いざという時のために | 017 |
JON登山楽講 |
止血帯法 直接圧迫止血や間接圧迫止血の方法で止血できない時に、止血帯を使い止血する方法。 止血点も毛細血管も押し潰して血を物理的に止めてしまう方法のため、止血帯より先は虚血状態となって組織にダメージが出るほか、締め付けられた部分の組織も損傷するが、確実に出血は止められる。軽度の損傷ではまず必要なく、血管から血が勢い良く噴出するほどの深刻な負傷の際に、一時的に出血を止める場合に用いられる。大抵は他の止血法と併用されるが、取り付け位置を誤ると、締め付けられた部位の組織を傷め、神経にダメージを負った場合などには後遺症も残る。幅の広い帯で満遍なく圧力がかかるようにするのが理想的で、ロープなど細い紐で締め上げると負傷する危険性が高まることから、布などの帯(またはベルト状のもの)を使って締め付ける。負傷個所から心臓寄り5〜10cmほどの位置に2回巻きして縛り、1巻き分の下に棒を差し入れて締め上げる。締め上げる加減は、締め付けた先の負傷していない部分の脈動をはかり、それが感じられなくなる程度。 ただし締め付けが強すぎれば皮下組織が押し潰され余計な怪我を増やす一方で、締め付けが中途半端であると静脈のみ閉じてしまい出血を悪化させる危険性もあるため、専門的な知識が無い場合は、むしろ避けた方がよい止血方法である。当然ながら頭部の負傷には(首を絞める訳にはいかないため)適用できない。 |
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