Yamatabi-CLUB000
 
  序章
移動日
金峰山
2011.10.11
瑞牆山
2011.10.12

「標準タイムで快適登山!奥秩父は山も紅葉も人もみ〜んな素敵!」 念願かなった奥秩父の山…聞きしに勝る秀麗
●第三日目 10月12日(水曜日)晴れ
さわやかな朝を迎えました。午前5時30分に朝食を済ませ、瑞牆山へ出発です。
管理人さんに登山開始の声を掛け、なだらかな坂道を少し登り、ゆるやかなアップダウンを繰り返しながら進んでいくと、前から二人の学生らしき女性が歩いてきました。「おはようございます。」と朝の挨拶を交わすと「足が痛くなり勇気ある撤退をしてきました」とのこと「お大事に」と声をかけ進んでいく。
右手に小川山への分岐、ここから天鳥川へは急な九十九折りの道が続き小石が敷き詰めてはいますが浮いているところもあり少々歩きにくく感じました。
急な下り坂を見て
「あ〜あ!、帰りにこの急登りはきつそうだなぁ、いやだなぁ」そんな思いで下ります。小屋を出て25分ほどで天鳥川(あまとりがわ)に到着です。川の流れと朝陽を浴びた紅葉の美しさに、しばし見惚れて写真撮影に夢中になりました。天鳥川を渡ると桃太郎岩前にベンチもあり衣類調整をし出発するとすぐに桃太郎岩に出合いました。桃太郎岩は真ん中が大きく割れていて(割れているから桃太郎岩なんだ。きっと)その割れ目に入って記念撮影をしました。桃太郎岩の横には頑丈な木製の梯子がかかっており、ストックで傷をつけないように持ち上げて通過しました。
梯子を過ぎると傾斜がきつくなり、フィックスロープがかかっていましたが、掴むことなくスムーズに通過することができました。このあたりから岩も大きくなり、三点確保で登って行き、天鳥川から40分ほど登ると木陰の間から「大ヤスリ岩」が見えるようになりました。大ヤスリ岩を見上げてみるとクラックの延長線上にV字の鎖がかかっていました。「誰が登ったんだろう?」とても私達には登れるルートではありません。
タイムスケジュール
06:15 富士見平小屋  出発
06:40 天鳥川
08:05 瑞牆山山頂
09:00
10:05 天鳥川
10:34 富士見平小屋 到着
11:35 テント撤収完了
11:35 小屋にて歓談・きのこうどん
12:18
12:18 富士見平小屋  出発下山開始
12:55 瑞牆山荘駐車場
増富温泉・清里・小淵沢経由
22:00 大阪着
小川山別れを過ぎると天鳥川まで急な九十九折の道を下っていきます
桃太郎岩と呼ばれているところです…桃からおばあさんは生まれていませんよ
ジョン、はよう行き 岩が転がってきたらつぶされるよー
登り切ってコルに出ると今までとは一変、ゆるやかな登山道です。瑞牆山の裏面を巻くように進むと2ケ所のフィックスロープが張ってあり、それを伝って上部の岩棚に出ました。ここから鉄製の梯子を登り、頂上の岩場に到着しました。頂上には大学生たちのパーティが360度の大パノラマショーを楽しんでいました。朝いちばんに出会った女性二人も同じパーティ仲間であった事がわかりました。先生らしきリーダー曰く「ここまで来られないような奴は腰抜けや!」と言うので「本人たちは勇気ある撤退だと言っておられましたよ!」と伝えておきました。負傷者は別として付き添って降りた女性は頂上を踏むことを断念せねばならないわけですから「腰抜け」呼ばわりは少しかわいそうな気がしました。
このグループが下山したのちは、私達がゆっくりとパノラマショーを楽しむことができました。
昨日登った金峰山が逆光の中にシルエットを浮かべています。
10月3日に登った赤岳もくっきりです
富士山は当然ですが茅ケ岳、薬師岳、観音岳、地蔵岳、北岳、甲斐駒、編笠、権現、赤岳、浅間山、小川山、金峰山が瑞牆山(2230.2m)から見渡せることができました。頂上で東京の若者と名古屋の中高年が登って来て、アッと言う間に下山して行かれました。この素晴らしい景色を、もう少し楽しんでいったらどうでしょうか?勿体ない気持ちでいっぱいでした。
山頂で1時間ほどの時を過ごしました
大ヤスリ岩…この年ではもう登る力は残ってないかなあ
ジョンが言うには大峯の西ノ覗岩より怖いかもしれんね…って言っていました。
午前9時下山開始、1時間以上も頂上にいたことになります。コルから降り始めた頃20人ほどの高齢者のグループと出会いました。足元をよく見るとスニーカーで登っている人もいました。下りはきっと滑るはずです。リーダーはそのあたりのチェックが必要ではないでしょうか。その後も多くの登山者が登って来て、下山者である私達が全面的に道を譲って交差していきました。中には大きな声でおしゃべりをしながら登る人、私達のヘルメットを奇異な眼差しで見ていく人、帽子も被らないで登っている人、息も絶え絶えに登って行く人とさまざまでした。

1時間ほどで天鳥川へ到着。5分休憩をして最後の登りに備えました。

頂上には立派な方位盤がありました おーい遊んでると岩の下敷きになるぞー
大ヤスリ岩にクライミング用の終了点が打ってありました。私もクライミングをやりますがこのルートは無理かなあ
紅葉もはじまり、空はどこまでも青く最高な気分です
登り切って水平道に出た頃、15人ほどの高齢者パーティと出会いました。メンバーを引っ張るリーダーも、かなりの高齢者で無事に頂上にたどり着く事ができればよいが・・・と願わずにはいられませんでした。
60歳以上の登山者は体力の低下を考え、瑞牆山荘から一気に登ってくるのは少し危険なような気がしました。ぜひ富士見平小屋で一泊する方が安全です。この一時間が楽しい山行にするかどうかを決定付けます。

道が穏やかになったころ、富士見平小屋の青い屋根が見えてきました。10時34分ゴール!です。

足取りも軽やかに、嬉しい気分で下山 富士見平小屋のご主人の見送りをうけて
管理人さんに下山報告をし、テント撤収に取り掛かりました。1時間ほどで綺麗に片づけが終わり、割りばしを持って周囲のゴミ拾いも完了し、再び小屋を訪れ「きのこうどん」を注文し大変おいしく、お汁まで一滴も残さずいただきました。関東風の真っ黒い汁のうどんでなく、関西風の味付けで大変おいしかったです。帰りに奥様お手製の「きのこ漬け」の瓶を、おみやげにいただき、お別れの挨拶を済ませ登山道を下り始めて、振り返ると上条恒彦さんが(いやいや違う違う、管理人さんが)手を振って下さっていました。再び振り返るとまだ手を振り続け、きっと私達の姿が見えなくなるまで、小屋の前で見送ってくださっていたのでしょう。

「来年みんなでまた来たいね」
私が同じ山に行こうというのは珍しいことです。管理人ご夫妻の山に対する熱い情熱が伝わり素晴らしい山行の思い出となりました。駐車場までの下山道は水や食料が減った分、足取りも軽やかにアッというまに四万十号まで降りてきました。小屋で貰った増富温泉の入浴割引券を使い、汗を流し、西陽を避けるため清里方面を散策(と言っても車中から)途中の道の駅で日が落ちるのを待ち大阪へと戻ってきました。

あとがき
「山は天気に限る!」と、よく申しますが、今回ほど天候に恵まれたことは今まで経験したことはありませんでした。よほどのことがない限り計画を立てたら、天気が悪くても出かけていました。「頂上に滞在するときだけ晴れればいい」と負け惜しみの気持ちも大きかったです。

赤岳から戻り、瑞牆山&金峰山登山に出発の前日は「比良山系縦走シリーズ」の最終回もありかなりハードではありました。ポチは荷物を準備していたものの
「連続で山行に自信が無い」と不安を訴えたため留守番をすることになりました。
2009年10月に
「谷川岳&裏妙義山」登山の時、ポチを無理やり山行に連れて行き、あげくのはてに脱臼というおまけまでついたため「自主的参加」に切り替えたのです。今回も快く見送ってもらい、快く出迎えてくれました。感謝しています。

また、山行パートナーであるジョンにも、ストレスもなく負担をかけない山行であったと思っています。百名山を制覇するには気の遠くなるような歳月と費用がかかりますが、
「行きたい山が、たまたま百名山であった」を原点として、今後も地図を広げ、山域研究をし、自分の技術に見合った安全な登山をしてゆこうと思っています。

来秋、紅葉の美しい時期には、ポチを連れて、仲間を誘って再び訪れてみたいと思っています。私が同じ山にもう一度行きたいと思ったのは瑞牆山&金峰山がはじめてだと思います。それほどに素晴らしかったです。 

瑞牆山も金峰山も良いけど 富士見平小屋の相川管理人さんのお話を ゆっくりと聞きたいなあ。

00
 
  序章
移動日
金峰山
2011.10.11
瑞牆山
2011.10.12
美智子姫:記 000