姫路市の南西部 荒川山塊 鬢櫛山・籾取山・苫編山 2018.06.05

 
芦屋地獄谷でロープワークのトレーニング」
近所に住む岳友のクライマー夫妻が地獄谷でロープワークのトレーニングをすると言うので同行させて貰いました
近所に住む岳友のクライマー夫妻が地獄谷でロープワークのトレーニングをすると言うので同行させて貰いました。夏休みを利用してアルプス山行を企画しているらしく、ロープワークは「保険のつもり」だとの事でした。その心意気に感動した我が師匠が老体にムチ打って地獄谷レッスンを引き受けました。(と、言うか自分達もロープしばらく触っていないし、最近はロープ携行が体力に比例していたので、よいチャンスを貰ったって感じです)
午前6時阪神淀川駅集合・・・時間は早いですが炎天下の予想に加えて日曜日の地獄谷の混雑を考えると早朝がよかろうと、いつもより2時間早く出発しました。
高座の滝までの道のりはラジオ体操を済ませた人たちがゾロゾロと下って来ていました。自宅近くに恰好のトレーニング場所があることが羨ましく感じる道のりです。(我々にとっては地獄の道のり)。「おはようございます」知らない人同士でも挨拶を交わすと気持ちがいいものです。時間が早いため地獄谷は貸し切り状態で、ハーネス、ヘルメット、カラビナ等の装備を整え、アルプスの山行と同様のアンザイレンを結んで進んでいくことにしました。私はこの日はフリーで見物人です。
 ▲ロープの連結   ▲連結後のパートナーチェック  ▲ 余分なロープの携行
  ▲いよいよ出発します   ▲さあ行こう
  ▲リードがスタート…ここではロープを送るだけ   ▲上のビレイポイントについたらロープアップ   ▲デバイスにロープをセット
  ▲どうぞ…フォローを促す   ▲フォローは登っていきます   ▲ビレイポイントに到着
彼らの要求は「夫が滑落した場合、妻がロープを安全にほどき山小屋などへの救助に走れる状態のロープ操作が知りたい」でした。わずかな箇所であっても「ツルベ方式」でリードを交互に行う練習をしました。クライマー夫婦は既に知識は豊富なのですが「念のため」がモットーなので真剣に取り組んでいるのがとても好印象的でした。サメ岩で休憩しつつ大木を利用して滑落した場合の脱出方法を何度も、何度も練習しました。
何やら賑やかになって来たので振り向くと大勢の人だかり・・・中には、きちんとヘルメットをかぶっている高齢者グループもいました。「どこかへいかれるのですか?」と尋ねると「夏山のトレーニングです」とのこと。ヘルメット被ってなかなか心構えの良い団体です。トレイルランのグループも10人ほどいました。腰に小さなウエストポーチを付けて半袖に短パン、ランニングシューズで水の中をジャボジャボと入って行かれました。(登山靴の中は濡らさぬようにって講習中なんだけど・・・目的が違うと行動も違ってきますネ)サメ岩での練習を終えて一枚岩に差し掛かったところで渋滞を起こしていました。 
▲サメ岩は休憩者でいっぱいです ▲リードが滑落したとき 
▲ リードが滑落したとき、ビレーヤーに掛かる荷重を抜いてフリーになる方法をチェックします
 ▲一枚岩は渋滞を起こしています。多くの人が這って登っていました。
先発した団体が水量に足がすくみ立ち往生している様子です。リーダーらしき人が手を掛ける場所、足を置く場所を指導していましたが安全のためロープをかけてプルージックで登れば本番で役にたつのになぁと思って見ていました。(上から人が降ってきそうで続いて登る気はしませんでした。見ててコワカッタデス)
人の流れが途絶えるのを待って、プルージック操作の練習をしました。雪渓などで怖い・・と思ったらロープを出して安全な通過時にとても役立ちます。足場の悪いところでの支点の取り方、支点の立木が無い場合は岩に巻き付ける方法、ビレイの仕方等々、傍で見ているだけでも、とても勉強になりました。
 ▲一枚岩の傾斜が怖くて這いつくばる登山者  ▲ロープを上の木に結びに登ります
  ▲上部の木に支点を取ります   ▲フィックスロープにプルージックを巻いて安全策を講じます
  ▲安心して登っていきます   ▲少しでもきつい壁を練習のために登っていきます
▼▼▼A懸垂岩▼▼▼
  ▲岩壁を触ると火傷しそうな熱さです   ▲懸垂下降も久しぶりです
師匠とクライマーさんがA懸岩を見上げて「登る?暑いからやめとく?」そんな会話をしている間に、姫は、ちゃっかりクライミングシューズに履き替えていました。
何や・・・登りたいんや~!みんなで1本づつ登ろうかと言うことになり、炎天下ではありましたが無理のない範囲で登攀することにしました。久しぶりにロープを触りました。支点を構築するのに1本登り、上で待てと言う師匠の声でしたがとても暑くて待っておれません。すぐに懸垂で下降し、順番に1本づつ登りました。支点解除のためにもう一度登り・・・と言うことは2度懸垂下降ができたと言うことです。キャハハハ楽しかったわぁ!
しかし岩は灼熱の太陽を浴びて火傷をするのではないかと言うほど熱を帯びていました。夏場のクライミングは岩場に木陰があるゲレンデを選んだ方がよさそうです。私達は早朝でしたのでギラギラの太陽が出るころには下山していました。
暑かったけど充実してました。
▼▼▼▼▼  プルージックについて簡単に記しておきます ▼▼▼▼▼ 
改めて詳しく紹介させていただきます 
 ●ひめの感想
クライミングっていつしたんだろうか?と思い出せないほどに遠のいていました。山中の岩場で「危険通過が出来れば」と言うことでクライミングを学びました。決して難しい岩場を這いずり回るのではありません。年相応に楽しくクライミングが出来れば最高です。距離は長くなくても垂直に快適にスピーディに懸垂が出来れば満足です。クライマー夫妻は近い将来「ゴジラの背」を目指しておられるらしいですが今回のトレーニングが役立ち楽しい山行が出来ることを祈っています。ロープを携行していただいたからこそ実現できた大好きな懸垂下降でした。
 文:美智子姫00