姫路市の南西部 荒川山塊 鬢櫛山・籾取山・苫編山 2018.06.05

 
播磨の山々 荒川山塊を尋ねて  「山は標高で判断するべからず」の巻
播磨高岡駅09:30→鬢櫛山10:14→籾取山10:34→苫編山12:08→山崎登山口ゴール13:04
大普賢岳に登って以来、山らしい山に登っていないことに気が付きました(本当はずーっと前から気付いていたのですが・・・色々雑用が多くて・・笑)
入梅前に山に行こうということで急きょ決まりました。夕方には雨が降るとの予想のため阪神電車淀川駅を午前7時30分に集合しました。
姫路市の南西部、夢前川左岸に南北4kmほどの独立した山塊が存在し、その名前を荒川山塊というそうです。標高は低く最高標高地点でも200mしかありませんが、姫路市街地が一望に見渡せ、姫路城も見えて素晴らしい展望が広がり、岩場の多い登山道で興奮しました。
たかだか200mに満たない山ばかりでしたが頂上を登っては降りて、降りては登ってを3回も繰り返しました。ああしんど・・が本音です。
JR姫路駅からJR姫新線に乗り換えて播磨高岡駅で下車しました。姫路駅からわずか3分(1駅)で到着です。ローカル電車はワンマンカーで前のドアしか開閉しません。とても遠くに来た気がしました。午前9時30分頃に歩き始めたと思います。登山道の表示も何もありませんが巡視路入口から登山開始です。ほぼ鉄塔の下を歩く恰好になります。 
 ▲もう100mも歩いたしレーションをたべようか…トウモロコシ  ▲送電塔
ところどころに、かまぼこ板くらいの小さな手書きの看板が掛けられています。まずは鬢櫛山(びんぐしやま186m)に向けスタートしました。いきなりの登りです。立派な鉄の梯子が掛かっていました。送電線のメンテナンスに利用するための梯子の様です。途中に一輪の笹ユリが「よく来たなぁ!」と言いたげに咲いていました。岩場が目の前に顔を出して元気が出ました。「手を使うな!靴底全部つけて歩け!」と正しい山の歩き方の復習をしながら登って行きました。振り向くと姫路の町がとてもよく見えます。遠くに見えているのは淡路島だと思います。あれは家島かなあ。あっ姫路城も小さく見えています。
▲姫路の街並み
▲鬢櫛山
▲岩尾根を楽しむ
▲籾取山 
▲山田峠 ▲縦走路から見た夢前川一帯の町
▲旧陸軍省の標石を確認
登山者も少なくて(出会ったのは、たったひとり)とても静かなコースでした。この日の天気は夕方から雨の予報なので風もなく日も照らずで蒸し暑い山行となりました。「たまにはゆっくり登山もいいね」と話ながら次なる山、籾取山(もみとりやま200m)に到着しました。途中に「伏見宮貞愛親王殿」の碑がありました。何故こんなところにと不思議に思って通過しました。このコースは鉄塔の下を通過するコースと言っても過言ではなく「西日本新姫路線4」の鉄塔の下で大きなすり鉢の様な岩のくぼみを利用して早々と弁当を広げることにしました。反対コースから歩いて来たおじさんと出会い「おっ初めての登山者と出会いましたなぁ」と声を掛けて下さいました。「クモの巣が多くて往生しました」と言ってましたので心の中で(ラッキー!今から行くコース、このおじさんがクモの巣退治してくれたんや)「私達もクモの巣退治しておきましたので快適に歩けると思いますよ」と楽しい会話を交わし、私達は伯母ケ谷へと下って行きました。
 ▲伯母ヶ谷峠  ▲苫編山への途中のフィックスロープ…これに頼っては危険ですね
ここからは想像を絶する程、きつくて、しんどくて、辛い登りとなりました。苫縞山(とまみやま166m)に向けてハアハアゼエゼエと息を切らして登ることになりました。「きっついなぁ!先行って~!頂上に着いたら教えて~」と今まで先頭を歩いていた姫がスピードダウンしました。しばらくするとジョンの「着いたどぉ~」の声が聞こえて元気回復。「山は標高で判断したらあかんなぁ・・・200mと言えども、めっちゃしんどいなぁ」と、長い休憩タイム。レーションはパイナップル。酸っぱくて、それでいて甘くて疲れが一気に吹っ飛びました。重くても果物は元気の出る薬だわ!見晴らしの良い苫編山からは姫路城が白く美しく見えています。 
▲苫編山山頂から見た瀬戸内方面(左)と姫路城
▲苫編山山頂から南に下る途中の岩尾根
ここにきて初めて正式の大きな看板を見つけました。「山崎登山口まで900m」と書いてありました。下っていると くちなしの花が2輪咲いていました。山の花ではないと思うのですが民家から移住してきたみたいです。鼻を傍に付けるといい匂いがしていました。
▲くちなしの花
▲城之台の碑 ▲山崎配水塔 ▲本徳寺
まもなくすると大きな貯水塔のところに到着しました。ベンチが置いてあったので「最後の休憩をしよう」と腰を下ろして、きつかった鬢櫛山、鬢櫛山、苫縞山を思い浮かべて「3000mの山も200mの山も基本は変わらへんなぁ」と独立した荒川山塊に敬意を表し、最後の下りをスタートさせました。
▲本徳寺境内
 大規模な墓地が左側見えてきて、近道の様なので、その中を通過することにしました。本来の登山道は右側を下っていくみたいです。寺の山門前に出てゴールとしました。街中をしばらく歩くとJR英賀保駅(あがほ)が見えて来ました。駅前でゴールの記念写真を撮る間もなく電車が来ましたので飛び乗りました。姫路駅でも新快速が発車寸前で飛び乗りあわただしくも順調な登山を楽しみました。
▲駅近くの西蓮寺の瓦 ▲JR山陽本線 英賀保駅
  感   想
 ●ひ め
街からすぐ近くなのに、きついアップダウンや岩場もあって、なかなかおもしろかったです。アルプスへのトレーニングにも最適なコースだと思います。ただ大阪からは遠いので運賃が思いの外、かかり度々は訪れることは出来ないと思いました。芦屋川から地獄谷で充分トレーニングできます。しかし一度は行っておかないとね。話のタネにならないですからね。
 ●JON
ゆっくりあるいて。景色を楽しんで。岩稜帯の歩き方やスラブの登り方を再確認、年寄りにはいいコースです。また花々が少しだけ残りルートに色付けをしていました。尾根筋を歩いていても町の学校の生徒の声が聞こえましたが心地よい声で、低山ならではのハイキングが楽しめました。
 文:美智子姫00