Yamatabi CLUB |
「憧れの北岳バットレス」 いつかは登攀してみたいと夢を見つつ、登攀技術の未熟さから、ただ指をくわえて見ているだけの時、「北岳バットレス山行」のチャンスが訪れました。かつて雪彦山でザイルパートナーを組んだ、ジョンの所属する山岳会の女性のクライマー村上さんから降って沸いた様なお誘いを頂いたのは赤木沢から帰って二日ほどたった日の夜でした。 「参加予定の女性のクライマーに急用が発生したためため参加出来なくなったので北岳バットレスに参加しませんか」との内容だった。 ジョンが参加するのは本人から聞いていたのですが、私が行けるとは思っても見なかったことでした。 非会員である私の参加については会長以下参加メンバーで協議を重ね、雪彦山地蔵岳、北鎌尾根、ゴジラの背などの登攀経験者なら大丈夫だろう。ジョンがザイルパートナーを組み、その責任に於いて登攀するならば…と言う条件付きで参加許可をもらっているとの話になっているそうです。 連休中は、ももちゃんママのつわりの状況次第で子守の予定でしていましたが、運よくパパが広島から戻ることが出来ると言うことになり、参加させてもらうことになりました。 パーティの人数は男性4人、私を含む女性2人の合計6人パーティです。 「非会員だからと言っても、共同装備はきちんと持ってもらいます。参加するからには我々について来てもらわないと全体に迷惑がかかることになります」やさしさの中に会員でない私を受け入れた寛大さを垣間見ることができました。 「アルファ米2個、テントマット1枚。コンロ道具一式、ガスボンベ、救急用品、炊事用ベニヤ板が私の共同装備の分担です。それに食材の分担割、登攀用具その他登山用具を含めると40g用ザックの重量は15sになります。 リーダーも会長もジョンも、ロープや登攀用具で全員70リットル以上のザックは満杯、重量は20sは越えています。 お誘いいただいた女性クライマー村上さんのザックも20キロオーバーです。 9月18日 金曜日 夜8時30分。 JR六甲道駅で集合し、名神高速道路・小牧ジャンクションから中央自動車道を北上、伊那インター手前の小黒川SAでテントを張り仮眠すると言います。 「えっサービスエリアにテントを張っても大丈夫なんですか?」 私の心配も何のその、アッと言う間に6人用のテントが完成しました。 「さあ寝ようか、明日はここを5時出発ね」 と言うリーダーの言葉に促されるように、持参した睡眠薬代わりのお酒をクィッと飲みほすと、すぐに眠りについてしまわれました。お・見・事!。 |
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小黒川PAで朝を迎えます | 仙流荘前バス停到着 | 南アルプス林道バスで広河原へ | 吊橋を渡って大樺沢へ入ります |
9月19日 土曜日。 朝4時を過ぎるとガサゴソとする音で寝覚め、朝食と洗顔を済ませ午前5時丁度に仙流荘前駐車場へと向かいました。 仙流荘前駐車場は車両は多いものの、まだ空きスペースがありました。今回の私の任務分担は会計のため、バス乗車券を購入しリュックで順番を確保しました。6時05分・始発のバスは8台増車で出発したとあって人影はまばらです。8時のバスを待つまでに人数が増えて来たため臨時便を出してくれることになりました。7時40分発車。バスに揺られること1時間、やまたび倶楽部で来たときに宿泊した長衛荘前・北沢峠でバスを降り、更に広河原行きのバスに乗り換えます。 |
途中でニホンザルを発見!バスの音に驚いて薮の中に逃げていきました。南アルプスでサルに遭遇、感激です。 この日は天気もよく鋸岳や甲斐駒ケ岳もくっきりと見えています。とくに鋸岳の鹿の窓という高点を結ぶルート上にある穴もよく確認できます。 広河原の吊橋前で下車、野呂川を挟んで雪渓の残る大樺沢の右手に大きく聳える山塊。パッと目に飛び込んできたのが北岳です。すごい!。 「あの雪渓の上部辺りから右にとってあの岩稜帯を登ります。明日の今頃はあの岩場の中やね」 リーダーの説明に感激もひとしお。北岳は標高3192メートルと富士山の次に 高く、花の山としても有名です。またバットレスはクライミングをする人達の憧れの山と聞きます。今回は北岳バットレス第四尾根の約600m全10ピッチを登攀する予定です。予定ですと言うことは、ひょっとしたら私にはてごわい岩壁かも知れないという不安が、ぬぐっても、ぬぐっても消えることはありませんでした。 |
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野呂川を越えて | 大樺沢下の架橋 | 大樺沢の流れ | 大樺沢上の架橋 |
二ノ俣は大樺沢右俣と左俣の分岐です | 間もなく白根御池です | 白根御池テント場です |
広河原から重いザックを背負い大樺沢を急登すること3時間30分、白根御池小屋のテント場に到着です。ここをベースキャンプに2泊するのです。 テント場には既に色とりどりのテントが、所狭しと張られており、北岳登山、バットレス登攀と思い思いに出かけている様子です。 勿論小屋泊まりの人も沢山おり満員状態です。テント代金を支払い「すみません足の豆を手入れしたいのでスリッパをお借りしてもよろしいですか」と言うと「医薬品もありますよ」とやさしく声をかけてくれました。ありがとうございます。 このときお借りしたスリッパがテント生活の二日間大変役に立ちました。この次はマイスリッパを持参しなくっちゃあ。 |
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テントサイトの整備中 | 6人用テントを張ります | もうずぐ完成です | ちゃんこ鍋も出来て |
会長 | かずよちゃん | 姫 | 今村さん | リーダー | ジョン |
この日の夜は村上さん特製のオリジナルちゃんこ鍋、小屋で買ったビールで乾杯。美味しかったなあ。2杯もお代わりしちゃった。 リーダーの「明日の朝は2時起床、4時出発」の声で午後7時には就寝していたと思います。 |
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文:美智子姫00000 |
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