妙高戸隠連山  赤倉温泉4泊5日の山行 「海の日なのに山へ」
●第5日目(7月24日・金曜日・小雨のち曇りのち晴れ)
妙高山(みょうこうさん)は、成層火山で、北信五岳(、妙高山、斑尾山 、黒姫山 、戸隠山、飯縄山)の5つの山の総称である。その中では最高峰。妙高戸隠連山国立公園に属しています。弥彦山と並び新潟県を代表する山であり、越後富士(えちごふじ)の異名を持ち、新潟県にありながら長野からも身近な山のひとつ。主な登山ルートは、赤倉温泉、笹ヶ峰、燕温泉とあり、いずれも1,000m以上の登山となります。今回は燕温泉コース。 
タイムスケジュール 
燕温泉 07:10
赤倉源湯 08:00
湯道分岐 08:30
 天狗ナギ 08:30
胸突八丁 09:00
天狗堂 09:40
風穴 10:15
妙高山南峰 11:35
妙高山北峰  11:45
12:05
風穴 13:15
天狗堂 13:35
胸突八丁 14:00
湯道分岐 14:22
赤倉源湯  14:50
15:00
燕温泉 15:30
午前4時過ぎ・・・小雨が降っています。「明日登り下山後大阪に戻ろうか」「この雨は頂上に着くころには止む。行こうよぉ!」そんな会話を交わしている間に時間は無駄に過ぎていきます。「ではロープウエイで行こう」と準備をしましたが午前8時始発のロープウエイを待つ時間が惜しくて燕温泉コースを選択しました。無料駐車場に車を停め、温泉地を抜け、狭くて急な舗装道路を上ったところに登山口はありました。しばらく歩くと道幅も狭くなり、すれ違うのがやっとというくらいの幅です。途中にある三角の小屋が赤倉温泉の源泉だそうです。私は硫黄の香りが大好きなので硫黄の匂いを香水代わりにして通過しました。 舗装は終わり、急な山道に入っていきました。ジョンがしきりに「恐ろしい!恐ろしい!」を連発します。帰りはこのコースはやめてロープウエイを利用しバスで車を回収したいらしいです。目の前に称名滝が見えてきました。黄金色の岩盤に流れる白い水はとても美しく滝の上を「エイッ!」と気合を入れなければ流されてしまうような渡渉場所があり怖かったです。それにしても美しい!雨上がりは最高だとシャッターを切りまくりました。 
小雨に煙る称明滝   赤倉温泉原湯
硫黄の成分が流れる渓流 湯道の分岐です…右にとれば麻平
しばらく雪渓を登ります シュルントが割れています…暖かくなると危険です
 雪渓が終わると胸突八丁です  胸突八丁です
天狗堂まえの広場で休憩
 雪渓を抜けると妙高山の難関「胸突八丁」のお目見えです。途中に「合目」表示がありましたが4合目から6合目にかけてが難所らしいです。後ろから来た長野出身の単独行の青年が追い抜いて行きました。1時間足らずで天狗堂に到着です。長野の青年が休憩していましたが私達の姿を見ると出発していきました。
光善寺池
 イギリスの青年 風穴で涼しい風をいただいてちょっと休憩 
 祠のある天狗堂は6合目で、ロープウエイからくる赤倉温泉コースと燕温泉コースの合流点となっています。天狗堂を過ぎると7合目近くの光善寺池、8合目の風穴は早くわりと簡単に登っていけました。目の前に大きな人影が見えました。イギリス人の青年で昨日は高谷池ヒュッテのテント場で大雨に遭いビチョビチョになって大変だったこと、雨でフジS1カメラを濡らしてしまってダメにしたことなどを流ちょうな日本語で話しくれました。「写真を撮らせて貰ってもいいですか?」と聞くと「モチロン、モチロン」と、ピースまでしてくれました。

雨も完全に止み合羽を脱ぐために休憩しているとアサギマダラが優雅な舞いを披露してくれました。「疲れが取れるなぁ~」
しばらくしていると火打山を登り黒沢池ヒュッテで雨のため足止めしていたと言う女性が降りてきました。「大雨で怖いぐらいでした。朝雨が止むのを待って妙高山に登ってきました。燕温泉に降りてバスで帰ります」との事でした。
鎖場だあ 鎖場の下で鋭気をを養って さあ いぐどー
登ってみれば…らーくらく
9合目表示のある鎖場に到着しました。結構長い鎖場登場です。資料によると休日はここで渋滞が起こり、ひとりが登りきるまで待って下降、下降を待って登ると譲り合わないといけないので時間がかかるとありました。な~るほど、これは狭いわ。時間かかるわぁ。この日は平日のため渋滞はありませんでした。
最初は鎖を持たずとも登れる傾斜で、その次の鎖は大きな岩に足を掛ける窪みが出来ていました。芦屋のA懸垂岩みたいな階段状で登りやすいです。次には踏み外しそうな狭い鎖場へと続く。景色に見とれていたら、踏み外しそうです。
鎖場から先は草木もほとんど無く、砂地と岩のルートに変わりました。

鎖場を過ぎると山頂は間近に見え、そそり立つ岩場が私達の到着を待っています。「10合目」の標識のあと山頂は北峰と南峰に分かれているため、まずは南峰へ行くことにしました。南峰には妙高山大神が祀られており更に10分ほど移動すると、北峰に到着です。山頂標識と三角点が置かれていました。
標高は南峰の方が10m高くなっているが、山頂は北峰とされている。雨飾り山によく似た山頂の景色です。今までガスで何も見えなかった山頂のガスが一瞬消えました。「うっそ~!こんな奇跡ってあるの!?」「感動・感激・感謝」です。 
南峰に祀られている妙高大神
南峰と北峰の間に待つ祀られています
山頂からは北には日本海、東側には長野県の北部。斑尾山や野尻湖がよく見える。 東側は北アルプスの稜線が見え、とても眺めが良い。まさに360℃の大パノラマです。一瞬でしたが大パノラマショーを満喫しました。
頂上に到着でーす…三角点独り占め
下りは雨に濡れた岩場を慎重に一歩また一歩と進みました。「どっちが怪我をしても大変なんだからね」そんな言葉を掛け合いながら先客のズルリと滑った足跡を踏まぬように気を付けながら同じコースを戻ってきました。まれにみる順調な足取りに「今日は調子エエなぁ。でも天気だとバテてたなぁ」とミスト状態で登れたことにホッと致しました。
鎖場まで帰ってきました
風穴まで帰ってきました 光善寺池まで帰ってきました 天狗堂まで帰ってきました
 胸突八丁下まで帰ってきました  湯道分岐まで帰ってきました 
   燕温泉登山口に到着でーす
胸突き八丁の難所も快適に、雪渓も滑ることなく、少し水量の増した渡渉場所もヒョイと交わし往路に「恐ろしや、恐ろしや」と連呼した場所も慎重に無事通過できました。赤倉源湯まで戻ると水場がありタワシや洗剤が置いてありました。泥だらけの合羽、スパッツ、登山靴などに着いた泥を洗い落し燕温泉にたどり着きました。登り4時間25分(標準時間4時間50分)、下り3時間25分(標準4時間)まれに見る快挙です。やれば出来るんだとはしゃいだ自分がなぜか愛おしく感じました。(笑) 
 
文:美智子姫