南アルプス 悪沢岳・赤石岳
●第4日目(9月14日・月) 晴れ 下山
赤石岳避難小屋-北沢源頭-富士見平-赤石小屋-椹島
前夜に管理人さんに「午前4時には起床してゴソゴソと物音をたてますが」と断りを入れると「大丈夫ですよ。3時30分には起きているから」と優しく言ってもらいました。起きるとストーブが付いていて寒さ知らずで出発準備をすることができました。出発前に管理人さんの奥様がハーモニカを演奏してくださりあまりの美しい音色に「アンコール」をお願いすると快く応じてくださいました。♪うさぎ追いしかの山~♪と口ずさむと管理人さんが「ワシもハーモニカ吹けるぞっ!」と「ふるさと」を奏でてくれ一緒に歌いました。
 満天の星空です  ♪うさぎ追いしかの山~♪…名曲「ふるさと」を熱唱
奥様にハーモニカ演奏をしていただいた「雪山に消えたあいつは」私の大好きな歌…感動しました。
雲海に浮かぶ霊峰富士
 赤石岳南峰(左)と赤石岳本峰(右)
別れは寂しいですがお二人に見送られて再び赤石岳頂上で昇る朝日を脳裏に焼き付け大倉尾根ある赤石小屋に向けて下山することになりました。途中にある北沢源頭の水場で歯磨きと洗面を済ませ爽やかな気分で午前8時赤石小屋に到着しました。
タイムスケジュール
赤石岳避難小屋 05:00
赤石小屋分岐 05:20
砲台型休憩所 06:26
冬道入口 07:00
富士見平 07:15
赤石小屋 07:58
08:30
登山口 12:05
椹島ロッジ 12:30
砲台型見晴台 北沢源頭
富士見平で赤石岳のTシャツを着ての表裏
富士見平に到着でーす 
富士見平に到着でーす 赤石小屋に着きました
 赤石小屋のテラスから見た聖岳と兎岳(右奥)
赤石小屋 小倉抹茶アイス美味しかったなあ 霜が降りていました
 赤石小屋ではラーメンや抹茶アイスなどを食べ30分ほど休憩をしました。
小屋の中が何かあわただしく感じ、誰かが遭難したとか行方知れずだとか無線の声が耳に入りました。小屋の方が遭難した人の服装やリュックの色を私達に告げ、もし見つけたら教えて欲しいと託して足早に降りて行かれました、捜索活動に参加する様子です。 
赤石小屋からは樹林帯の中を一気に下っていきます
下山しながら左右をうろうろと注意深く見ながら降りていくと静岡県警の捜索隊4人と出会いました。
「ごくろうさまです。私達も気を付けて降りてきましたがみつかりませんでした」と伝えると「ありがとうございます」と足早に走るようにして登って行きました。
上空にはヘリコプターが旋回し空からの捜索も始まっているようでした。

きつい傾斜の下山は膝に大きく負担となり、思うように前に進まなくなりました。「2時のバスに乗れなかったらえらいこっちゃ」と気ばかり焦ります。九十九折れの傾斜は容赦なく続き、立ち止まる回数も増え焦りもピークに達したころ林道が見えてきました。
「あと少しでゴールやっ!」やっと林道に出た時は、思わずその場にへたり込みそうになりました。
登山口に到着でえーす…きつかったあ
登山口から林道を跨いで急坂を下っていくと、ゴールの椹島です…着いたどー
 午後2時のバスで夏季臨時駐車場までの1時間運転手さんはガイド役をしてくれましたがほとんどの人は爆睡している様子でした。
午後3時駐車場に到着です。
下山届を出しているおじさんを目にした姫が後ろから近づき「あれっ?この人、椹島ロッジのレストランで生ビール立て続けに2杯飲んでいたよな」これは交通安全推進委員の姫としては見過ごすことができません。
姫が「警察関係のモノですが、先ほどビール飲んでいましたよね。まさか、そのまま運転じゃないですよね?」と声を掛けると一瞬息が止まるほどの驚きの声にならない声を出し「あのぉ・・ここで車中泊し明日にまた別の山に登ります」そんなわけあるかっ!と思いながらも
「運転しないのなら問題はありません」と・・・警察官だとは言ってないので職業偽装にはならないでしょう。
警察関係のモノと微妙な言い回しをして交通事故防止に一役買う一コマでありました。
赤石岳登頂証明書を赤石岳避難小屋の管理人さんから発行していただきました。
椹島ロッジのバス停は店の前にありますがほとんどの人が捜索に加わっており閑散としていました。バス待ちをしているとヒッピー族の様な若者?中年?が寄って来て相談があると言います。何の相談かと聞くと青森から友達の車で来たが友達は悪沢岳と赤石岳に行き夏季臨時駐車場からの移動手段がない。どこか駅まで乗せて貰いたいとの事でした。リジュ君は「いいすっよ」と快諾をし途中までヒツピー君を乗せることとなりました。
ヒッピー君を乗せ大井川鉄道「井川駅」まで行くと地元のおばちゃんが廃線だと教えてくれました。今は接岨峡温泉駅までだとか。
ならばひとっ走り接岨峡温泉駅へあわてて行くと間もなく最終列車の発車時間でしたのであわてて飛び乗る始末でした。
午後4時だと言うのに最終だと言うローカル列車に乗せ、別れました。
見送ったのちに4人で「友達なら同じ行動をしろよな。われわれが嫌だと言ったらどうするつもりだったのか!」大胆と言うかあつかましいと言うかそんな複雑な思いでしたが「明日は我が身」と受け止め人助けをしたことに一同安堵しました。
島田金谷インターへの帰り道にある川根温泉で汗を流し夕食を共にし、名残り惜しくも10月の飯豊山での再会を固く約束し宇都宮組は左へ、大阪組は右へと別れて帰っていきました。
宇都宮組は深夜12時過ぎ、大阪組は深夜1時過ぎ無事に帰宅したことを確認し今回の山行の幕を下ろしたいと思います。

シルバーウイークには新宿から直通バス「アルプス号」が椹島まで入るため大混雑が予想されるそうです。
TOMO & RIJYU チームの感想
赤石小屋の建て替え工事に従事していた方が遭難滑落してしまったようで多くの方が救助に向かわれていました。早く戻って来られることを一同願っています。 そして立派な山小屋の完成を見届けてください。

今回は、去年の今頃、平ヶ岳で友達になった大阪の姫とまさるくんと4人での山旅でした♪お互いにアクセスの難しい南アルプスが残っていて。
本当は南アルプスを縦走したかったけど、GWは積雪がまだ残ってるだろうし、休みの取れるお盆は暑いしで、結局日数が取れないからってことで、とりあえず今回の山行となりました。
来週がシルバーウイークだからか、今回の山ではあまり人に会うことなく、静かな登山になりました。千枚小屋でも10人はいなかったなぁ。赤石岳避難小屋では、なんと貸切状態♪快適な小屋泊でした♪
4人一緒だからといって、ずーっと一緒に登るでもなく、こっちが休めばその間にあっちが進み、あっちが休めばこっちが進みと(笑)。
それでも頂上や小屋着では全員揃ってのゴールで感動を共感しました!姫の号泣には笑ったなぁ

天気予報は外れたわけではないけれど、2日目、荒川岳付近での雨は予定より早めに降り出し、強風ならともかくあの突風!!
本当に前に進むのが難しいし、煽られて転倒も十分に有り得る状況でした。
引き返すのか進むのかの判断は、長年登山をしている岳友に委ねました。結果、強風は残ったものの天気は早くに回復し、赤石岳まで辛かったけどそれを上回る楽しさや感動をみんなで味わうことが出来ました。

今回泊まった宿、通過した宿、すべてとっても綺麗でした。特にトイレ。管理人さんに感謝します。

大阪の岳友は93座制覇、私たちは77座制覇♪
来月はまた4人で飯豊山に登ります!
楽しい山旅を共にしてくれる岳友に感謝でいっぱいです。ありがとうね!
写真:美智子姫●●