2012.10.31
第12日目  ベースキャンプ滞在…高度順応日…近くを散策
アイランドピークBC 5100m→ (散策)→アイランドピークBC 5100m 外気温−7.0度。湿度 測定不能。

ベースキャンプに朝がきました。
朝起きるとメイク落としのシートがシャーベット状になっている。水筒の水も、ダッフルバックの上に置いていたカメラも動かない。コンタクトレンズケースの中の液が凍り氷柱のようになっていました。ポーターさんが洗面器にお湯を運んでくれて温かいお茶も運んでくれました。テントの中も外もあまり温度は変わらず寒いです。本日の行動開始はいつもより1時間遅くて助かりました。まずコンロでお湯を沸かしコンタクトレンズを解凍することにしました。朝食はゆうべの残りで雑炊をしました。腹痛のため硬水を身体に入れないようにして飲み物に充分気を付けています。朝の飲み物がテントの中に運ばれてきました。「もう少ししたら食事です。しばらく待って下さい」と至れり尽くせりのおもてなしを受ける。「まるでお雛様みたいやね」わかったかどうかはわかりませんがニコッと笑って炊事テントに帰って行きました。
「みなさん、おはようございます。今日も元気ですか」リーダー・マッチンドラー氏の声に起きなくっちゃあ。
続いてクックボーイがお湯をもってテントを訪れてくれます。「顔を洗ってください」
次に温かい飲み物が運ばれてきます。今朝はホットチョコレートです。
食事のあとは高度を慣らすためにハイキングです。ところがジャムジヤムクラブ社長が高山病を発しパルスオキシメーターの数値が52〜53を示しており危険信号のため下山するかどうかをみんなで検討することにしました。姫の下痢は何とか止っているようですが代わりにジョンがピーッ!だそうです。島田氏は便秘になり昨夜はテントの中に座って朝を待っていたらしいです。みんな何らかの症状を訴え始めました。
島田氏、ジョン、ひめはマッチンドラーのリードでハイキングに出かけることにしました。
「おい!サンダル履きかよ?」
「ネパールのガイドはハイキングはすべてサンダル履きです」
そういえばナムチェの高度順応の時もサンダルやったなぁ。日本ではとても考えられません。
「ヒマラヤでは大丈夫ね」
私達が高価な登山靴で歩くよりサンダル履きで軽快なフットワークで歩けるのだから現地の人は凄い!
イムジャコーラの原頭です。砂塵によって隠されていますがその下は氷河です。時々音をたてて崩落しているのが見えました。
アマダブラを巻くように延びるアンブラプチャ・ラへの道…この道を辿るとやがてメラピークへ到達します。
この景色を遠めに見ながら「人が歩いている」とマッチンドラーが言う。望遠レンズで探しても解らない。彼がカメラを貸してといい撮ってくれた一枚です。中央に3名歩いています。それにしても彼らの眼は良い。驚くばかり。
この道はヤクもゾッキョも通行禁止だそうです。ポーターさんの人力に頼るだけです。
3時間ほどの高所順応のハイキングを終えベースキャンプに帰ってきました。
帰ってくるとニマ・クライミングリーダーによる講習会がテント場のすぐそばで行われることになりました。
5100bのハイキャンプから5700bのアタックキャンプまでのトレーニングはクライミングリーダーの「無駄な体力の消耗は避けた方が良い」と言う提案で実技講習に変更となりました。此の頃になると高山病で苦しんでいたジャムジャムクラブ社長も少し回復した様子で講習を受けられる状態になっていました。

多少クライミングシステムが日本と違うものの、すべてネパール方式に合わせて実技講習を終えることができました。
終わる頃「みなさん〜お茶の時間ですよ」とタイミングよく美味しいお茶をダイニングテントの中で頂くことができました。
ネパールの若いスタッフは日本でいう昼寝の時間を取ります「ネパールスリーピングタイム」とでもいうのでしょうか。とにかくよく働きます。自分たちのテントに入りハイキャンプ行きの準備です。ジャムジャムクラブ社長が行くか下山か厳しい選択ではありますが決断を下す日が迫っていました。
陽が沈むとローチェの上にカシオペア座が浮かんでいます。北極星の探索測定方式に従い5倍にしてたどってみると間違いなく北極星です。オリオン座も確認できます。
いよいよ明日はクライミングギアーやスノーブーツ、アタック時に着用するウエア類をハイキャンプに運び上げます。
食事が終わるころ、テントに湯たんぽが運ばれてきます。
氷点下のテントの中ではとても助かりました。
湯たんぽを受け取ったら一刻も早くシュラフの中にいれなければすぐに冷えてしまいます。私は取り敢えずダウンジャケットの中に入れて暖をとりました。それからしばらくしてシュラフの中に入れて休みました。
暖かさは朝まではもちませんでしたが、充分氷点下のテント生活に耐えることができました。
 全ての仕事が終わって私達が眠りにつくころ、ポーターさんたちの自由時間です。トランプに興じている姿からは疲れなどというものは感じられません。
多くの山岳隊やクライマー達がいとも簡単に登ったように話しておられますが、彼らの協力なくしてサミットは踏めません。
彼らのパワーと笑顔に助けられて山を征服された方は多いのではないでしょうか。
ベースキャンプでの食事
 「パレシャヤギャブでテント泊」
 この日のコンディション
お腹の状態が今日も絶不調…散策に出かけていても落ち着きません。何も受け付けない。咳が激しくなってきた。痰も切れにくくなった。喉が痛い、鼻腔が痛い。声が出なくなってきました。