2012.07.10 | 2012.07.11 | 2012.07.12 | 2012.07.13 |
鹿教湯温泉をベースに百名山4座制覇の旅。「湯治のはずが…やっぱりと言うか・・・毎日百名山めぐり」 |
●移動日7月9日(月曜日)曇り |
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リュック、テント、鍋釜、着替えと大きな荷物を満杯に積み込み7月9日午前7時18分阪神高速福島入り口をスタートしました。天気は曇り空で車内の温度も上がらず快適な走行状態で2時間ごとにサービスエリアに入り、休憩と運転交代を繰り返し中央道松本インターを出ました。幾度となく有料トンネルをくぐり1時間ほどで見覚えのある「鹿教湯温泉とうじの宿」に到着です。午後2時からのチェックインにはまだ時間がありレストランで昼食を食べながら時間調整をしました。一度利用しているので館内を視察する手間も省けて1階には卓球室に売店、2階は浴室と共同のキッチン室、3階は客室。やがてチェックインが始まり荷物運搬用台車を2台借りて車から沢山の荷物を部屋に運びました。今回はキッチンに近い部屋を希望していたため2階の207号室が4泊5日生活をするマイルームと決まりました。部屋は12畳はあるでしょうか。トイレも室内に付いていて、テレビ・冷蔵庫完備、洗面台もあり不自由なく生活ができそうです。 「まずは風呂に行こう!」荷ほどきもそこそこに温泉に浸かることにしました。「その前に卓球に行こうぜぇ!」卓球で一汗かいてからゆっくりと温泉に浸かりました。今夜の食事は自宅からカレーを煮込んできていますのでご飯を炊けばOKの楽々メニューなのです。まずは湯上りに冷えたビールで4泊5日の山行が無事終了できるように願って乾杯をしました。夕食を終えると「卓球で汗をかき、お風呂に入る」を何度か繰り返し、明日の予定は天気次第ということでいつでもでかけられる体制で昼食用の握り飯とめざしを焼き就寝することになりました。 |
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●第1日目7月10日(火曜日)晴れ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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前夜から雷を伴う激しい雨でしたが午前4時30分、雨音は静かになっていました。窓の外を見ると雨は上がっています。「雨が止んでるよっ!」と叫ぶとポチに「朝早くからうるさいっ!」と怒鳴られました。「食べるだけの人」と「食事の用意をして、片づけて、化粧をする人」と一緒にしてほくしないねっ!(誰ですか?山に来てまで化粧すなって言う人は!一瞬の手入れの怠りが皮膚がんを誘発するのです。山で日焼け止め手入れは必要です)午前6時鹿教湯温泉とうじの宿を出発、天気は晴れ。外気温は18度少し肌寒く感じます。ナビを浅間山荘にセットし走ること1時間。浅間山荘天狗温泉駐車場に到着です。駐車料金を支払いに行くと「帰りに支払って下さい。気をつけていってらっしゃい」とドアノブに看板がかかり鍵もかかっていました。駐車場には深夜に到着したのか車内で仮眠をする人達も何組かいました。 |
浅間山登山は車坂峠から黒斑山(くろふやま)コースもありますが、限りなく浅間山に近づきたいために今回は天狗温泉から入山することにしました。駐車場奥にある鳥居をくぐり、歩きやすい登山道を進んで行くと、一の鳥居、二の鳥居とやたら鳥居が多く多く感じます。分岐で不動滝の看板を見つけ滝を見学するコースを選びました。滝の水しぶきはとても冷たくて透明感がありました。もと来た道を少し戻り、再び登山道を登っていると二の鳥居に出ました。 |
「登山者の皆さんへ火山館の暖房用のマキを火山館まで運んで下さるようご協力ください」と看板が掛けてあり傍らにストーブに使うマキが山積みしてありました。ジョンが2sもあろうか大きなマキを1本、ポチと姫は焚きつけようの小さなマキのクズを抱え、3キロメートルの上り坂をひたすら担ぎ上げることとなりました。 | |||
先客が協力はしたものの途中であきらめたのかマキが放り投げてありました。ジョンが見かねてそれを拾い、合わせて6sはあったと思います。「エエ歩荷訓練や〜」と豪語したものの、あまりの重さに耐えきれずストックとシュリンゲを使い前後に振り分けて汗ダクで登りました。硫黄の匂いが漂い始めたその先に火山館の屋根が見えてきました。「やっと着いたね」到着すると管理人らしき人が「ありがとう。お疲れ様。ゆっくり休んで行ってください」と言葉をかけてくれました。 | |||
浅間山へのアプローチは想像以上に長くつらかったです。火山館からがいよいよ浅間山への取り付きのはじまりです。樹林帯を30分ほどで抜けると大きな看板がありました。ここからは危険地帯であること、現在は「レベル1」のため前掛山まで登れること、自己責任で登山することなどが書かれていました。30分ほどで樹林帯を抜けると目の前の景色が変わってきました。ドドーンと浅間山が姿を現したのです。「え〜っあれを登るの?」思わず叫びました。浅間山2568bの雄姿を見た途端、今までの疲れが吹っ飛びました。すでに下山してくる人もあり、かなり朝早く車坂峠を出発した様子です。 |
1本の樹木も寄せ付けないのか不毛地帯の浅間山は九十九折れの道が続き、ぐるぐると廻り道をしながらやっとシェルターのある場所に到着しました。爆発が起きたらこの中に避難するのですが果たしてこの中で助かるのだろうかと不安に感じました。シェルターの前で記念撮影をし、はるか前方に見えている頂上看板のところで昼食を取ろうと、ゆっくりと詰めて行きました。浅間山は現在も活火山のため前掛山までしか登ることはできません。馬の背を歩きながら下に目をやると、大きな爆裂火口が口をあけており噴火の恐ろしさを感じることができました。「すごいっ!」1本の樹木をも寄せ付けない恐ろしい山であること、限りなく浅間山に近づいたことが実感できました。感動の風景を味わっているとタバコの吸い殻2本を見つけました。「こんなところまで来てタバコが吸いたいのか!吸ったら後始末して帰れ!」怒りが噴火してきました。姫爆発です。 | |
浅間山(前掛山)2568bの地に立てたことの感動を充分味わい、頂上は風が強いためシェルターまで下って昼食を取ることにしました。シェルター付近では昼食を取っている人がいました。爆発して落下したであろう大きな岩が椅子とテーブル代わりにして宿で作った握り飯と梅干、めざしと大自然をおかずに美味しい弁当を頂きました。 |
シェルターを出発してしばらくすると30人はいると思われる団体に出会いました。「こんにちは」と挨拶を交わしましたが何の団体なのか気にかかります。若者もいるし年配の方もいます。「みなさんはどんな団体なのですか?」と尋ねてみると環境調査の方達で新しい登山道の研究や高山植物の研究をしながら歩いておられるとのことでした。「1枚写真を撮らせていただいていいですか」「どうぞどうぞ」と許可を得てジョンが1枚目のシャッターを切りました。続いて姫が「2枚目の皆さん!では2枚目のシャッターを切らせていただきます」と言うとドッと笑いが起こりました。(また大阪のおばちゃん演じてもうた・・) 九十九折れの下山道は登りの人が多くなり交わすのに苦労しました。「頂上はまだですか?」疲れた時の決まり文句が出ている様子です。「もう少しですよ」と言うには距離がありすぎで、「九十九折れが終わると一度下におりてシェルターからさらにまだ登りがあります。でも前掛山の山頂看板が見えると勇気がわきますよ」と言うと心なしか元気を取り戻したように見える登山者もいました。下山者特有のええ加減な「もうすぐですよ」は禁句ですね。 |
火山館まで下り休憩ののちは2時間ほどかけて天狗温泉に到着です。下りで右ひざが痛くなり時間がかかってしまいました。天狗温泉は有馬温泉金の湯の様な泉質で下山が早かったためか風呂には誰もおらず貸切状態でゆっくりと入浴することができました。天狗温泉駐車場には中学生たちのバスが到着したばかりで点呼やら注意事項やらを引率の先生が説明をしていました。バンガローにとまり今夜はみんなでカレーだそうです。 |
風呂に入りジュースでのどを潤しナビに「鹿教湯温泉」をセットしシラビソ並木を走っていると姫が「車停めて!キツネやっ!」ジョンの目にもポチの目にも見えていませんがたしかにキツネがいたのです。「ホラあそこにいてるやんか〜」何度説明してもわかってもらえず、やっとのことで2人にキツネを確認してもらえカメラを用意した頃には、人間をあざ笑うように逃げていきました。時間も早いことからもうひとつの登山口「車坂峠」を探索しようという事になりナビを高峰高原ホテルにセットしました。ナビはまるで大腸のように曲がりくねった道を延々とドライブすることになりました。駐車場にあるレストランのスタッフに「浅間山を展望できる場所はありませんか?」と聞くと「黒斑山で隠れていてここからは見ることはできません」と言われ仕方なくもときた大腸ロードを下り、鹿教湯温泉に戻りました。 |
まずは温泉に入り汗を流しビールを飲み少し横になりうたた寝をし、夕食の支度に取り掛かりました。今夜は野菜たっぷりのタジン鍋です。寝る前に卓球、風呂のパターンは、どんなに疲れていても欠かすことなく行事として行いました(笑)明日の予定は天気任せということで深い眠りに入りました。疲れていたのでしょうか朝まで目を覚ますことはありませんでした。 |
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