2016
●第3日目 7月23日(土曜日) 小雨のち晴れのち曇り 茶臼小屋(テント泊)
聖平小屋 04:07 ⇒ 小聖岳 05:20 ⇒ 聖岳山頂 06:47―07:30 ⇒ 小聖岳 08:17 ⇒ 聖平小屋 09:11-10:35(テント撤収) ⇒ 岩頭 11:55⇒
南岳12:4 4⇒ 上河内岳の肩 13:40-14:14 (日本100高山登頂) ⇒ 奇岩竹内門 14:35 ⇒ 茶臼小屋分岐 15:30 ⇒ 茶臼小屋 15:44
小雨の朝を迎えました。「大丈夫!頂上に着く頃には雨は止むよ!」またまた姫の天気予報叔母さんが始まりました。重い荷物から解放されてサブリュックでの山行です。背中に羽が生えたみたいに軽やかです。前日にやっとの思いで下った、きつい坂を薊畑分岐まで登り返ししばらく歩いていると雨は予報通りに止みました。しかし寒いので雨具は着たまま登って行くと「あっ富士山が見えてる~!」「あっ!ブロッケン現象やっ!」右に富士山を見つつ、左にくっきりと浮かぶブロッケン現象にしばし酔いしれました。これこれ、これが山の魅力なんです。これがあるから山を登り続けるのです。
早朝7:07分 雨の中  水と少量のレーションの入ったサブザックを背負って聖平小屋を出発 昨日合流した薊畑から小聖岳前聖へと登って行きます
▲兎洞の上空にブロッケン現象が現れました
▲霊峰富士を遠望
 ▲大沢岳方面  ▲赤石岳方面
出発から3時間もかからぬうちに頂上が見えました。後続の若者を待ち、4人勢ぞろいで山頂を踏みました。ぐるり360度の大展望ショーの始まりです。記念撮影を済ませ、三角点にタッチをしドカーンと腰を下ろし、思い思いに素晴らしい展望を満喫しました。長い時間、山頂にたたずみ、下山開始の頃には足元から雲が出始めました。「おおっ!早起きは三文の徳とは、この事やなぁ!」そう言いながらすれ違いに登って来る登山者が気の毒に思えてなりませんでした。 
 濃霧は足早に山頂から降りてきます。私たちも逃げる様に急ぎ足で下ります。「捲れ込むなよう」「足元に注意して」「石車に乗らないでねー」お互いに注意を促しながら薊畑まで降りてきたときには周囲は濃霧の中でした。せっかく乾いたテントをまた濡らしなね。でも綺麗だった聖岳の山頂に感謝です。
小屋に戻ると沢山張ってあったテントは既に無く、私達のテントだけになっていました。出発準備をしていると小屋の人が「おはようございます。出発前にフルーツポンチ食べて行ってくださ~い」と声を掛けてくれました。そうだ、昨日は、雨に気を取られていて若者組は到着時にフルーツポンチまだだったんや・・・。
出発の挨拶を交わしながら 「みなさんもどうぞ!」 っておっしゃっていただいたので 年寄り組もちゃっかり美味しいフルーツポンチをご馳走になり、元気いっぱいに聖平小屋を後にしました。ごちそうさまでした。素敵な思い出です。
途中のチェックポイントらしき看板はなく多分ここが岩頭だろうと思いながら通過しました。次なるチェックポイントは南岳なのですが、これがまたつらくて長くてきついく、やっとの思いで南岳到着です。南岳までの登りは今回の山行で一番つらいルートでした。登ったかと思えば下り、下ったかと思えばまた登りの繰り返しです。南岳で腰を下ろし休憩していると若者が到着しました。「きついっす!」さすがのリジュ君もバテバテでした。 そう言えば聖平小屋の方が「南岳を越えればあとは楽です」と言っておられたのを思い出しました。
更に1時間進んで行くと上河内岳の肩に到着しました。宇都宮チームは日本百名山を終えれば「日本百高山」を目指すらしく目の前にそそり立つ上河内岳は「日本百高山」に入っているらしいです。日本百名山を終えてから再びここまでやって来るのは無駄な事ゆえに登っておいでよと背中を押し、老人組は2人の雄姿を見物をすることにしました。空身なのでリズミカルに登って行く2人を眺めながら長めの休憩を取ることが出来ました。「さぁ後は茶臼小屋めがけてもうひと踏ん張りしようか!」と気合を入れて出発から5時間ほどで茶臼小屋に到着しました。なんや、たった5時間かと言うことなかれ、早朝4時から聖岳山頂を踏んでからなので10時間は歩き続けています。 
▲奇岩 竹内門 
奇岩竹内門と言う不思議な岩の群れを楽しみながら「小屋まであと10分」の看板に心を躍らせました。ところが目の前に見えるのはザレ場の大きな山がひとつ「これを越えろってかっ?」何か腹立たしくさえなってきました。行くしかありません。やっとの思いで登り詰めると次は谷底まで降りて行かなければ小屋に辿り着きません。「これを降りるってことはまた明日登り返すってこと?もういややっ! 
 ▲亀甲浄土
 
▲茶臼小屋分岐付近のザレ場
▲茶臼小屋への分岐 ▲茶臼小屋へ向けて下降
何とか頑張って茶臼小屋に到着しました。
茶臼小屋で手続きを済ませ、濡れたテントを張りながら、どっしりと重いテントをよくぞ背負って来たものだと感慨に耽ることしきり。そのころ若者が到着しました。「手続き済ませているから好きなところにテント張ってね。明日の出発は午前7時ね」。若者組はテントを張った後、自炊場で夕食を済ませ、居合わせた隣の席の人と会話を弾ませていましたが私達はテントの中から一歩も動けず、テントの中で夕食を済ませ、その後はバタンキューでした。お星さまは今回はいずれの夜も出てくれませんでした。
文:美智子姫