09夏山・甲斐駒ケ岳・仙丈ケ岳
2009.07.19

雨に打たれた身体を仙流荘の温泉で温め、2日分の汗臭さを洗い流し、サッパリしたところでバスに乗り、蔵の宿「みらい塾」に到着しました。仙流荘から10分もかからない場所にあります。バスが駐車場に入るとバラやアジサイが咲き誇った宿の女将の自慢の庭園が迎えてくれました。まずは現地直送した栗焼酎が届いているかどうかが気がかりで取る物もとりあえずチェックインに走りました。ありました、ありました〜無手無冠のマークの大きな箱が3個、母屋の玄関先に保管されていました。(ホッ!)
3日目の宿は珍しい白壁の蔵宿です。去年飛び込みで利用したお気に入りの民宿なんです。「夢ゆり草」、「山ぼうし」と名づけた蔵は築約130年。明治時代に建てられた蔵ですが、時代の流れとともに利用する機会は少なくなっていたのを民宿として改装したのだそうです。長谷の豊かな自然に囲まれた蔵は、昔の良さがじんわりと伝わり、あたたかい気持ちにさせてくれる心地よい空間だったのです。到着と同時にみんな気に入ってくれたようです。
仔牛1頭を引いて嫁に来たと言うおかみさんが笑顔で迎えてくれました。白壁の素敵な民宿は参加者全員が驚きと感嘆の声を上げ、頂上を踏めなかったストレスは一気にどこかへ吹き飛んで行った様子です。おかみさんの粋なはからいでハープ演奏はいかがですかと言うことになり午後2時15分より囲炉裏の間でハープ演奏会を聴くこととなりました。名付けて「24人のためのハープ演奏会」
ハープ演奏会の前に栗焼酎で乾杯しようと言うことになり昼間からほろ酔い気分に浸ることとなりました。くっさ〜い身体も清め、四万十川の幻の焼酎と言われる栗焼酎で乾杯.。
 24名で樽開きでーす。
演奏会会場である母屋の囲炉裏の間。愛称、長谷のカーネギーホールでハープと笛
この演奏会がまた感動でハープを奏でる音色で心も洗われ涙がハラハラと落ちているではありませんか。前に座った千恵ちゃんもメガネを外して涙をぬぐっていました。ハープ奏者はこの宿の娘さんで婿殿も多種多様の楽器を楽しげにあやつり、大阪の吉本のスカウトも有るかも知れないほど芸も話術も達者でした。30分間ではありましたが「24人のためのハープ演奏会」はアンコールの拍手の鳴りやまぬまま終了となりました。感動したなぁ!
JON曰く…「さすが長谷のカーネギーホール。撮影のために壁際に立っていると反射音が心地よく耳に響いた」…そうです。
竹田の子守唄の演奏良かったなあ。あのアレンジ…印象にのこったなあ。
 
   
夕食は囲炉裏を囲んでおかみさんの接待を受けながら虹鱒の塩焼き、焼きたての五平餅おいしかったです。山の幸に舌鼓を打ち、五平餅を頬張るうちに焼酎が廻ってきたのかトイレに立った時、突然睡魔がやってきて、堀コタツの側で不覚にも眠ってしまいました。気がついたらハープ奏者自ら枕を持ってきてくれていました。食事は、田んぼで実った米、畑で収穫した野菜、山から採ってきた山菜など、その時々の旬の素材を使った素朴な田舎料理をおかみが囲炉裏を囲みながら出して下さいました。
囲炉裏で焼いた五平餅の美味しかったこと!この素材の全ての作者は大黒柱のアキラさん。
女将さんの後ろで黙々と畑仕事をし、私達が会えたのは、朝帰る直前でした。ご主人が開発した肥料は有名で「山の木は化学肥料なしで大きく育ち、春には芽を出し、土の養分を吸収し花を咲かせ実を結ぶ」と講演をして頂きました。肥料の名前も「アキラ」この肥料を使うと、花はきれいに、野菜は美味しく育つそうです。そう言えば、縁側に並べられたキャベツもズッキーニーもかぼちゃも巨大でした。
「ゆっくりしてもらっても構わないけど、片づけもあるし〜」やさしい口調のおかみさんの言葉にハッと我に返り、みんなを引き連れて栗焼酎パーティ会場へと移動となりました。
ハープ奏者が吹くユカリナ(?)に魅せられてアドヘンチャーさんとうららちゃんの首にはおみやげ用のユカリナを買っていました。そう言えば去年、宿泊した時に「3個下さい」と孫の数だけ買おうとしたら「9千円です」って言われてビックリし、女の子の分だけ1個買った覚えがありました。栗焼酎を飲みながら、山の話し、歯の話し、オカリナの練習、昔の思い出と時間は過ぎて行き一人去り、二人去りと気が付けば4〜5人しかいなくなってしまいました。そろそろお開きにしようとは誰も口に出さず、サスケ先生のお友達が座ったままコックノコックリ、し始めたのを合図にお開きとなりました。
翌朝、宿の大黒柱のアキラさん「夕べは大変盛り上がっておられましたなあ」

文:美智子姫  写真協力:鹿島秀元
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