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●第5日目(目指すは両神山へ)・・・7月10日(水曜日)
午前4時芋粥を作り朝食を済ませました。素早くテントを撤収し終え、出発の準備をしていると静岡から来たと言う4人組の若者が到着しました。八丁トンネルを探して2時間さまよっていたそうです。「おはよう!私達は一足先に登るけれど、途中でくたばっていたら助けてね」と声をかけて午前5時35分出発です。
両神山とは埼玉県西部、秩父郡小鹿野(おがの)町の南部と大滝(おおたき)地区の境界にある山で、標高1723メートル。
秩父中・古生層からなる山で、とくに山頂付近は硬いチャートからなるため、山稜(さんりょう)はきわめて急峻(きゅうしゅん)で、特異な山容を呈していました。
山頂直下の両神神社奥社に伊弉諾・伊弉冉尊(いざなぎいざなみのみこと)の二神を祀(まつ)るので両神山とよばれる。奈良時代に役小角(えんのおづぬ)が開山したと伝えられ、江戸時代、修験(しゅげん)者の道場としてにぎわった。
山麓(さんろく)に両神神社、中腹に不動滝があります。

登山口から1時間ほどで八丁峠、さらに1時間ほどで行蔵峠、さらに10分ほどで西岳、更に1時間ほどで東岳と順調です。しかし、しかしなのです。それから先はこれでもか、これでもかと言わんばかりに岩また岩が目の前に立ちふさがり鎖を使っての上り下りの連続でした。

「ふ〜っ!聞いてはいたけど難易度の高い山やね」岩場の好きな姫も閉口しそうなぐらいの、しかし面白い山容の登りごたえのある山の様です。
 登りのタイムスケジュール
05:35   八丁トンネル
06:25   八丁峠
07:23   行蔵峠
07:38   西岳
08:53   東岳
09:36   両神山
10:20  
10:55   東岳
12:43   西岳
12:57    行蔵峠
 (この間道迷いグルグル)
15:00    八丁トンネル
八丁トンネルでテント泊  此処のトイレはすごく綺麗です 
朝陽を浴びて一日が始まります
鎖場が次から次へと続きます
若者達に追い越されることなく頂上に着いたのが午前9時30分過ぎで順調に登ってきたことになります。この調子で行けば遅くとも2時には駐車場に帰れる予定です。頂上で長めの休憩を取り、富士山にも挨拶を済ませゆっくり眺めを楽しんでいると若者達が登ってきました。白井差小屋コースから来たと言う男性もひとりで山頂の風景に酔いしれていました。「八丁トンネルに下山ですか?」と聞くと「とんでもない。私には無理です」と言い残して同じ道を下って行かれました。 
両神山の山頂です
ルートの探索に厳しい岩尾根を進みます
 懸垂下降で降りるのが安全です…ただし間違った使い方は厳禁
下山しはじめてすぐに祠の様な碑の様な建造物が目に入り、私が様子を伺いに行くことになりました。「あかんっ!ここはルートではありません。お参りするだけです。引き返します」とは言ったものの切り立った岩肌は容赦なく恐怖というお土産を私に持たせようとしていました。「え〜っ!どうして降りたらええのっ?」そう言いながらも自力で抜けるしか方法はなくやっとの思いで、みんなのいる場所に戻ることが出来ました。

下山と言えども岩場を登ったり、下ったりの繰り返しで岩場通過のロープの使い方もトレーニングしながら鎖があっても使用しないで降りる方法などを余裕で行いながら、楽しんでいましたが、かなり足も疲れて来て休憩も度々取りながら行蔵峠までは順調に下山してきました。ここら辺で若者達が追い越していきました。行蔵峠を過ぎたあたりでまさかのアクシデント発生です。途中で出会った老夫婦とまたまた出会ったではありませんか。「あれっ?さっきもお会いしましたよね」「そうですね。どこに行かれるのですか?」「私達は八丁峠へ」「えっ?その道は違いますよ。その道は行蔵峠にまた戻ってしまいますよ」とのことで昨日同じ山を2周したと言う若者達と同じ羽目になってしまったのです。トップを歩いていた私のミスという事で同行者には平身低頭にお詫びをしましたが、どこで道を間違えたのか今でも理解に苦しみます。老夫婦も最初に来たときに間違えたらしく「みなさんよく間違えるのですよ」と笑っておられました。どこに言えば看板追加してもらえるのだろうか?出発前に両神山で滑落死亡事故が発生していましたが一般登山道と言っても半分以上は鎖を利用しながらのコースです。決して一人での山行は危険な山でした。やっとの思いで駐車場に到着したのは午後3時。途中水切れもありヘロヘロ〜。とにかく冷たい飲み物を求めてハーネスを外す時間も惜しく八丁トンネルを後にしました。
 これからその日のテン場である笛吹キャンプ場まで移動します。途中で自動販売機を見つけてブレーキを踏みました。ギンギラギンに冷えた飲み物が欲しいのです。約1時間少しかけて最初に泊まった笛吹キャンプ場に到着したのは5時を過ぎていました。「とにかく受付をしないと・・・」到着してみると何と施錠されているではありませんか!電話をかけるも誰も出てきません。日暮れも押し迫り途方に暮れていると、別の門に手をやるとギーッと開くではありませんか。「あとで連絡すればいいや。とにかく中に入ってテントを張らしてもらおう」と勝手に判断をして中に入ると奥の方に管理人さんの軽トラが見えました。大声を出すと出てきてくれましたが今日の受付はしない。いまから塩山市の自宅に戻る。予約してもらわないと手続きできない」と「アカン条約」を並べて押し問答になりました。ここは姫の出番だとみんなが私の背中をツンツン押し粘りに粘っておじさんが根負けして泊めてくれることになりました。おまけにビールも冷えているそうです。最初に宿泊していましたので勝手知ったる場所、食事をする場所を確保しテント場を確保していると叔父さんが電気をつけにきてくれました。「おじさん助かりました。よかったら私達と一緒に食事をしませんか?」とお誘いしましたが「大丈夫食べる物は2〜3日分はあるよ」とのことで、おじさんの臨機応変な処置のおかげで夜の更けるまで大宴会は続きました。

●第6日目(雲取山は10月リベンジという事で目指すは大阪へ)・・・7月11日(木曜日)
雲取山が土砂崩れで登山中止になったことから予定を変更して、一度大阪にもどり10月の紅葉の時期に丹沢山を含めてリベンジすることにしました。丹沢山は夏よりも秋の方が良いとのことで、またテントを担いで雲取山・丹沢山・天城山コースを立て直すことにしました。「山は逃げない」と言いつつも目の前で登山道の通行止めとは少し悔しい気もしましたが気持ちを切り替えて出直すことに決定しました。
朝食は具だくさんの味噌汁と卵料理と白ごはんでおいしく頂きました。朝食を済ませテントを乾かす間、笛吹キャンプ場の木立を利用してロープワークをすることも忘れませんでした。
半マスト、引き上げ時の逆流防止、インラインエイトと3倍力の方法、ジジの使い方などを再確認し、今後もクライミングギヤなどが宝の持ち腐れにならないように機会があれば練習を積み重ねていきたいと思っています。  
 
甲府の町を走っていると「ほったらかしの湯」の看板を見つけ名前に魅了されて入浴することにしました。「すぐそこ」と思いきやフルーツラインの中を延々と走り、小高い山の上まで上がり、やっと風呂に入りましたが700円の値打ちがあったかどうか疑問です。名前の由来を聞きましたがパンフレットを1枚くれただけでそこには何も説明が書いてなかったです(これぞ正にほったらかし〜)昼は5泊6日の草食にピリオド打ち、豪華肉料理をむさぼりました。 
「ほったらかしの湯」に入りました…入浴料もほったらかしにしといて〜 
帰りの高速では炎上する車を見て鳥肌がたちましたが何とか渋滞寸前に通過することができました。私達の車が通過した5秒あとに爆発音があり間一髪のところで渋滞に巻き込まれることなく通過できました。午後6時すぎに大阪に到着し途中で夕食をすませ自宅に無事帰り着きました。
今回の山行は「すべてテント泊」ときめていましたので買い物や荷物が多かったのですが縦走とは違った楽しみを味わうことができました。山で出会った人達、町のスーパーで出会った人達にと沢山の感謝を申し上げたいと思います。 

またいつかどこかの山で出会えたら!しあわせ!
    美智子姫:記0000