妙高戸隠連山  赤倉温泉4泊5日の山行 「海の日なのに山へ」
新潟県妙高市にある赤倉温泉を基地にして妙高山、火打山、高妻山に行く計画を立てました。温泉付き宿は何と4泊5日、朝夕8食付で格安値段の宿を見つけたのです。テントも食材も心配せずに登って下って温泉三昧の旅です。格安のため少々の不安がありますが夜露が凌げれば良しと言うことで今回はちょっとだけ贅沢な山行です。予備日設定のため移動日となる第1日目だけ車中泊といたしました。
 ●第1日目(7月20日・月曜日・晴れ) 移動日 登山口駐車場にて仮眠
ナビを戸隠牧場にセットをし、名神、中央道を走り、内津峠サービスエリアで持参した弁当を広げ、長野道の「長野インター出口」を出て
長野市中心部から戸隠バードラインをクネクネと20㎞も走ると目的地到着です。戸隠はキャンプ場や忍者村が存在し資料館があったりと夏休みを迎えた子供たちの声がキャンプ場の方から楽しそうに聞こえてきます。スーパーやコンビニを探すのですがどこにも見当たりません。小さなパン屋をやっと見つけ翌朝の朝食用のサンドイッチとレーションを購入しました。

登山口駐車場には袖ケ崎、福岡、青森、徳島、沼津ナンバーなどの車が並び既に高妻山に登っている人や私達と同じく明朝登る人たちで賑わっていました。夕暮れになると下山した人たちの車が1台、また1台と減って行くのですが午後8時を過ぎても袖ケ崎、徳島、沼津ナンバーの車が残ったままとなっていました。山頂に山小屋はなく避難小屋があるだけです。午後11時26分バターンとドアの音がしました。「帰ってきたみたいね。ちょっと様子を聞いてくるわ!」そう言って沼津ナンバーの車に近寄って行きました。「お帰りなさい。遅かったですね。怪我でもしたのではと心配してたんですよ」と言うと「ありがとうございます。じつは・・・」と、腹立たしかったのか胸のうちを一気に吐き出すように話をしてくれました。

沼津ナンバーの人も徳島ナンバーの人も互いに単独山行で徳島ナンバーの72歳の男性が後ろから付いて来て「水も食料も車に忘れてきた。少し分けてください」と言ったらしいです。本来なら忘れたことに気が付いた場所から引き返すのが常識なのですが何故がピツタリとくっついて登ってきたそうです。あげくの果てに「119番に電話したら水を持ってきてくれるだろうか?と、たわけたことを言ったらしいです。(私ならその言葉を聞いた時点でブチ切れてるっ!)
やさしい沼津ナンバーの人は見捨てるわけにも行かず自分の持っていた食料や水を分けてあげたらしいです。しかもヘッドライトも持たずだったらしいです。私達も登ってからわかったのですが高妻山は中途半端に山ではなくきつくけわしくとても暗くなってから無灯で下山できるような山ではありませんでした。袖ケ崎ナンバーの人は危険回避のために避難小屋に泊まっていたらしいです。沼津ナンバーの人に「人助けされましたね。ところで徳島ナンバーの人は貴方に住所や名前など聞かれましたか?」「いいえ何も聞かれませんでした」なんとそのまま立ち去ったみたいです。非常識な登山者もいるものです。
この遭難おじさんは「日本百名山を98座登った」と豪語していたそうです。何人に迷惑をかけたのかな?
●第2日目(7月21日・火曜日・晴れ) 「高妻山」2353.0m
高妻山(たかつまやま)は、新潟県妙高市と長野県長野市にまたがる山。戸隠連峰の最高峰で戸隠裏山の一峰。別名を「戸隠富士」とも言います。高妻山は、コース上の各名所に通し番号の漢数字が入っています。「一」が避難小屋のあった一不動。二釈迦、三文殊、四普賢、五地蔵山、六弥勤、七薬師に八観音、九勢至、十阿弥陀が高妻山までに祀られています。十一阿閦(あしゅく)、十二大日は北に延びる乙妻山との間のあり、十三虚空蔵は乙妻山の山頂に祀られているようです。
十三仏、冥界には閻魔王を含めて、審判を下す仏様が13人いるそうです。不動明王、釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩、地蔵菩薩、弥勒菩薩、薬師如来、観音菩薩、勢至菩薩、阿弥陀如来、阿閦如来、大日如来、虚空像菩薩の十三の仏様のお名前が順番につけられいるのです。十三仏にちなんだものだったそうです。
駐車場を出て牧場事務所で登山届を提出しました。登山届箱からは登山届が溢れています。
警察は登山届の義務化を叫びますが回収は誰が、いつ、するのでしょうか?個人情報云々がダダモレ状態でした。
タイムスケジュール 
戸隠牧場 04:15
牧場事務所 04:30
一不動避難小屋 06:15
06:25
二釈迦 06:40
三文殊 06:50
四普賢 07:14
五地蔵山 07:30
六弥勤 07:43
七薬師 07:50
八観音 08:25
九勢至 08:40
十阿弥陀 10:00
高妻山山頂 10:05
10:25
五地蔵山 12:25
戸隠牧場 14:30
しばらく歩いて行くと牧場の牛馬止め柵があり、 それを超えて、お馬ちゃんに見守られながら大洞沢沿いに登って行くコースは快適そのものです。
 登り始めの登山道はまだ暗かったです 大洞沢沿いに登っていきます 
 滑滝の右を登っていきます…鎖あり 帯岩は鎖を頼りにトラバース 
 不動ノ滝 帯岩の鎖場を振り返ります 
氷清水です
 木陰の間から白馬連峰が望めます
一不動でちょっと一休み 一不動避難小屋 一不動から牧場がよく見えます
 一不動  二釈迦 三文殊 
 霊峰富士と八ヶ岳の山並み
 四普賢  五地蔵 六弥勒 
一不動から十阿弥陀まで明王・菩薩・如来の石祠をたどる道は何処となく荘厳さが感じられ心が引き締まる思いでした。 九勢至を過ぎ稜線直下の150mぐらいの標高差は、もう大変でした。暑さが身に沁みます。岩尾根に出てしばらく行くと十阿弥陀、この頃から下山の登山者とすれ違うようになってきました。駐車場から登山口の牛馬柵まで一緒だった石川県の青年ともここですれ違いました。そして間もなく高妻山の頂上です。
 七薬師  八観音
天気が良すぎますね 九勢至 十阿弥陀
高妻山 2353.0mの頂上です 戸隠山がよく見えました。 デンの記も忘れずに三角点にデン
  唐松岳・不帰の瞼・天狗岳・白馬遣ケ岳・杓子岳の峰々
頂上直下の岩稜帯 下山開始です
九勢至まで帰ってきました 七薬師まで帰ってきました 六弥勒から弥勒尾根新道に入ります
弥勒尾根新道は遭対協の方たち6名によって刈り草が行われていました
弥勒尾根新道を下っていきます 弥勒尾根新道登山口へ到着でーす
夏場の登山は飲料水をたっぷり持ち、水切れしそうな時は一不動から大洞沢を下る方が安心できます。私達は六弥勤尾根を下るコースを選択しましたがとにかく暑い!。途中富士山が美しく見えたのが疲れを一掃してくれました。この日はとにかく暑さにやられました。1.8リットルの飲料水もギリギリで大切に飲みました。大切に飲んだということは不足気味だったということです。登山道整備の地元の人たちにも出会いました。登山道をふさぐほどに伸びた雑草を切り落としてくれていました。「ごくろうさまです」心からそう思いました。
 
文:美智子姫