4月特別例会
琵琶湖の水は南端にある瀬田の唐橋から瀬田川・宇治川・淀川と名前を変えて大阪湾へと流れ出ている……実はもう一本流れ出る所があった
「琵琶湖疏水ウォーキングコース」は、滋賀県大津市三保ヶ崎の琵琶湖畔から京都市内の蹴上インクラインまで、琵琶湖疏水沿いを歩くコースです。明治23年(1890年)に完成した琵琶湖第1疎水は、100年以上経った今も京都に命の水をもたらす水路として活躍しています。

このウォーキングコースは、歩く爽快感だけではなく、国の史跡に指定されている琵琶湖疏水の土木遺産、三井寺や毘沙門堂といった歴史遺産を同時に楽しむことができるという魅力があります。特に桜や紅葉をはじめとする四季折々の風景は美しく、今回はサクラ並木を歩くことにしました。 
▲JR東海道線・大津駅 ▲JR東海道線・大津駅 ▲京阪電車石山阪本線・三井寺駅
京阪電車・三井寺集合で靖ちゃんと同時刻に合流しました。電車だと同じ電車に乗っていたことになります。私達は大津駅から2km歩いての到着です。まずは大津閘門からスタートです。水位差がある水面間で船を通航させるために水量を調節するための水門、パナマ運河のようなものですね。しばらく歩くと琵琶湖周航の歌の碑が立っていました。歌詞に沿って靖ちゃんと歌ってからの出発となりました(笑) 
▲われは湖の子の碑 ▲琵琶湖周航の歌・歌碑
▲三高艇庫 ▲琵琶湖
▲第一疎水取水口 ▲ 第二疎水取水口
▲琵琶湖疏水・大津閘門 ▲琵琶湖疏水の始まりです
琵琶湖第一疎水揚水機場は昭和28年(1953年)に建設された国土交通省の琵琶湖河川事務所が管理する施設です。琵琶湖の水位が低くなった時に取水量の不足を確保するため、水位がマイナス40cmになった時にポンプ揚水ができます。ここから第一疎水に沿って歩きます。
▲琵琶湖疏水について ▲疎水べりの街灯 ▲疎水べりの桜
▲琵琶湖第一疎水
第一疎水沿いには約2,000本の桜が植えられているので、満開の桜並木を楽しめました。時折ハラハラと花びらが舞い散っています。雨が降ると、無残にも散ってしまうのでしょうか「花の命は短くて・・・」まったくその通りです。
▲琵琶湖第一疎水・第一トンネル東口上流 ▲琵琶湖第一疎水・第一トンネル東口
疎水には、第一トンネル、諸羽トンネル、第二トンネル、第三トンネルと4つのトンネルがあります。第一、第二、第三トンネルは竣工時からのものですが、諸羽トンネルは新しく作られたものです。
各トンネルの入口上部には扁額があり、第一トンネル初代内閣総理大臣「伊藤博文」筆の「氣象萬千」という文字が刻まれています(千変万化する気象と風景の変化は素晴らしいという意味)。・・・読めないけど・・・笑 ここから疎水は長等山をトンネルで抜けます。扁額は舟から真近に見ることができます。
第一トンネルの入り口上部から左に折れて小関越えを目指します。
▲長等神社 ▲お地蔵様は道しるべ ▲堅田源兵衛の首寺の碑
▲道標 ▲新光寺 ▲六地蔵様
 ▲無縁仏  ▲もうすぐ小関越え  ▲三井寺への道
 ▲峠のお地蔵様の説明文  ▲北国街道・小関越えの喜一堂・峠のお地蔵様 ▲ 北国街道は左の小道を辿ります
小関峠はいきなりの急登となりハアハアと息遣いも荒くなりました。藪の中にイタドリの親木を見つけました。目を凝らして見ると「あったっ~!」大きく成長した立派なイタドリが私達を待っていてくれました。リーダーのジョンの姿は見えませんがお構いなくイタドリ採りに夢中です。あまりに遅いので心配したジョンが引き返してくるほどでした。 
 第一トンネル第一竪坑    
小関峠のお地蔵様で小休止をして下り道を歩くと丸い円盤の様な建物が見えてきました。第1竪坑(シャフト)です。
ここから約50m真下から東北東及び西南西に横穴が掘られ、トンネルの掘削作業の短期化を図ったと言われています。竪坑の深さは約50m、地上から5.5mまでの坑口上部は直径5.5mの円形、それ以下の部分は3.2m×2.7mの楕円形のようです。
第一トンネル西口近くでコンビニを見つけました。弁当を買い忘れていた我々に朗報です。早速おにぎりとおそばを買いました。
▲琵琶湖第一疎水・第一トンネル西口
   ▲緊急遮断ゲート
平成11年設置の緊急遮断ゲートです。 大地震で堤防が決壊するおそれがあると自動的に流れを止めます。
途中には公園も沢山あり散歩したり、弁当広げたりとこの空間にはコロナの心配はなさそうです。東山自然緑地で早目のランチタイムとしました。幼稚園児が集団でやってきて私達の前に座りました。「あかん・・・移動しよう」弁当片手に静かな場所に移動し長めの花見休憩して午後の出発となりました。
 ▲一燈園
 一燈園は、1904(明治37)年、西田天香(以下、天香さん)によって創始されたもので、自然にかなった生活をすれば、人は何物をも所有しないでも、また働きを金に換えないでも、許されて生かされるという信条のもとに、つねに懺悔の心をもって、無所有奉仕の生活を行っているところです。
 ▲四ノ宮船溜
 第1疏水には、四ノ宮・諸羽・御陵・日ノ岡・蹴上の5箇所に「船溜」が設けられていました。「船溜」とは、積み荷の揚げ降ろしや人の乗降などのためにつくられた舟の停泊スペースのことです。
▲諸羽トンネル東口 ▲諸羽トンネル西口
諸羽トンネルは、JR湖西線の建設等に伴う疏水路のバイパス化のため新たに造られたトンネルで、昭和45年(1970年)5月に完成しました。 長さは520メートル。
▲菜の花は地元のボランティアによって植えられています ▲安朱橋の上から撮影
山科疏水の流域で華やかなスポットといえば、毘沙門堂の参道「毘沙門道」と疏水の交差するところ。 橋の名前は安朱橋です。
時折クルーズ船の音がしました。疎水の流れに逆らうように蹴上方面から来る船もあれば流れに乗って大津方面から来る船もあります。手を振れば振り返してくれます。1週間後は私達も船上の人となるのです。楽しみです。
▲山科疎水と言われるカーブ ▲本圀寺への朱塗りの橋 ▲琵琶湖第一疎水・第二トンネル東口
▲琵琶湖第一疎水・第二トンネル東口から琵琶湖第一疎水・第二トンネル西口へは疎水を離れて住宅地を歩きます
▲琵琶湖第一疎水・第二トンネル東口 ▲琵琶湖第一疎水・第二トンネル西口
第2トンネル(ここでは日本で初めて作られたと言うコンクリートの橋も渡ってみることができました)そして第3トンネルと進んでいきました。
▲琵琶湖第一疎水・第三トンネル東口
▲ 日本最初の鉄筋コンクリートの橋です ▲ 日本最初の鉄筋混凝土橋の碑
▲第三トンネル東口 ▲第三トンネル東口から県道へ戻ります
第三トンネル東口からは山越えができないので少し戻って南下、県道143号にでて右折 九条山方面に向かいます 
▲県道143号 九条山下の道路沿いに有る 日ノ岡宝塔様縁起
「桓武天皇奈良より京都へ遷都以来明治に亘る千有余年の間極刑場(粟田口処刑)が現在の九条山附近にありました。
この刑場で処刑されてはかなく消えた罪人の数は約一万五千人余にのぼったといわれ千人に一基ずつの供養塔が十五基各仏教諸宗の手で建てられたと伝えられています。
明治の初めこの刑場が廃止されたのち廃仏毀釈の難にあい、供養塔は取り壊され石垣や道路などいろいろな工事に転用されてその断片が処々に残っていました。
昭和十四年法華倶楽部小島愛之助翁(法華倶楽部創設者)が処刑者の霊の冥福を祈るために石の玄題塔断片を基石としてここに供養塔を建立し毎年春秋の二季に亡霊供養の法要を行い立正平和と交通安全も併せて祈っています。
▲かつて流通の主流であった荷車が付けた轍の跡 日ノ岡峠道の旧鋪石・車石
米の運送をめぐり、牛車(9俵積)輸送の伏見車屋と馬(3俵積)輸送の大津馬借(ばしゃく)との間で争いがあった。京都・伏見の車方4分、馬方6分の比率で裁定が下り、以後、幕末までこの比率になる。 1706年、この日ノ岡峠で改修工事が行われている。 このころ蹴上付近には車道が付けられていたとみられている。
▲日向大神宮 一の鳥居 ▲ここが琵琶湖疎水のゴールです
日向大神宮 一の鳥居前で県道に別れを告げて蹴上へと入っていきます。ここが琵琶湖疏水とインクラインの接続点になります。
▲旧・御所水道ポンプ室
山科に位置し琵琶湖疏水沿いに東面して建つ、疏水から御所への防火用水を送るためのポンプ庫。寄棟造で各所にドーマー窓を配し、煉瓦造で隅は石積みとする。正面にポーティコを付し、両側に階段を置く。宮内省内匠寮の設計による産業施設として貴重。 登録有形文化財(建造物)
▲インクライン運輸船 ▲朝9:00 琵琶湖第一疎水取水口を出て13:15に蹴上に到着です
快適な疎水歩きは車道歩きと変わります。桜並木から町の風景に変わり、やがて日向大神宮の鳥居が見えてきました。いよいよ蹴上インクラインの場所に到着です。ここは京都トレイルの時にやまたび倶楽部で訪れています。ここまでは快適な静かな山行でしたが何と人間がウジャウジャ・・・コロナ禍の中、マスクはしているとは言え三密です。レンタル着物を来た女性、結婚式の前撮りのカップル、線路横で堂々と赤ん坊にミルクをあげる若いママ・・・愚痴ってしまいそうなので早々に走り抜けました。
琵琶湖疎水記念館にも立ち寄り三条まで歩きました。途中のサクラ並木も綺麗ではありましたが疎水の美しいサクラを見過ぎた精でしょうか、少し感動が薄れてきました。(何と贅沢なっ!)18kmも歩くと足が棒の様です(本番は地下鉄利用します)三条にある「がんこ」の昼食場所の下見も終えて靖ちゃんとは三条でお別れしました。
鴨川到着 14:35 がんこの三条店を出たのが 15:38 よく頑張りましたよ。 4月12日(月)には疎水クルーズ船に乗りますのでまたレポートをお伝えします。

「サクラ達よ 心あらば来週の疎水クルーズまで 散らずにいておくれ」
 
感   想
 ● ひめの感想 
いやぁ人のいない山の中は最高のウオーキングでした。しかし蹴上の混雑を見てドッと疲れが吹き出しました。歩行距離18kmは少々きつく感じました。サクラ並木が美しすぎて時間がアッと言う間に過ぎてしまいました。疎水沿いに歩いてみて大阪にはない疎水の財産を羨ましく感じました。紅葉の時期もいいなぁ。
●ポッチーの感想 
皆さん天気もよく御安全に楽しんで下さい。 桜の回廊を歩くと気持ちいいやろね。
いい塩梅に観光船が来ましたね。来週は乗れますね。楽しみです。イタドリも取れたんですね。
●JONの感想 
琵琶湖疏水ウオークは今まで行かなかったのが不思議なくらい良いコースでした。流れの中にはゴミ一つ無く、桜の花びらが漂っているだけでした。全国に世界遺産が数ある中で何故ここが含まれていないのか考えさせられてしまうほど素敵な所でした。この中の公園に幼稚園児が園の自家用バスで訪れていましたのも印象的でした。
●靖っちゃんの感想 
サクラ満開で大満足です。天気良し、ウオーカーもおらず、静かに桜並木を楽しみました。イタドリも採れて最高!サクラ満喫しました。
●正ちゃんの感想 
 
●Junkoちゃんの感想 
丁度散り染め(?)何かバックに桜が散っています。今日1日ラインの写真を楽しませて頂きます。イタドリも採れたんですか?! お天気も桜日和、正直歩きたかったです。次回のお誘いは受けられそうですので、楽しみにしております