大杉谷トレ① 七兵衛山 大杉谷トレ② 芦屋地獄谷 大杉谷トレ③ 播州・七種山  大杉谷トレ④ 芦屋地獄谷 再び
2020.6.29
大台ケ原・大杉谷の山行トレーニング2回目となりました。今回の目的はロープワークです。
ロープワークは安全登山のための「保険のつもり」で私達は意思統一も兼ねて復習することにしました(復習と言っても・・・ロープに触れていないので、ほぼ忘れてる~)
午前9時、阪急・芦屋川駅に集合です。梅雨真っ最中につき雨の予報であったり、お天気マークであったりと、不安定ですが何とか雨に遭わずに済みそうなので予定通り決行しました。

休日は溢れかえっている駅前の広場も9時過ぎの平日なので閑散としていました。いつも出会うラジオ体操を済ませた人たちとも出会いません。高座の滝までの道のりが一番苦手な時間です。「きつい坂道、登山口までが長い、暑い」、すでに大汗をかいてしまいました。
最近、滝道を登っていくハイカーたちのマナーの悪さが指摘されております。住宅地を通過しますので30分だけ黙って歩きましょう。また六甲山の山域には無数に踏み跡がつけられています。気をつけて歩いてください。
実際の山行でハーネスが必要になるかどうかはわかりません。そんな時、嵩張るハーネスを携行するよりは荷物にならないように簡易的なもので代用します。腰に当たる部分にはスワミベルトやスリングを使います。できるだけ幅の広いものが良いでしょう。腰紐だけでやったり、スリングで作ったチェストハーネスで代用している山岳会の方達を目にしますがそれは間違いです。腰だけの場合万が一ぶら下がった時など簡易ハーネスが上に移動して肋骨に衝撃がかかります。チェスト行う場合は水平方向の荷重に気をつけることが大切です。荷重のかかるポイントが腰に比べて20cmくらいは上になりますのでバランスが悪くなります。
ハーネスが上に上がらないようにするには両太腿に ループを作って防ぎます。このループはそのままだと歩きにくくなりますのでゴム紐で上に吊っておくとよいです。
地獄谷の取り付き点で、簡易ハーネス、ヘルメット、カラビナ等の装備を整えていると、2人組のハイカーらしき人が左側のザレ場からスニーカーで登って行きました。「大丈夫かなぁ?」力任せで登って行く後ろ姿を見ながら心配してしまいました。(登山ブックに初級と書いているらしいですが決して初級コースではありません)
前日の雨で少々水量が多く感じました。地獄谷に入ると水の流れが涼しさを呼び、木立のトンネルが太陽を遮り、先ほどの大汗がスーッと引いていくのが肌で感じ取ることができました。「やっぱり夏は地獄谷やねぇ!」夏には最高のコースです。
いつでもロープが出せるように準備をしていざ出発です。やはり水量は多くて滝には勢いよく水が流れています。その中に足を置きズボンの裾を濡らしながら、滑らぬ様に注意しながら最初のロープ練習の場所に到着しました。プルージックで安全を確保して登攀の練習です。ロープは8ミリを使用しました。 
姫がリードで支点の構築のために上りました。シュリンゲを大木に巻き付けたいのですが高い位置にあるのと足場が悪くて悪戦苦闘です。投げたシュリンゲが戻ってきます。カラビナを重りにして投げると上手く戻ってきて支点構築完了です。2人組の女性がロープをまたぎながら通過して行きましたが途中から山側の道に入って行かれました。水量に驚いて「無理」と判断されたのでしょうか?(山側の道の方が危ないですよー!)

ひとりづつロープに細引きを巻きプルージックで登ってきました。本番の登山道で危険個所通過に役立ちます。「エイヤーッ!」と気合で行くのは滑落事故の原因となります。
いつもの休憩ポイントのサメ岩で岩場での足の置き方や体重の掛け方、立木を利用しロープを使ってプルージックの使用方法、ウサギの耳での通過方法など復習しました。万が一滑落した場合の脱出方法を何度も、何度も練習しました。涼しくて、時折風があり、しかも木立の大傘をさしている様で、思わず「ここでお弁当食べよう!」
お弁当を食べ終えたあと、カニ岩に向けてスタートです。カニ岩へ上がるには水量の多い小滝を左に見ながら、岩の突起を掴み大きくへこんだ靴跡に足を入れながら上がって行きます。ここで正ちゃん自分より狭い岩の間を抜けようと果敢にチャレンジしていますが、小うるさい先輩女性た(失礼)の指導を受け一歩下がって岩間から戻り「ここに足」「此処に手」と愛の鞭。言葉どおりに手足を動かすと難なくカニ岩の上に。ホッ
地獄谷入り口で準備をしている時は「大丈夫やろうか」「行けるやろうか」と心配の声も何処へやら、この辺りまで来るとルンルンと後輩の指導もできるようになってきています。次はカニ岩の上の一枚岩です。此処の基部は何やら景色が変わって見えます。よく見ると数か所岩が剥がれ落ちています。
ここでもロープを出して練習を重ねました。ここでも姫がフィックスロープを張りに上がります。苦労したのはいつも支点にする大木が枯れていたことです。傍にもう1本枯れたような木がありましたが、上を見ると葉が青々と茂っていたので大丈夫と判断し、枯木も含めて2本で支点構築を完了しました。3人はプルージックで登ってもらいますが最後に登ってくるジョンさんは半マストで引き上げます。
「えっ。と言うことはプルージックの操作はしないということ?なんや楽な方に回っているように見えるんやけど」「その通り。でも誰がラストをしてもこのほうがスムーズに動けて時間が短縮できるよ」
「こんな所でロープがいるの?」そんな言葉を残して通過していくハイカーも多くいます。ただ歩いていくなら何の問題もなく行けます。仲間の安全を確認することなく、自分のことだけを考えてどんどん歩いていく、むしろそのほうが楽なんです。ロープの操作をしなくてもいいし、仲間に手を貸すこともしなくていいからです。
登山者たるもの自然に中に巣食う危険をいち早く察知し、絶対に事故が無い方法で通過しなければなりません。それには目的の山域に合ったレーニングをする必要があります。体力の確認だけではなく、技術のすり合わせもしなければいけませんし、仲間の考えていることも理解しなければいけません。だから山行終了時には感想文をお願いしているのです。此処が良く理解できないとか、足が痛くなったとか、ここが怖かったとか、どんなことでも知らせてほしいのです。
こんな小滝でも最初のころは 「此処を登るんですか」 全員そう言ったものです。経験者でもやまたび倶楽部での最初の一回目は必ずロープを掛けさせてもらってます。次はロープを掛けなくても側にいて手足の置き場をチェックします。二度三度と登攀を繰り返すたびに手足を置くところも学び、登攀姿勢も身についていき、安全に登っていけるようになります。でも安心するなかれ、年間一人や二人はここで落ちるハイカーもいるのです。
水量の多い「小便滝」の右岸を登って次なるゲレンデ・A懸垂岩を目指します。まもなくA懸岩という手前の廊下で先頭を歩くjunkoちゃんが悲鳴をあげました。ヘビが横切ったのです(ああ~おそろしやぁぁ!)「大丈夫だあ」というのは大の蛇嫌いで へ!って聞いただけでその辺りにはいないJONの一言でした。
ここはA懸垂岩・登攀グレードは低いのですが、私達にとって登山のスキルアップやレベルの保持には丁度良い岩場なのです。
この日のトレーニング最終場所のA懸岩に到着です。岩場を見上げて「登る?暑いからやめとく?」と言いながら姫はクライミングシューズに履き替えていました。リードをするには登山靴では自信がありません。自信のない時は安全策を考えろと言うのが師匠からの教えなのでクライミングシューズに履き替えて支点構築に上りました。この日は8.1mm×25mロープ2本使用(ツイン)しての練習です。ロアダウンあり、懸垂下降ありと順番にひとりづつ登ってきました。
最後にJONに「どうぞ」って言うと「オイラそんな怖いことようせんわ」と言ってさっさと片付けにはいっていきました。
 A懸垂岩の基部で記念写真を撮ってこの日のトレーニングは終了です。
 疲れはあるものの久しぶりのクライミングは楽しかったです。次回の日程を打ち合わせして、帰り支度を済ませ第一鉄塔めがけて崖のよじ登りがはじまりました。ここを脱出すれば第一鉄塔に到着し、あとは中央稜を下るだけです。下るだけと言いましたが岩がゴロゴロの中央稜コースを下るのは膝への負担が半端ではありません。膝をかばいながら高座の滝までたどり着きました。お稲荷様に怪我無く下山出来た事を報告し帰路につきました。

いつもなら「反省会と言う名の飲み会」をするのですがコロナで、まだまだ油断大敵です。阪急電車組と阪神電車組に分かれて解散となりました。
次回は岩場歩きの「播州・七種山」です。
感   想
 ● ひめの感想 
8.1mm×25mをリュックに入れての出発で久しぶりに「重たいなぁ!」と感じました。ロープ2本でのリードの方法を教わりました。しばらくロープに触ってないので「アレレッ?」と操作手順を忘れている場面もあり、日々の復習の大切さを自覚しました。いかなる山行であってもトレーニングの必要性とメンバー同士の意思疎通は安全に登山をするための基本であると言うことを学んだ気がします。
● 留守番ポッチーさんの感想
おはようございます。皆さん今日も1日御安全に楽しんで下さい。久しぶりのクライミングいかがでしたか、お疲れが出ませんようにね。
● 靖ちゃん感想
今日はお疲れ様でした。久しぶりのガチャ類の出番 ヒヤヒヤドキドキめっちゃ疲れました。次回の日程いずれの日もオッケーで楽しみにしています。宜しくお願いします。
● ジェンヌさんの感想
昨日はありがとうございました。久しぶりの地獄谷、A懸岩に足が震えながら楽しみ?ました。昨日と今日のお天気の差何やねんと思いながら家に閉じ込められています。靖ちゃん、姫さんの動画良かったたです。サスガ美しい!。正ちゃん、車両提供ありがとう御座います。
●正ちゃんの感想
昨日は芦屋ロックガーデンでトレーニング&ご指導戴き、ありがとうございました。約20年前に初めてA懸岩に登った時、靴が片方脱げてしまい途中で往生しましたが、2回目の今回は手足の掛けどころが中々分からず、途中で再び往生してしまいました。しかし登り切った後の下降は気分が良いですね。
 ● JONの感想 
ロープワークは奥の深いものです。覚えているようでも忘れかけているものもあります。今日はタンデムプルージック、プルージックを先にカラビナを通過させる方法、ラビットノットにカラビナを2個付けクリップしたカラビナや鎖場のアイボルトを通過する方法などトレーニングしました。
最初にフィックスロープを張る時、犠牲的精神でリードが張るという山岳会の会長さんもいらっしゃいましたがそれは間違いです。犠牲などと言う言葉が有ってはいけないのです。怪我は最小限に打撲ぐらいで済むように設置しなければなりません。局面においてもメインロープの結び方は変わります。メインのロープとプルージックコードの相性もあります。新品のダイニーマコードは効きません滑ります。メインロープにセットする順序もあります。もちろん片手でセットしなければなりません。

まず大切なのはプルージックコードの作り方です。このやり方はいろいろありますがここには記述しませんのでリーダーさんなりガイドさんにお尋ねください。
そのやり方は怖いと思われた方はご自身で安心できる方法を取り入れてください。
 
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