09夏山・甲斐駒ケ岳・仙丈ケ岳
2009.07.19

●第3日目7月19日(今日も雨)
朝5時、曇り空の薄暗い中、「一足お先に」チームは仙丈岳3032.6bに向けて出発しました。出発点である大平山荘のすぐ横に登山口があり藪沢新道を通って行くことにしました。1週間前までは残雪があり通行止めとなっていましたが、幸いな事に私達はこの薮沢新道を登ることができます。荷物は預けないで全部背負って行って行くことになります。朝食は前日と同じように昨夜頂いた弁当を出発前に腹にかき込み、あとは行動食とうまく組み合わせます。合羽は着ないで出発しましたが30分も登らない間に、また嫌な雨が降ってきました。最終バスの午後4時には何としても北沢峠に到着しておかなければならないことを念頭に置いて、登り始めましたが風雨が強くなり、視界も悪く、今日も頂上を踏むことは出来そうにもありません。
「一足お先に」チームが風雨を避けて休憩している場所で追いつき、全員一緒に登ります。沢筋は荒れて谷全体がしぶいています。このまま頂上を目指しても何も見えないだろうし、北海道の山岳遭難事故を教訓に、急遽コースを変更して馬の背ヒュッテ藪沢小屋の分岐から、薮沢小屋を通り大滝ノ頭(おおたきのあたま)に出て下山するコースを取ることにしました。全員、風雨の恐ろしさと寒さから異議申し立てる者は誰ひとりとしておりません。下山と決まると足取りも軽く、悪路を進みます。
「40年ほど前に来たときは、こんなに登山道は、あれていなかったのになあ」とリーダーの弁。
大滝ノ頭からは北沢峠〜仙丈ケ岳への直登ルートを辿ります。このルートは登山者が多く下りは渋滞する始末。登ってくる人もあり交差するのも大変です。

どうにかこうにか北沢峠に戻り着くことができました。
時間はまだ午前11時になってなかった様に思います。バス乗り場のテントの中に待機してもらっている間に南アルプス林道バス会社、待機中の大阪からのヤサカ観光のドライバー、第3泊目の宿、みらい塾へ予定が変更になつたことを告げ早い目に受け入れ体制をお願いして、林道バスの乗車テントに戻ると、私のリュックだけ1個ポツンと残りみんなはすでにバスに乗り込んでいました。
(おーい。みんな段取りが良すぎるぞー)
バスの時間待ちしている多くの登山者を尻目に、団体貸切の特権を活かして北沢峠を出発します。
バスの中で色々考えてみましたが、いくら何でも、みらい塾さんもこの時間では風呂の用意は出来てないだろうし、一度に全員が入れる大きさの風呂では無いことを去年利用して知っていることから、林道バス終点にある「仙流荘」で温泉に入ることを提案し、自分の汗臭さから目を廻しかけているため、みなさんから即賛成を得ることができました。汗くっさ〜い身体を清め、JONは剃刀を買って髭まで剃っています。
全員さらっとした気持ちでバスは3泊目の宿へと向かいます。

文:美智子姫  写真協力:鹿島秀元
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