此花区正連寺 川施餓鬼 2018.8.26

 
わが町このはな。見どころいっぱい
このはな歴史まち歩きと伝法正蓮寺 川施餓鬼
バス停近くのマンションの壁に無造作に貼られたポスターが目に入りました。「このはな歴史まち歩き・此花区を再発見しよう!」内容をよく見ると午後からは川施餓鬼の船にも乗船できるとありました。「定員になり次第締め切ります」の文字に慌てて3人分申し込みました。歴史ウオークも川施餓鬼の船に乗るのも楽しみです。 
10時 区民ホール集合 此花区長 あいさつ 集合写真
正蓮寺川公園 無憂園 旧鴻池邸 旧鴻池本店
8月26日(日曜日)午前10時に区民ホールに集合です。もう既に大勢の人達が集まっていて、スタッフの方達も忙しく受付準備をしていました。黄色リボン、赤リボン、青リボンと班分けをして、それぞれにリーダー、サブリーダーが付き、コース上にある歴史的施設の説明をしてくれました。残暑厳しく、日陰の無い信号待ちでは電柱の陰に隠れるほどでした。「身体がはみでてまっせ~!」公園の日陰をみつけたら走り込みます。 
 澪標住吉神社  トンネルの中の壁画  新淀川とスーパー堤防
水分も、歩きながら給水といっても過言ではありません。スタートしてすぐ正蓮寺川の埋め立て跡地「正連寺川公園」を見学しました。正蓮寺川の埋め立てにより、川の無い橋となった千鳥橋を渡り鴉の宮へ。隣接する旧鴻池本店・邸宅の説明もあり何度も訪れているのですが説明があると、なるほどと頷くことも多いです。続いて澪標住吉神社を過ぎて淀川堤防に上がる途中、小さなトンネルをくぐりました。今までは暗いイメージでしたが子供達の壁画によって夢のあるトンネルに様変わりしていました。(こんな事したらクラックが入ってもわからん様になる~って言ってた人もいました。人それぞれやなぁ・・) 
 伝法水門  川施餓鬼  隅切弁当  集合写真
阪神淡路大震災で崩壊した堤防は現在はスーパー堤防として生まれ変わっていました。太陽はきついものの川面に吹く風は心地よく思わず帽子を持ち上げて冷風を通しました。伝法水門前では朝鮮通信使についての説明がありました。

歴史ウオークを済ませ川施餓鬼の船に乗るため、正蓮寺に隣接する「れんげ保育園」に案内されました。園内は冷房が効いていて生き返った気分でホッと一息つけました。おまけに「川施餓鬼・隅切弁当」と冷茶の振る舞いもあり有難かったです。隅切弁当は夏場で腐り易いのため3日3晩煮込み、甘辛く煮付けた伝統的弁当だそうです。質素な精進料理ですが伝統的な味わいを醸し出していてご飯が足りなく感じるほど美味しかったです。
お稚児さん 導師の読経
お弁当を頂いていると少し遅れてゴールした女性が倒れ込むように入ってきました。具合が悪そうです。少し震えも出ていましたので熱中症だと思いました。お友達が何人か介抱されていて「救急車呼ぼうか?」と本人に聞いていました。本人は「大丈夫!大丈夫!」と答えているところへ責任者も駆けつけて対処していました。(あんな場合、本人に聞くのではなく責任者の判断で救急車対応を考えるべきだと自分への教訓にしました。私も聞かれたら、大丈夫でなくても「大丈夫!」って言いそうだわ。) 
正蓮寺境内からは読経の声が聞こえてきました。関係者の人達が、ざわめきはじめ出発時間が迫っていることを感じ取ることができました。正蓮寺の川施餓鬼は大阪市指定文化財となっています。
 日蓮聖人立像を納めた御輿  船渡御  経木  仮設桟橋
『施餓鬼(せがき)とは、餓鬼道(がきどう)にあって飢えと渇きに苦しむ餓鬼に飲食を施し仏に供養することによって餓鬼を救済し、自身も長寿することを願う仏事をいうのだそうです。特に川辺で死者の霊を弔う施餓鬼を川施餓鬼といいます。川辺や船を用いて行われ、施餓鬼法要の後に、水死者の法名を記した経木や供物などを川に流します。
昔は天神祭とならぶ夏の大きな祭となっていたらしいです。現行の行事は8月26日の午前10時から特別法要がはじまります。午後3時頃から乗船場(新淀川閘門繋船場)へ向かいました。行列は先見(せんけん)、金棒(かなぼう)、旗幡(はた)、纏(まとい)、稚児、御輿(みこし)大太鼓、僧侶、団扇太鼓(うちわたいこ)、檀信徒これらの順に進み、日蓮聖人立像を納めた御輿には多数の経木も納められます。行列が乗船すると、玄題旗(げんだいき)と吹き流しを立てた船団は新淀川の中央まで進みます。先頭の船の舳先(へさき)で導師が読経をしながら経木を流し、それに合わせて参列者が御題目を唱えながら経木を流します。』 
ジリジリと容赦なく照り付ける太陽は息苦しさを感じるほどでした。私達は行列の後に続き、この日のために仮設された新淀川船場から乗船し、日蓮聖人立像を納めた御輿の乗る船を眺めていました。導師が読経をしながら経木を流し、私達も経木を流しました。流した経木は水に溶ける非木材パルプを使用しているため環境に優しいのだと説明がありました。

大阪市指定文化財の行事は、過ぎゆく夏に終わりを告げ秋を迎える伝統行事として此花区に根付いております。此花区には、まだまだ見どころがいっぱい隠されているようです。
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 ●ひ め
「大阪あそ歩」で何度か取材で歩いていましたがスタッフの皆さんの細やかな説明に新発見も多かったです。「機関紙・このはな」で、さまざまな行事の案内がありますが、滅多に参加したことがありませんでした。このポスターは掲示板からはみ出して無造作に貼られていて逆に私の目にとまりました(笑)自分たちのイベントで多くの人に参加してもらうためには、時間の許す限り地域のイベントに参加をしたいと思った次第です。川施餓鬼の乗船は2度目です。此花区に歴史に残る行事が脈々と受け継がれていることに感動を覚えました。
 文:美智子姫00 
日蓮聖人立像を納めた御輿日蓮聖人立像を納めた御輿