▲大蛇嵓からの帰りはシオカラ谷ルートを辿ります
▲シオカラ谷の吊り橋
▲チェックイン後は明日の大杉谷縦走の危険個所通過の確認
  シオカラ谷の吊橋を渡り宿に戻ってきました。シオカラ谷は、大蛇嵓の下を流れる東の川の上流にあたります。吊り橋まではシャクナゲの群生地。(いまはシーズンオフ)吊り橋の付近は見ごとな渓谷美です。 ここから駐車場まで1.4km、高低差約200mを駆け上がります。宿に戻って入浴を済ませ夕食を頂きました。大きな宿は私達4人と富田林2人組だけ・・・やはりコロナが影響しているのかな?駐車場には多くの車が停まっており時折、駐車場に向けて「テント禁止、自炊禁止」などの放送が流れていました。
▲心 湯治館の夕食です
▲星空のbed
事前情報でこの宿は星空が美しいことでも有名で、夏には無数の星が輝く夜空に天の川も浮かぶそうです。夕食後、宿の大屋根に上がりシートの上に仰向けに寝転ぶと、眼に映るのは自分だけの星空の世界です。防寒用に毛布も借りることが出来ます。星の話をスタッフにすると「よく、ご存じですね、星が出るようなら館内放送します」との事でその時間を心待ちしていました。2泊目だと言う富田林のメンバーは、前夜は雨とカミナリで星空は見ていないと言うことで「みなさん、ラッキーですね」と言って貰いました。星のベットの敷物と毛布を片手に夜空を見上げていると北斗七星、金星、天の川、などが美しく輝き始めました。流れ星もみました。星空ショー目当てに来ても滅多に見られないらしく本当に幸せな時間をすごしました。(若干1名爆睡していた人がいました~)
 ● JONの感想 
大台ケ原はウオーキング協会の関係で数回訪れていましたが 来るたびに都会化しているような感じがします まず車が多いことです そして登山者の装備が簡素化されています 昔と違い素材もかなり良くなっていますので当然のことなのでしょうが 軽装に感じて少し不安が過ります 台地の上とはいえ1500mの標高があるのですから天気は一瞬に崩れます その辺りの注意を怠らなければ楽しいハイキングができると思います
 
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