2016
 ●第2日目 8月18日(木)晴れ 間ノ岳(3189.5m)
白根御池6:00⇒大樺沢二俣06:21⇒八本歯のコル09:14⇒北岳山荘11:10⇒中白峰山12:13⇒間ノ岳13:30-13:45⇒三峰山⇒14:40⇒
三国平(農鳥山分岐)15:54⇒熊ノ平小屋16:30 
                  熊ノ平小屋テント泊
山名の由来は、白峰三山の真ん中の山であるためとされています。南アルプスの最高峰北岳の南側約3.3 kmに位置し、さらに南の農鳥岳とあわせて白峰三山と呼ばれています。奥穂高岳と並んで日本で3番目の高峰。(1番は言わずと知れた富士山、2番は北岳)
南アルプスでは北岳に次いで第2の標高を誇り、日本百名山及び山梨百名山に選定されています。山頂の東側には細沢カール(圏谷)があります。白峰三山を全体としてみると高山植物の豊富な山域で間ノ岳も同様だが、山頂近辺に限っては岩屑帯で、高山植物は少ないです。なお、山頂付近には地すべりによってできたと考えられる線状凹地が発達しており、この地滑りが起こる前は現在より数十メートル程度標高が高かったのではないか、と考えられているそうです。そのため、現在でこそ日本で3番目の高さの山ですが、最終氷期には日本最高峰だったのではないか、とも推定されています。その当時、富士山はまだ現在の高さに達しておらず、また2位の北岳との現在の標高差がわずか4m弱しかない為であります。
雨だったため出発時刻を1時間遅らせて 6:00に 白根御池を出発して間ノ岳・熊の平をめざします
赤坂沢の頭や観音岳が見え隠れします 八本歯のコルが近くなるとキザハシが多い 大樺沢左岸をただモクモクと
 バットレス沢の奥には大滝のガりーがあります そこが4尾根登攀の最初のピッチになります 
  八本歯の頭 奥の方はボーコン沢の頭から池山吊尾根、池山へとつながっていきます
早朝テントを叩く雨音で目覚めました。出発予定は午前5時なのですが1時間遅らせて6時に出発しました。もう雨は止んでいます。二俣から八本歯のコルを目指します。北岳バットレス登攀時に幾度か通過した懐かしい道です。木立の間から鳳凰三山が見え隠れします。大樺沢に出てバットレス分岐を過ぎると大滝のガリーが姿を見せてくれました。いつ見ても雄々しい印象に残ります。八本歯のコルが近づくにつれて北岳南東面のバットレスが荒々しく姿を現しました。足場の良い所を選んで、しばし見惚れてしまいました。今まで見た中で最高の景色です。「あそこを登ったのかぁ」感慨無量です。「ガチャ」と呼ばれる登攀用具を背負っての行動は楽しいのですが今回は重い荷物が進行を苦しめました。岩を飛びながら間ノ岳への縦走路へと向かいます。
 ここを登り詰めれば 八本歯のコルです。
八本歯のコルから白根御池と小屋が見える 北岳バットレスの勇姿
眼下に見える北岳山荘 まだまだ遠いなあ
 八本歯のコルからは大樺沢や野呂川を挟んで鳳凰三山の一つ、地蔵岳のオベリスクが正面に見える
  北岳山荘で出会った東京のポルシェさん 「」の文字を作ってくれました 
 間ノ岳へ向けて  イワヒバリ  ケルン  中白峰岳にて
北岳山荘へのショートカットコースに入ると、なかなか厳しい道。岩を登り、岩を巻き、小屋が見えているのですが、なかなか辿り着きません。稜線を歩く登山者の姿がとても早い。やっとの思いで北岳山荘に到着。自動販売機があり冷たい飲み物を買おうとしたのですが小銭がなく小屋の中に入り両替目的のチョコレートを1枚買いました。ここで東京のポルシェさんと記念撮影をして貰い「お先に」と出発したものの、すぐに追い越して行かれました。
まるでオンボロ軽トラに2トン積んで黒煙を吐きながら走る我々と違い、颯爽と風を切って走る去るスポーツカーのようです。「ポルシェ」さんと名付けました。
小屋泊りでサブリュックを背負った身軽な登山者3組に追い抜かれてしまいました。(荷物が軽いとあんなに早く歩けるんだぁ・・・)間ノ岳は遠い!どうにか山頂が見える頃、追い越して行った登山者が戻ってきました。「もうすぐですよ」と励まされ、やっと99座目の間ノ岳頂上に到着です。お手製のウチワ「99」を高々と挙げて思いっきり記念撮影をしました。農鳥を越えてきたと言う登山者にシャッターを押して貰いました。 
霧が出始めたので先を急ぎ三峰山へと下っていきます。ここから三国平のとっかかりまで岩場の連続です。野呂川から上って来た2名の登山者が「この先の岩場は、かなりきついので注意して下さいね」とアドバイスを頂きました。岩場の中を右へ左へルンルン気分です。「どこがきついねん?」岩場の感じ方はそれぞれ違うみたいです。岩場が終わるとザレ場の連続です
 間ノ岳の下りから三国平の北部まで長い岩場が続きます
 両俣小屋への分岐です  三峰岳頂上 2999m です  農鳥岳への分岐点です
三国平は緩い勾配の砂礫の台地、左側には西農鳥岳、農鳥岳が大きな山塊の山容を見せてくれます。谷底には熊の平と農鳥を繋ぐショートカットルートが美しく見えています。しかし・・ここのザレ場は長い。時折霧が流れて行きますが霧に包まれた台地はより広く感じました。「どこまで続くね―――ん」長すぎて嫌になっていた頃、農鳥への分岐点がお目見えしました。三国平です。農鳥沢側に下る頃は、ガスの中を適度な休憩を取りながら進んでいると大粒の雨が落ちてきました。素早く合羽を身に付けて熊ノ平小屋に到着したのは午後5時前でした
小屋とテント場はかなり離れておりました。
姫が手続きに行っている間にジョンは雨の中テント設営、水の補充と段取りよく準備が整いました。どうにかテントの中に荷物を運びこみ終わるころ、辺り一帯に叩きつけるような大雨が降ってきました。「間に合ったぞー」バターンと倒れ込むようにしてしばし休憩をしました。
小屋食を希望しましたが時間が遅いと断られてしまいました。どうもテント泊の時は小屋の食事を当てにしない方がいいみたいです。ビールを購入しとりあえず乾杯。
雨は一段と激しく降り続、雷鳴は轟き渡り、稲光はテントの中をまるで昼間の様に明るく照らします。とても寝れる状態ではありませんでした。ムムムムムム・・・
文:美智子姫