Yamatabi-CLUB000
「山はやっぱり天気が良いのが一番ですねえ」
 ●第二日目 10月3日(月曜日)快晴
午前5時30分別のホテルで宿泊していた愛媛県の団体がホテルの食事は朝が遅いため我々の泊まる八ヶ岳山荘で朝食のみを食べて登山するらしく早朝より賑やかな音が階下でしていました。偵察隊として姫がご挨拶に伺うと私達とコースは違うものの、ともに赤岳山頂を目指すという事で30分ほと早い出発を見送りました。午前6時からの朝食を済ませ、昨夜のミーティング成果もあり午前6時30分には出発することができました。 
出発時に山荘横の登山者カード入れに登山届を投函しました。
この時気がついたのですが、箱の中は登山届で一杯です。指を入れれば取り出せるほどに溢れていました。個人情報漏えいにうるさい今日、この状態は良くないでしょう。
タイムスケジュール
06:35 八ヶ岳山荘前 出発
07:40 美濃戸山荘
10:50 行者小屋
12:30 御小屋尾根分岐
13:20 赤岳山頂
14:00 赤岳頂上山荘
山岳事故が多く、各警察署地域課は、登山届の提出を呼びかけています。
山岳遭難者の多くは登山届の提出をしていなかったようにも報じられています。しかし此の状況では投函するのが怖くなります。私達はインターネットで登山届の提出をしているのですが、今回できなかったので此処を利用しましたが、インターネットのほうが安全だと感じたしだいです。
少し肌寒く感じますが天気もよく秋晴れの1日が期待できそうな、そんな朝を迎えることができました。
砂利道の林道を1時間ほど歩いていると「車はローチェンジで走行しましょう」と看板がありましたので「私達もローギアに切り替えま〜す」
(おう、おう、今日も絶好調みたいですね)
山小屋らしき建物の姿が見えてきました。「やまびこ山荘」と書いてありもう1軒向かい側にも建っています。 
小屋ヶ岳と言われていることが頷けるほどの小屋ばかりですが目印になって登山者にとっては、よろこばしい限りです。やがて美濃戸山荘も見えてきました。「ここで休憩します。衣類調整もお願いします」
登山はここからが開始となります。「八ヶ岳」の大きな看板の前で記念撮影。
「オリオンさんがいてくれたらなぁ。ジョンさん取り忘れのないようにお願いしますよ!」
みんな同じ思いでジョンさんにプレッシャーをかけました。
美濃戸山荘前で30分早く出発した愛媛の団体さんと出会いました。この団体さんは高齢者が多いようで、トップを歩くリーダーさんはゆっくりゆっくりの歩調で歩いておられました。その歩く姿があまりにも美しいため思わず声をかけてしまいました。
「リーダーさん良い歩き方をされてますね。メンバーさん達も楽についていけますね」
「安心して着いていってます」「安心ですよ」とメンバーさんからの声。
今年77歳と言うこのリーダー。
「山は今年で引退なんですよ」と話しながら北沢ルートに入っていかれました。ここで別れて私達は南沢を行きます。下調べをしていたため堰堤、樹林帯とイメージが湧きトップを歩くのにとても楽に歩けます。
いつの豪雨かは解りませんが柳川南沢はひどく荒れていました。紀伊半島の十津川村の豪雨による被害が今なお報道されていますが、その状況を彷彿させる風景です。

トップは道間違いは許されず、速度、休憩時間なども考えながら緊張の糸がピーンと張りつめられました。川を右岸から左岸へ、左岸から右岸へと何度も繰り返しながら急登を登りつめ河原に出ると樹林の間から横岳が目の前に美しく見えてきました。「眺めの良いところで長めの休憩をとりま〜す」(絶好調やんか〜) 
 
 
美濃戸山荘前  柳川南沢へ 
姫がお奨め行動食「水だけで作るきな粉もち」をみんなに食べてもらうことにしました。
非常食には非常に優れた品物です。軽いし、手ごろだしと、きな粉もちの宣伝大使のようになりましたが美味しくいただきました。 
樹林帯の奥の方で日本鹿を目敏く見つけました。「シカがいるよ!」カメラをかまえ撮影に成功!よく見つけたものです。  
横岳大同心、小同心がきれいに見えています。もうすぐヘリポートが見え行者小屋も間もなくのはずです。行者小屋で休憩、山々の紅葉にはまだ少し早い様子で黄色だけが少し色付き始めていました。「帰りには紅葉が見れるかもね」そんなはずありませんが、不思議にそんな気持ちになれるのです
写真左はヘリポート、右は赤岳展望荘
行者小屋で休憩ののちに文三郎尾根コースに入ります。いよいよ赤岳の核心部に触れることになります。岩場もザレ場も多く、落石には十分気をつけなければなりません。落石に対する注意はうるさいほど言ってきましたので大丈夫だと思います。
落石は落としても地獄、落とされても地獄を見るのです。
中岳と阿弥陀岳 硫黄岳方面 横岳
   あっこちゃん ベガさん 
やっちゃん ポチさん
御小屋尾根の文三郎別れから中岳、阿弥陀岳を望む
長い長い鉄の階段が何か所にも掛かっており、また一段の高さが異様に高くて、ハアハアと喘ぎながら登り続けて、9合目あたりから急に下山者が多くなってきました。小さな落石は人が通過するたびにコロコロと音を立てて落ちてきます「ヘルメットかぶっててよかった〜」交差するのも至難の技がいります。「小さな石があるところは足はそっと置いてね〜」「はあい」「落石させたときは声に出して危険を促してね」「はあい」緊張がしばらく続くと、あと少しで頂上らしき所が見えてきました。「頂上は全員で一緒に踏もう!」前後の列の距離ができていましたので頂上直下で列づめをし、全員で一緒に2899mの頂きを踏みました。
かなりきつい岩場を通過した達成感を味わい、雲ひとつない青空と、美味しい空気を吸い、「これだから山登りはやめられない」のです。
すると突然、姫の携帯電話がなりました。2899mの地にいることを告げると「うらやましい限りです」と言われました。
「デンの記撮影会」を済ませチェックインしたのが13時20分予定通り順調に到着したことになります。
赤岳頂上山荘に到着でーす
今夜のベッドです 姫はレポートの資料作り 夕食までの歓談 夕食です
寝室スペースは蚕棚の下を与えられて、混雑はないものの順序よく空けずに奥から埋めて行ってる状態でした。気温は4度と寒く、テラスでの談話を断念し食堂スペースである「天の窓」の部屋に入り行動食を持ち寄り、窓から見える外の景色を楽しみました。「天の窓」という名前にふさわしく絶景です。部屋の中はストーブが焚かれ、暖を求めて登山者たちが集まってきました。水道水は凍結のため使えず、汲み置いた大きなタンクからコップで汲み出し使わねばなりません。夜は氷点下も予想されるらしく売店には手編みの手袋、マフラー、靴下などが売られていました。今まで山頂の小屋で宿泊した経験がありませんのでとても得をした気分になります。
寒くて寒くて夕陽見物も楽じゃあないね
夕焼け雲が阿弥陀岳南稜を焦がす
夕食は午後5時、食事内容に多くを期待せず、残さずに綺麗に食べることが山のマナーだと聞き頑張って平らげました。
夕食後には夕日が沈むシーンと出合えるはずです。外に出て日の入りを待つときの寒いこと、寒いこと!星空も保証付き!しっかりと防寒対策をして夜空の星を楽しみまショー!ここの布団は寝袋形式で、猫のようにすっぽりと体を寝袋の中に入れて眠ります。
ジョンは昨日の夢の続きを見るのかしら?…人差し指が猫と一緒に飛んでいった夢かー。

  みんなの感想
  あっこちゃんのこの日の感想
今日は、日頃の行いの良い人ばかりでよかったです。よい天気でよい景色でよかったです。美味しい空気を吸って最高でした。また明日多分良いお天気でしょう。
  靖っちゃんのこの日の感想
今日の天気は最高でした!2ケ月ほど山登りご無沙汰して休んでいましたので、ちょつと疲れました。でも明日も頑張ります!
  ポチさん
下の小屋から山頂小屋までは、非常にきつかったけど、登ってみればスカッと気分最高です。
  ベガさんのこの日の感想
ずっと憧れていた赤岳に、こうして登ることができて感無量です。ジョンさん!サポートしていただきありがとうございました。予定時間内で到着できてよかったです。これは天気に恵まれ風もなかったことが幸いしたのだと思います。これで登りたかった山が終わってしまいました。下山もきつそうですが頑張ります。
  姫のこの日の感想
岩場を期待していましたが、ちょっと距離が短かったですね。トップは2個先の目印を確認する作業が要求されますので右岸、左岸と結構大変でした。自分への試練だと思って頑張りました。
  ジョンさん
久しぶりの赤岳。4年前に阿弥陀南稜を登ったとき、10年ほど前に登った雪の赤岳のほうがずーっと楽でしたね。よる年波には勝てないのかなあ。


美智子姫:記