|
||
8月14日(金) 朝5時20分 予定より約1時間ほど遅れてテント場を出発。剣沢を目指した。眼下には多くのクライマーの姿が見える。ここから源次郎尾根の末端までは1時間ほどかかる。このぶんだとだいぶん待ち時間を余儀なくされるな。 |
テント場を出発 | 剣沢小屋の前で | アイゼンをつけて剣沢を下る |
夏道からアイゼンを着けシュルンドを越えて雪渓にはいる辺りから人の数が増えてきた。この人達が全員源次郎尾根を登るわけではないだろうが何となくそう思えるから面白い。剣沢には加工木材が散乱していた。小屋で使っていたものが流れ出したのだろうが案外目障りなものである。 平蔵谷の入り口にある大岩を過ぎると源次郎尾根の取り付きは近い。雪渓との切れ口で大勢のクライマーがアイゼンをはずしている。 1組2組3〜4組は待っていそうな感じ。 |
||
日本三大雪渓の一つ…剣沢雪渓 | 平蔵谷の出合 | 正面が取り付き点 |
取り付いて直ぐの所に少々難しい岩場があった。ここから渋滞が発生していた。「まあ、一時間待ちだな。あわててもしょうがない」 寛リーダーの一声に何となく苛立ちが消えた。我がパーティの後ろにも2〜3組付いている様子。 直前のパーティは兵庫県の中級登山教室の終了山行と聞く。そうか有馬返しを25kg背負って8時間で折り返す猛者ばかりなんだなあ。猛者ばかりとはいえ前が混んでいてはその力を発揮できないよなあ。 待つこと凡そ40分私達の番がやって来た。トップは寛リーダー。果敢に攻めていく。アブミ代わりにシュリンゲをセットしそれに立ちこんで乗越していく。空身ならどうって言うことは無いがザックを背負っていると、それが上の木に引っかかったり大変である。それが終わると、薮漕ぎが始まり、木の根を掴んでジャングルジム状態が続くのである。そんな状態が交互に凡そ1時間。切り立った岩の稜線らしきところに出る。しかしそれを越えるとまたブッシュの中に突入して行きそうだ。 |
会長 | みなとさん | ゆあささん |
せんせい | ジョン | こんなところでも前が閊えている |
寛リーダー |
潅木の中を過ぎ、ハイマツの中を通り過ぎると突然右手に八ッ峰が見えてきた。これには一同感激だ。数年前に登っている、寛リーダーとみなとさんはそれにも増して感慨ひとしおのようである。 |
八ッ峰5-6コルに救助ヘリが見える | 突然八ッ峰をが顔を現す |
この日剣岳界隈で2件の山岳遭難があったようだ。一件は北方稜線より北側で発生、もう一件は直下の長次郎谷で発生していた。一峰の辺りで遭遇した救助ヘリは長次郎谷の上空を数分間旋回をして北方稜線のほうに機影を消した。私達もアルパインルートを好んで山行している以上いつ事故に遭遇してもおかしくない。だから気の知れた仲間とパーティを組み、十分なトレーニングを積んでやってくる。それでも不安は払拭できないのである。 |
一峰の頭に出ると二峰、本峰が目前に迫ってくる。さすが剣岳まだまだ先は長そうである。一峰から見る二峰はいったいどこを登ればよいのか自問自答するくらい急峻な岩峰だ。ここから少し下ってコルに降り立ち、そこから更に登って二峰の頭に辿り着かなければならない。 この辺りから体調が思わしくなくなってきていた。 レーションも定時ごとに入れ、アミノバイタルも早朝に一服11時頃の休憩に一服飲んでいた。 途中岩間から染み出す水をペットボトル1本ほど汲んだから都合1.5g携行したことになる。でも少し不足しているかもしれないと思い、少し少なめに飲んでいた。それがコンディションを狂わせたのか。体調不良原因は水分不足かもしれなかった。 いつも夏山には2g携行しているが、今回は何故か足りない。標高が高いぶんだけ涼しいから少なくてよいと頭のどこかで勝手に判断したのだろうか。まったくもって不細工な話だ。 多少携行する水が少なくても、メンバーに水を分けて自分の分が少なくても 何とか切り抜けてきたのだが今回ばかりはそうも行かない。 それだけこの山が厳しいということなのだろう。 |
|
|
|||
右上の×印で戻ってください。 |