大杉谷トレ① 七兵衛山 大杉谷トレ② 芦屋地獄谷 大杉谷トレ③ 播州・七種山  大杉谷トレ④ 芦屋地獄谷 再び
2020.7.15
大台ケ原・大杉谷の山行トレーニング3回目となりました。本番さながらのルートです。
2011年7月鹿島槍トレーニングに登った七種山を大台ケ原・大杉谷縦走の最終トレーニングのコースに選びました。標高わずか700mもない山ではありますが、岩場歩きのトレーニングには最適な山だと思います。
七種山(なぐさやま)は兵庫県福崎町にある標高683.0mの山。 山域には、つなぎ岩や笠岩等の奇岩が多くみられ、落差72mの雄滝をはじめとした七種48滝があることでも知られ、関西百名山やふるさと兵庫100山にも選ばれています。また、遠くから見ると槍の穂先ように尖った形をしている七種槍(なぐさやり・577.3m)と山頂にお薬師様が祀られている薬師峰(やくしみね・616.2m)の3つの山は、総称して七種三山(なぐささんざん)と呼ばれています。

午前7時30分JR尼崎駅で集合し正ちゃんの車で中国道・福崎インターから播但自動車道に移り、福崎北インターでおりて登山口へ。身支度を整えて旧山門を出発したのが午前9時40分。うっそうとした杉並木の大木の間をスタートしました。長雨のため地面は濡れて、とても滑りやすくなっていて注意を促しながら歩きました。
▲山門前駐車場 ▲作門寺山門 ▲山門脇のお地蔵様 ▲弁慶ののこぎり岩
▲ 参道
水量が多く、小さな水の流れも全部滝に見えました。水は透明で岩に当たって白く砕けマイナスイオンを吸って癒してもらいました。コロナ騒ぎで大きく息を吸うことを忘れていましたが、思い切り美味しい空気を身体の隅々まで吸って生き返った気分です。

しばらく歩いて行くと看板には「精水・イラ谷の水」と書いてありました。(どれなんやろ?)夫婦滝を通過するあたりから、地面は濡れていて、滑る~滑る、危険地帯と化していました。岩がノコギリで切ったかの様に切れ目の入っている岩には「弁慶ののこぎり石」と名前が付いていました。突然に現れた山門には「破地大神八龍」と書いていました。太鼓橋を渡ると虹ケ滝、八龍の滝とみどころ満載! 
▲ 八龍破地大神の大鳥居  ▲太鼓橋
▲太鼓橋と虹ヶ滝
 ▲上から見た太鼓橋 ▲ 虹ヶ滝 ▲ 八龍滝
▲七種ノ滝 ▲ 八龍破地大神 石段 ▲ 八龍破地大神
▲七種神社から七種ノ滝を撮影 ▲七種ノ滝
いくつもの大小の滝を見ながら、七種神社到着です。予定時間は10時00分着のドンピシャタイム。ここから見る七種ノ滝雄滝は素晴らしく神々しく見えました。普段は、ほとんど水量がないらしいですが、今日は折からの雨の影響で落差72mの岩壁を、あふれんばかりの水量で会話を遮るほどの轟音を立てて一気に流れ落ちています。じつに美しい!「これは那智の滝より凄いっ!」・・・個人の見解です(笑)ここで30分もの間、滝見物をしたことになります。

七種ノ滝迄の周遊気分とは変わり、いよいよ、ここから頂上まで何箇所かの岩場を抜けていきます。岩場の通過は地獄谷で特訓を済ませていますので平気だと思っています。岩場通過の腕は充分あるのですが、雨で濡れていて油断は禁物です。 
 
▲昼食タイム
いくつものピークを踏んで行くのですが、まずは七種山頂上を目指して登ります。木の根をまたぎながら、岩をよじ登りながら、それにしてもかなりの急傾斜です。七種山の立派な頂上標識が現れました。683mの山頂到着です。登山届よりも30分も早く到着し、まずまずといったところです。10時から30分間、頂上で山の空気をご馳走に、なが~い休憩を取りました(おい、おい、そんなに長い休憩取って大丈夫かい?) 
雨上がりで美しい景色を堪能した後は、町界尾根を右折して、夢前分岐を通過します。
登りも辛いですが・・・下りも辛い!。下りは膝に負担がかかり時々休憩を取りながら一気に下って町界尾根を目指します。倒木や立ち枯れの木が多く、くぐったり、跨いだりの連続です。町界尾根に出ると傾斜も緩やかになりました。
しかし・・・550mのピークを過ぎると、またまたきつい急傾斜の下りが待っていました。杉木立や雑木林の中をただひたすらに下っていきます。「前に来た時、こんなに辛かったかなぁ?」下り途中の、やや緩やかな広場を見つけて昼食を済ませました。今日は姫が何故かバテ気味です。七種山(683m)到着予定11時15分着、実際には11時35分到着です。少しづつ時間がずれてきています。日の沈むのが早い秋の頃の七種山・七種槍縦走は好ましくないと資料に書いていましたがその通りだと感じました。
▲七種鎗頂上 
昼食を終えて、次の目的地、七種槍(577m)を目指します。遥か遠くに尖った七種槍が見えます。岩場が近づくと姫が体力回復してきました。岩場や、ヤセ尾根が続き、鎖場、フィックスロープなども張ってあり、黙々と難なくこなして、やがて七種槍に到着です。さすが槍と名前に付くだけのことはあって、山頂のスペースは狭く尖っていました。到着予定時間13時00分着なのですが・・1時間30分も遅れての到着となりました。やばいね・・・。 でも昼食時間や長ーい休憩もとったからね。
▲馬の背遠望 ▲馬の背を行きます
 
七種槍からは下るだけと思いきや何度もピークを踏み一体いつになったらゴールするのだろうと疲労感が増してくるとゴールの事ばかり考えるようになってきました。誰も訪れていないのか、クモの巣を顔いっぱいに付けながら足元はシダの生い茂る中を進んでいきました。健脚向きと書いてありましたがその通りです。
時間は既に4時30分を過ぎています。ゴールの福崎町立青少年野外活動センターの到着予定時間は15時30分ですが、もうとっくに過ぎています。薄暗さは不安な心に拍車をかけ、遭難もどきとなってしまいました。「急がば回れ」と言う事なのでしょうか。しかしきつい急坂でも「私は無理~」とか「怖いです~」とか、根を上げる者はひとりもいなくて、どんどん、どんどん深みにはまって行く感じでした。(失笑)
福崎町青少年野外活動センターへの標識を辿り、きつい下りを進みながら「クライミングの練習をしていて良かったわー」そんな場面が何度も出てきます。腐った落ち葉の上を踏んで滑らないように、石車に乗らぬように慎重に降りて行きました。何度か「ギャーッ!」とか、尻餅の音も聞こえましたが「おぅ、おぅ、誰かが滑っとるな?」・・・・笑
前回ゴールへの道を間違えてかなり遠回りしましたので分岐にくると地図を出して確認し、疲れもピークのため無駄な動きはしたくないので真剣に下山方向を確認しました。福崎町青少年野外活動センターの矢印がある看板の横にフィックスロープが見えました。「よし、ここを降りよう!」赤や黄色のリボンの印を見失わないように、スベリ台の様な急坂を下りて行きました。フィックスロープは最初だけ付いているだけでほとんどがザレ場の急斜面でした。足元は滑るし、小石は足を動かすたびにコロコロと転がるし、「ラクーッ!~、ラクーッ!」と叫び続けるありさまでした。唯一のお助け木は、持つとポキンと折れるし、散々な思いをしながら、やがてあたりは薄暗くなっていました。「やばいぞっ!みんなヘッドライト持ってるか?」と確認する程でした。
やっと足場の良い箇所まで来ると青少年野外活動センターまでの距離を示す「0.7km」の看板があり軌道修正が出来た事を確信しました。(やれやれ助かった!)急斜面を脱出すると、まばゆいばかりの太陽のお出迎えです。やっと明るさを取り戻しました。はるか下の方に管理棟と池が見えてきました。曲がらない膝にムチ打って、最後の階段を下りてやっとキャンプ場の敷地に戻った時は既に5時30分を過ぎていました。福崎町青少年野外活動センターは既に営業を終えていました。
▲福崎町青少年野外活動センター
まだ車の回収に行かねばなりません。2kmちょっと。疲れた足では1時間はかかるでしょう。正ちゃんとジョンさんが代表で回収にいってくれました。辛かっただろうと申し訳ない気持ちで女3人は車の回収を待っていました。

帰りの温泉は日本三彦山の名峰・雪彦山の源流に端を発し、緑の山々と木立の情景を映し出す、のどかな山里を悠々と流れる清流・夢前川に湧き出た塩田温泉郷「夢の井」で汗を流し、アイスコーヒーのサービスを受けて、加西サービスエリアで遅い夕食を済ませました。解散場所はJR伊丹駅と決め、到着時には降っていた雨も上がり、正ちゃんに運転の礼を告げお別れしました。

みんな、それぞれ帰路につきましたが、日付の変わらぬ間に何とか帰りつけそうです。こんな時間に帰宅する山行は初めてかも知れません。疲労感は温泉で洗い流したため充実感いっぱいで本番に挑むことができます。(本番はこんなにきつくないからね~楽しみましょうね~)
 
感   想
● ひめの感想 
なかなか険しい山行でしたね。10年前に行ったときは感じなかった疲労感がこの度は身体中に浸みわたっています。正ちゃんの車の提供が無ければ・・あの時間だとバスも無く(運行していたとしての話)途方にくれる羽目でした。個人山行と言いながらジョンさんのリーダーぶりは「見事」なものです。最後は登山道とは言えないほどの急下りは滑り台を滑るが如く危険なコースでした。しかし誰も「怖くて降りれな~い!」と言う者もおらず黙々と下ったあの薄暗くて危険な時間の共有は、絆をより深く結んだと思っています。車の回収辛かったと思います。ありがとうございました。しかし・・・あの場所に駐車してなければ下山は更に1時間遅れていたと思います。みんなに拍手だわぁ!感謝だわぁ!本番の大台ケ原楽しみましょうね!
● 留守番ポッチーさんの感想
今日は雨あがりなので気をつけて楽しんで下さい。いつもなから道中からの写真を沢山、送信して頂きありがとうございました。自分は登ることが出来ませんが写真で共有出来ていることが有り難いです。 無事に下山出来て良かった!少し遅かったので心配してましたよ。お疲れ様でした。
● 靖ちゃん感想
皆さん昨日は大変お世話になりました。
お陰様で日付変更線が変わる迄には、無事我が家に到着出来た事、充実した楽しい1日を過ごせた事に感謝 感謝です。ありがとうございました。只今全身筋肉痛~!
● ジェンヌさんの感想
今回のハードなコース、最後の最後で体力が持つかと不安になりました。ジョンさんと正ちゃん、車をとりに行って頂きありがとうございました!正ちゃん車を出していただいたお陰で今日のコース無事完了することが出来、感謝しております。靖ちゃんもう家に着いたかな~。
今日は昨日のハードな一日の余韻に浸っており、スーごくいい気分でーす。
●正ちゃんの感想
皆さんと大台ヶ原行き3回目のトレーニングに参加させて戴き、大変ありがとうごさいました。正直なところ、あんな険しいところとは思っていませんでしたね。岩登りの経験が乏しい小生は、手のつかみ所、足の置き所が良く分かっておらず、オタオタしながら登り下りをしておりました。それにしても皆さんは岩山をスイスイと登り降りしていましたね。大したもんです、お歳にも拘わらず(これは余計ですナ) 最後に車を取りに行く時には、脚が棒になっていて重いこと重いこと ・・・ でも、苦労の後は爽快ですね。素晴らしい景色も堪能しました。今度の大台ヶ原行き本チャンを期待します。
● JONの感想 
今回はリーダーの無能さが露呈したというところでしょうか。高齢者の集まりである 「やまたび倶楽部」 も活動が難しくなってきていると痛感しました。
タイムスケジュールも若いころのものに何%か多く見積もった程度だったり、装備チェックもせずにスタートしてしまったり、何よりの大ポカは私自身がヘルメットを忘れて山行してしまったことでした。尾根から福崎町青少年野外活動センターに下るザレ場では、ヘルメットが無いことを後悔した次第です。
トレーニングの回数も5回は必要かと思い参加者に募ったのですが集まらず、その理由を聞くこともせずに済ませたことは間違いだったと反省しきりです。
大台ケ原・大杉谷へは、お客様ではなく山岳パーティのメンバーとして、各自十分意識をもって山行に取り組んでください。
10年以上にのぼる長き年月と山行回数では他にひけをとるものではありません。過去に言われた注意点や習ったことなどを再度思い出しながら当日に備えてください。
感想文としてお願いしていた事項もなかなか集まりませんが、山行の感想が登山の復習になることもあると言うことをご理解ください。
どこが良かったか、どこが怖かったのか、何を感じて、何を得たのかを知ることによって、会の運営に繋げたかったのです。
 
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