「日本百名山探訪 東北・上越の山 大朝日岳」
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●第1日目(10月7日・水曜日) 晴れ 大朝日岳
古寺鉱泉登山口-古寺山-小朝日岳-大朝日岳…往復登山
宇都宮チームと10月に飯豊山登山を一緒にする約束をしました。
その前に大朝日岳に登っておこうと10月6日の夕方出発し、山形県古寺町にある「古寺鉱泉駐車場」を目指して出発しました。途中3回ほどの休憩を取りながら午前8時には目的地に到着です。「ナビは便利でエエなぁ。どんなところにも正確に連れててってくれる」大阪から休憩も含めて約13時間の長い距離を走り続けましたが疲れはほとんどありませんでした。移動だけのつもりでしたが天気も良く「このまま登る?」「山の天気は変わりやすいから晴れているチャンスを逃さないでおこう!」急きょ、山中泊の予定でテントを担ぎ出発準備に取り掛かりました。
朝日岳は、山形県と新潟県の県境上、朝日山地の南部にある山塊である。主峰の大朝日岳(標高1,870m)は県境ではなく山形県に属する。その他北東に小朝日岳(標高1,648m)、北西の県境上に西朝日岳(標高1,814m)がある。北の出羽三山、南の飯豊連峰とともに磐梯朝日国立公園に含まれる。朝日という山の名は日本に十数座あるが「朝日連峰」といえばこの山のことを指すようです。
タイムスケジュール
古寺鉱泉登山口 08:45
ハナヌキ峰分岐 10:25
三沢清水 11:10
古寺山 11:40
小朝日岳  12:30
12:40
銀玉水 13:50
大朝日岳  14:40
15:30
大朝日小屋 (泊) 15:50
大朝日小屋出発 07:00
古寺鉱泉登山口 11:40
大朝日岳の自然林はブナの大木がおおくて色もきれいでした。
資料を紐解いてみたら「地元の小学生がこのルートを日帰りで、大朝日岳までいって帰ってきます」と書いてありました。励ましの言葉として受け止めて、「さあ!出発しましょうか」と重いザックを担ぐと隣に若いトレイルランナーが小さなザックを背中にチョコンと乗せ日帰りで行ってくると言います。若いって素晴らしい!
出発してすぐ正面にある木橋を渡り右へ行くと大朝日岳への登山道、直進すると鳥原小屋を経由して大朝日岳へ行くことができます。私達は小屋の横から登って行きました。いきなりのきつい道ですがチラホラと紅葉が伺え秋の日差しの中を気分よく登って行くことができました。尾根に取り付いて20分、高度を上げるとブナの大木が美しく色づいています。わずかづつ高度を上げるごとに色づいた枝が増え赤い葉が混じってきました。露出した木の根を踏みゆっくりと登って行きます。
背中の荷物は万が一避難小屋が満員ならばを考えてテントが入っているため約15㎏、徐々に肩に食い込んできます。空は青く、白く、浮かぶ雲も素敵なコントラストを醸し出しています。急な坂の途中で振り返ると遠くには月山、鳥海山、そのほか名はわかりませんが美しい山々が連なっています。「うわ~っ!」感嘆の声の連続です。

更に進むと山行タイム2時間15分のところにある「ハナヌキ分岐」に到着です。時計を見ると何と1時間45分で到着したことになります。何故だかわかりませんが早いぞ!快調!快調! 
ここから古寺山を越えて小朝日岳へと進みます。歩き始めてまもなくゴロゴロ石の沢状態の登山道のきついこと、きついこと、一歩上がる毎に休みたい心境です。少し道が緩くなってくるとやっと古寺山(1501m)に到着です。目前に小朝日岳と右手奥にある大朝日岳の山容が飛び込んできます。最高の景色です。

古寺山からはザレた道をダラダラと下り、コルまで降りると、いよいよ小朝日岳への急登がはじまります。無言で歩を進めて、ふと振り返る毎に黄色く色づいた古寺山が美しく見えています。古寺山の山頂でラーメンを美味しそうに食べていた青年と言葉を交わしましたが日帰り山行で、どうも大朝日岳の山頂を踏むのは時間的に厳しい。小朝日岳まで行き引き返すかどうか判断するとの事でした。 
古寺山から見た小朝日岳 
古寺山から見た大朝日岳 
近道分岐 古寺山 ナナカマド
 小朝日岳山頂 小朝日岳山頂から見た大朝日岳
近道分岐   
きつい小朝日岳への登りが始まります。大朝日岳へのトラバース道を右に分けていよいよ最後の胸八丁を登り切って小朝日岳山頂に到着です。小朝日岳には3人の登山者が休憩をしていました。私達もパンと羊羹と紅茶で簡単な昼食を取りました。

ここから大朝日岳の景色は最高です。この日に泊まる小屋もハッキリと見えてきました。しばらく風景を楽しんでいると古寺山で言葉を交わした青年が追いついてきました。ここから頂上まで2時間かかるためやむなく山頂を踏むことを諦めて引き返して行きました。後ろ姿が寂しげでした。

小朝日岳から転がり落ちるように下って行きトラバース道の分岐を進みコルまで行くと、いよいよ尾根歩きがはじまります。このあたりの景色はまさに紅葉真っ盛り!振り返ると小朝日岳の南面の岩壁が赤く染まって最高にきれいです。
小朝日岳西壁の紅葉
小朝日を振り返りながら最後の水場「銀玉水」で水を補給しました。ここから15分ほどで小屋に到着です。

小屋に入りチェックインを済ませ山頂まで行くことにしました。管理人さんが「そのままでは山頂は寒いですよ」と言ったので防寒対策を取り、空身で山頂に登りました。いきなり重いザックから解放されたので風が吹けば浮いて行きそうな気がします。山頂に向かう途中で団体らしき若いグループと出会いました。どの顔も寒そうです。しかし意外と山頂では寒さを感じることはなく360度の大パノラマを堪能しました。 
小屋に戻ると2階の部屋を案内されました。先ほどすれ違った若者のグループが思い思いに食事の用意をしています。混雑しているとまではいきませんが、ほどほどに利用者がいる様子です。

午後4時を過ぎると中高年の5人グループが隣にやってきました。大きなザックには酒や鍋の材料が詰まっており、どうも宴会目的を楽しむ様で早々と車座になったかと思うと酒宴が始まりました。ニンニクの匂いがプ~ン・・・地元の人たちの様子で、この時期には恒例で紅葉を楽しみに小屋にやってくる様子でした。あれほどに賑やかに宴を盛り上げていましたが午後8時になるとピタリと静かになりました。
「お見事!」
★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 ●第2日目(10月8日・木曜日) 小雨のち晴れ 大朝日岳から下山
     
深夜12時ごろ風音で目を覚ましました。山頂にある小屋のため止むを得ないですが凄い風です。また、うとうとし、午前5時だと言うのに誰も出発しようとしません。昨夜、朝4時に起きて鳥原コースを下ると話していた人達もまだ寝ています。私達は午前7時の出発予定で銀玉水まで下り洗顔を済ませ朝食を取る予定でしたが、あまりの強風に無理と判断し小屋の中でパンとシチューと紅茶の朝食を済ませました。

午前6時30分出発準備完了です。周囲を見回しても、誰も動こうとはしていません。小屋のドアを開けると物凄い強風です。悪沢岳で遭遇した風など足元にも及びません。小屋の外では帽子を飛ばされたおじさんが帽子を拾おうとした瞬間、バランスを崩し、おじさんも飛ばされ転倒してしまいました。風の怖さを目の当たりにしました。 
 
  小朝日岳を回避するトラバース道 
 トラバース道  青い服の人は小朝日岳へ草色の人は回避した人
風と闘うようにしながら登って来た道を下り銀玉水で水を補給し下っているとポツポツと小雨が降り始めました。岩の谷間で風を避けながら雨具を着てシュリンゲでアンザイレンをしながら下って行きました。アンザイレンをすると心なしか安心感があります。コルに到着です。帰りはトラバース道に入りわずかなアップダウンもあり道もぬかるんでいて、とても歩きにくかったです。風音はゴォゴォと音をたててはいましたが太陽がさしてきて雨具を脱いでいると後続の青年が一声かけて通り過ぎて行きました。(若い人は足が速いっ!)
風も弱まったためアンザイレン解除。小朝日岳分岐に到着です。ここで一人の婦人と出会いました。3人の山行らしいのですが2人が小朝日岳へ、自分はトラバース道を歩いたらしく、ほかの2人を待つことなくどんどん下って行きました。古寺山山頂で「あとの2人を待たなくていいんですか?」と声を掛けると「大丈夫!」と言い切り、さっさと降りていきました。結局駐車場では寒い中、車のカギを持つ2人が戻るまで待つこととなりました。何のために3人で来たんだろう?よしんば途中で別行動を取ったとしてもポイント、ポイントで確認し合いながら合流するのが当たり前だと思うのは私達だけでしょうか。 
 古寺山まで帰ってきました 三沢清水まで帰ってきました  日暮沢との分岐 
 いろいろな古木を楽しむことが出来ました 帰ってきました古寺鉱泉登山口へ 
古寺鉱泉まで戻り日帰り入浴を申し出ましたが「日帰り入浴はやっていません」と、ケンモホロロあっさりと断られてしまいました。いろいろありましたが午前11時40分には、駐車場にゴールです。帰り支度をして途中にある温泉を探し汗と疲れを流しました。翌日が移動日なのでのんびりとお湯につかることができました。 
(地元の人とのほのぼの交流)
温泉場を見つけ入浴料400円と安いため、ひょっとして石鹸がついてないかもと受付でたずねると「石鹸はついているがシャンプー・リンスはついていません」との事。シャンプー・リンスは車にあるのですが、車まで取りに戻る気もなかったためそのまま中にはいりました。湯船の中は空いていて、洗い場も全部空いているのに私の隣にピタリとくっついてきたおばあさんがいました。「あのぉシャンプー持ってないべ?▽◇○×※♪・・・」方言が聞き取りにくかったのですが、通訳すると私が受付でシャンフーを持っていなくて困っている様子を見かねて自分のシャンプー・リンスを使いなさいと言ってくれている様子でした。お言葉に甘えて借りたお礼に、おばあさんの背中を流させてもらいました。この背中の面積の広いこと・・・広いこと(大笑)ほっこりとした温もりのある地元の人とのふれあいは旅の宝物です。この日の夜は道の駅・田沢「なごみ」で車中泊です。
 あゆ茶屋 おしながき   簗場
 日本一の簗場 鮎定食 
 ★★★★★★★★★★★★★★★★★★
 ●第3日目(10月9日・金曜日)曇りのち晴れ 移動日
大朝日岳から下山後、道の駅田沢「なごみ」で朝を迎えました。パン、バナナ、スープ、紅茶で朝食を済ませ山形県から福島県に入りました。空は曇りから晴れに変わっています。道路脇の広場を見つけて荷物整理です。

このまま登山口に行くのは早いため道の駅巡りをしました。どこの店もリンゴの安いこと!安いこと!右を向いてもリンゴ、左を向いてもリンゴばかりです。道の駅巡りの後は、弥平四郎・祓川登山口に向けて車を走らせましたが途中から「通行止め」で前に進めません。やむなく引き返しナビを「民宿・大阪屋0241-49-2933」にセットし、ガタゴト道の林道を走ること約4km、民宿・大阪屋らしき建物が見えてきました。さらに奥に走り続けてやっと駐車場に到着しました。日差しがきつく汗ばんできそうです。

昼ごはんの用意をしていると長岡から来たと言う男性が下山してきました。山頂の様子を伺うと「飯豊山頂上で強風とヒョウの嵐に遭い、下山できなくて予定外の本山小屋で一泊し降りてきた」と、かなり疲れた表情でした。これから長岡まで帰る気力もないため、どこかで温泉に入り車中泊をしてから帰るそうです。ご安全に!

昼ごはんの後は、まったりと青空を眺めながら、雲の流れを追っかけてお昼寝をしました。そろそろ疲れが出てくる頃です。夕ご飯を済ませてから翌日のおにぎりを作り、あとは宇都宮チームの到着を待つばかりとなりました。宇都宮チームは仕事を終えてからこちらに向かうそうですので多分、目覚めると隣に車が停まっていることでしょう。

(祓川登山口駐車場で車中泊)
 大朝日岳 飯豊山 1日目   飯豊山 2日目  飯豊山 3日目    巻機山
文:美智子姫●●