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総走行距離「1245 Km」の旅・奥秩父の山々
●第1日目(目指すは笛吹キャンプ場)・・・7月6日(土曜日)

7月6日土曜日大阪発午前5時00分。夜の明けるのを待って奥秩父の山を訪ねて出発することにしました。目的地までどのくらい時間がかかるのか、渋滞などにより状況は違ってきます。なるべく早く今夜のテント場に到着したいと思い早朝の出発となりました。今回は日本百名山の奥秩父編となります。いままで奥秩父には何度も足を運びました。ある時は瑞牆山や金峰山への登山だけであったり、ある時は小屋周辺のお手伝いであったり、また安全登山の講習であったりしましたが今回は山登りに集中です。山仲間から「えっ?今まで何度も奥秩父に通ってて甲武信岳まだ行ってなかったの?」と言われてしまいました。

養老サービスエリアで午前6時40分、ここでドライバー交代し双葉サービスエリアで再び運転交代、2時間を目途に安全運転をしながら午前10時過ぎには甲府昭和インターを出ることが出来ました。料金所付近でいきなり旗を振りながら高速隊の人が近づいてきました。「何か事故ですか?
と尋ねると「後部座席の方のシートベルトの確認です。あっ確認が出来ましたのでお気をつけて!」ああびっくりしたぁ。ここは前回通過したときも「レスキー243」隊長のウッチーさんが同じ目に遭遇しています。後部座席シートベルトしっかり締めていました。セーフッ!高速道路を出て走るフルーツラインには「桃・さくらんぼ・ブドウ」と書いた旗が何本も何本も立っています。「欲しい!食べたい!買うて〜!」の連呼の声を無視して山梨県三富広瀬というところにある笛吹キャンプ場に到着しました。笛吹キャンプ場は標高1,100mに位置し、シラカバ、モミジ、ツツジ、の林間にあり、夏でも涼しくて快適なキャンプができるそうです。
夜は木々の間から見える星が美しく西沢渓谷、雁坂峠、百名山の甲武信ヶ岳などへの登山もできることから登山者にも人気のスポットだそうです。午前11時25分、走行距離458m結構遠かったです。
人の良さそうな管理人のおじさんと世間話をしながら受付を済ませ早速テントを張ることにしました。
今回はオートキャンプ用と山岳用のテントを使い分け、麓では5人用の大きなテントを張りました。

テント設営が終わると近くにあるマス釣り場まで散歩したり、明日の駐車場の下見に散策に出かけたり、ゆったり、のんびりと時間を過ごすことが出来ました。帰りに「道の駅・みとみ」に立ち寄り念願の桃を1箱購入し、大阪では高価な桃を、ひとり2個も3個も贅沢喰いをしました。夕食はご飯も炊き、おかずも揃え、ビールで乾杯をし明日の安全登山山行を祈りつつ早めに就寝しました。 
 登りのタイムスケジュール
06:00   駐車場
06:26   ネトリ橋
09:36   近丸新道分岐
12:30   戸渡分岐
12:40   木賊山
13:00   甲武信小屋
 20分   甲武信小屋⇒山頂
 15分   山頂⇒甲武信小屋
笛吹キャンプ場 朝粥をすすって 立派な建物…音入れ
●第2日目(目指すは甲武信岳)・・・7月7日(日曜日)

笛吹小屋キャンプ場を午前6時に出発し昨日下見をしておいた東沢山荘の下部にある無料の市営駐車場に車を停めました。既に何台か駐車していますが関西方面ナンバーの車は1台もありませんでした。出発準備を終え20分ほど歩くとネトリ橋に差し掛かりました。林道歩きの平道でウオーミングアップには最適です。田部重治碑からいよいよ徳ちゃん新道に入ります。ルンルン気分で足も軽やかではありましたがここでは、長くて、つらくて、きつい7時間を予想することはできませんでした。甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)は山梨県・埼玉県・長野県の3県の境にある標高2475mの山で奥秩父山魂の主脈の中央に位置し、甲武信岳(こぶしだけ)とも呼びます。甲州(山梨県)、武州(埼玉県)、信州(長野県)の境にあるのでこの名になっているとされる説が有名ですが、山容が拳のように見えるからという説もあります。頂上には残念ながら私の好きな三角点はありません。山頂からは百名山のうち43座を見ることができるそうです。
いよいよ駐車場を出発 ネトリ」広場を 近丸新道分岐
 西沢山荘 徳ちゃん新道のしんどいこと   近丸新道への分岐
近丸新道分岐に到着したのが9時36分。
多くの登山者が下山してきます。
ある人は甲武信小屋泊りの往復。またある人は大弛峠から甲武信小屋泊りとのことで登山経験のある人達ばかりの様子でこのコースにはスニーカーに合羽も持たずのハイカーは皆無の様で、東沢渓谷からの下山中の沢登りの登山者も多く見受けられました。甲武信ケ岳への道のりは「長くて、きつくて、つらくて」戸渡尾根を歩くあたりでは暑さも手伝ってかヘロヘロ状態になり休憩の回数が増えて木賊山(とくさやま2469m)に着くころは「まだぁ?」と到着を待ち望むようになりました。誰もがそうとう疲れているようです。  
徳ちゃん新道は長かった ここで戸渡尾根も終わりです 小屋はもうすぐ
木賊山に到着です…三角点をちょっと触って
木賊山でーす
正面は甲武信ヶ岳です
歩き始めてからほぼ7時間やっとのことで甲武信ケ岳の小屋が見えました。13時丁度到着です。「徳ちゃんいますか〜?あっ徳ちゃんこんにちはっ!」まるで以前から知り合いの様に徳ちゃんと話をするのでそばにいた人達は知り合いなのかと思ったそうです。下調べ時ホームページを拝見したら「見かけたら徳ちゃんと声をかけて下さい」と書いてありました。手続きを済ませテントを張り終わり、天気も良いことから疲れた体にムチ打って小屋から20分ほどのところにある山頂に空身で向かいました。重いリュックから解き解かれてフワッフワッと足が軽くなり快適です。山頂から百名山のうち43座が見えると言うのですが、そこまでは確認できませんでした。はるか向こうに懐かしい瑞牆山や金峰山が確認できました。 
山頂でちょっとくつろいでしまいました
中央は金峰山
 甲武信ヶ岳の山頂で
甲武信ヶ岳小屋 小屋の玄関 テラスから見た夏空
山頂を楽しんだ後は小屋を訪れてビ―ルを飲んでいると小屋のオーナー徳ちゃんが美味しい落花生を手に私達のところにやってきてくれました。炒った落花生の美味しかった事!徳ちゃんに、ここまでのつらくて長くて重くて大変だったことを告げると「今度来るときはテントではなく札束背負ってくればいいさ!」と言われ「なるほど、なるほど」と納得せずにはいられませんでした。小屋の隅に目をやるとイタドリの群生が茎も葉も伸びて「時すでに遅し」と勿体ない姿をさらけ出していました。食べ方が解らないからとのこと・・・勿体ないねぇ!トイレはりっぱなバイオシステムで電気はソーラーを導入し標高2475mとは思えない快適さでした。午後6時からは甲武信ケ岳のビデオ放映も披露して頂き思い出に残る小屋のひとつとなりました。
リピーターだと言う「ヨシコさん」は天の川を見にやってきたとのことで、焼酎片手にダウンを着こみ、天の川の出現に、いまかいまかと待ち望んでおられました。私達は早くからテントに入り・・ムニャムニャ・・・でした。
翌朝、ヨシコさんの話によると、天の川とても美しく見ることができたそうです。
●第3日目(目指すは下山後大菩薩へ)・・・7月8日(月曜日)
甲武信ケ岳小屋テラスから日の出が見られるということで午前4時30分過ぎから寒さに震えながら日の出を待ちました。
あまりの寒さに寝袋で身体をグルグル巻き待っているとテン場の人達も小屋どまりの人達もみんなご来光を見に集まってきました。
同じようにご来光を見ていた老夫婦がポツリと言いました。
「今頃、富士山の上では同じ日の出を見て、バンザイ〜バンザイって騒いでいるだろうな。ここは静かでいいや〜」
と話しておられたのが印象的でした。
下りのタイムスケジュール 
05:40   甲武信小屋
06:00   戸渡分岐
07:40   近丸新道分岐
10:10   田部重治碑登山口
10:40   駐車場
朝陽を浴びたコケが綺麗でした 急坂の下りもシンドイです
テントをたたみ徳ちゃんに別れの挨拶を済ませ午前5時40分甲武信小屋を出発しました。帰りは巻道を利用し20分ほどで分岐に到着、7時40分には徳ちゃん新道の分岐に到着です。下り道も結構きつくて、つらくて、登山道に到着したのは出発から4時間30分もかかったことになります。早ければいいと言ったものではありませんが次の行程が詰まっているので気ばかりあせりました。まっ想定内の時間に到着できてホッとしました。
下りの岩場から見た富士山
徳ちゃん新道ももうすぐ終わりです 駐車場に帰ってきました
駐車場で身支度を整え、これから国道140号、411号を通り雲取山を目指すには「お祭」という地名のある片倉橋に駐車をし3時間30分以上をかけて三条の湯まで移動しなければなりません。途中の道の駅で昼食を済ませ国道を離れ狭くて悪路の続く山道を走り片倉橋のゲートにやっと到着すると人影が見えました。私達の車に近寄ってきて「通行止めですよ」と言うではありませんか。「理由は?」姫は通行止めの理由を述べよと係員に詰め寄りました。「2〜3日前に土砂崩れがあり道路が寸断されています。今日もまだボロボロと小石が落ちていますので危険です」「そう言わずに何とかならないか」と何度も交渉しましたが通行できそうもありません。今日の雲取山は残念ながら諦めざるを得ない様です。「ならば!国道から山道に入るところに通行止めの看板が必要ではないか!責任者にそう伝えて!」三条の湯まで行けば何とか頂上に向けて歩けるのに・・・かなり腹立たしい光景でした。さてさてどうしたものかと思案の結果、後半に予定している大菩薩嶺に行くことにしました。いまからナビを「上日川峠」にセットしてロッジ長兵衛のキャンプ場で幕営することにしました。
    美智子姫:記0000