くろねこさんのレポート 
根石岳スノーシュー
距離 7.93 km
移動平均速度 2.0 km/時
全体平均速度 1.0 km/時
根石岳標高 2610 m
夏山鉱泉標高 2043 m
総上昇量 1198 m
総下降量 1198 m
感想文なのか何なのか変ですが、約束のメールです。
切るなり消すなり、どうぞ自由に編集していただけたら幸いです。

姫さんの山行記、素晴らしいこと!!
全てを詳しく楽しく網羅し最高の出来栄えですね。加えて、オリオンさん皆さんの楽しく美しい写真、いいね〜〜!
JONさまの編集効果あっての立派な記録作品、いいわぁ。あの時を振り返りつつ思い出の追加となりましたね。
ところでわたし、「書いて!」と云われ「順番やしな〜・・・」と、書いては見たものの、ボツ以外にない駄作でトホホでありました。捨ててよ。
くろねこさん
先ずは、リーダーJONさまに感謝とお礼を言わなければ。
豊富な体験技術、細心の気配り采配あっての、今回の大成功ありがとうがざいました。
「大丈夫ですか?」「だいじょうぶで〜す」
「ゆっくりゆっくり登りましょ 急いだらバテます・・・」 あたたかな信頼で結ばれていましたよね。脱落することなく、無事「根石岳山頂踏破」、みんなで感動を共有でき幸運でした。
予定になってた「らくらくコース」
ぽち隊長、以下よしえちゃん、くろねこは、すっかりそのつもりでのスタートでありましたが・・・
意外な展開。リーダーの最終決断下る。「らくらく組 解散 全員で根石をめざせ・・・」少々の衝撃ではありましたが、「よっしゃ〜行こっ!」の覚悟もネ。
元気なぽちさんを、バァちゃん組に引きずり込むなんてイカンわ、登頂への夢断念せざるを得ない危機、クリアしたいの。
その願いもがんばりにつながり、うれしい勝利のやったーまん。至福の満足得ました〜。 
「う・る・せ・え・な」事件
「みかんコロコロ事件」でもいいけど。
多賀インター出発直後、車内前方の座席あたりかでなにやら賑やか・・・
「ちょうど、みかん食べたかってん!」 「なんやろ、神の賜りもんやろか?」 「だれの?」 などなど・・・盛り上がっててネ みんなで分け分けしてお口に!!
と、その時でした 天から声の下る「チョットぉ・静かにぃ!!!」 とほほのぐさりでありました。
元はといえば、わたしの手から転げ落ちたみかんチャン「あれっどこへ?」 行方不明になってたこともすっかり忘却でしたがね。ひょっこりと誰かの足元に出現!お騒がせ!
一件落着か、いや、「ゴメ〜ン!!」でしたわっ。
もちろんのこと、スノーシュー・八ヶ岳連峰・南北中央アルプス・・・白銀輝く峰々絶景でしたとも。
また再訪の時はあるだろうか・・・
 
 
  くろねこさんお疲れ様でした。
 風のきつい根石岳でしたが、いろいろな思い出が残せてよかったですね。
雪山は天気さえ良ければ夏山より楽ですし、楽しめます。
体力にあった山行を続けていけば、まだまだ雪山大丈夫ですよ。頑張りましょう…ね。
根石岳山頂でのくろねこさん 
参加者の感想
今年マイスノーシュー2回目の参加。移動日は残念ながら雨降り・・・でもメインの登山日はテルテル坊主のおかげで青空最高のスノーシュー登山になりました。根石岳の強風は、坊がつる登山の強風を思い出し、あの時経験した訓練で自信を持って一歩一歩登ることができました。次回の山も楽しみにしています。鉱泉のオーナー、スタッフのおもてなしに感動!
 かめちゃん
数年ぶりのスノーシューに今年は3回も行けて、毎回天気もよく大満足の年でした。
 ちえちゃん
雨で心配していた根石岳スノーシューも当日は好天気に恵まれ快適に歩くことができうれしかったです。今回参加したかったのは、夏沢鉱泉にどうしても行きたかったからです。以前に赤岳鉱泉より、南八ヶ岳と2年前に、北八ヶ岳と本沢温泉に行ったのでどうしても夏沢鉱泉が立ち寄れなかったのが気になっていたので今回は本当によかったです。山小屋も素敵で、食事もお部屋もよかったです。ありがとうございました。
 かをりちゃん
楽々コースの隊長を拝命していましたが出番がなくて何よりでした。みんな同じパワーで八ヶ岳名物「強風の根石岳」の頂上を踏めたこと、全員無事に下山できたことが今回印象に残る出来事でした。
 ポッチー
根石岳へのスノーシュートレッキングの日は天候に恵まれて、参加者全員で登頂出来たことがうれしいです。初めて乗った雪上車も旅館に近い山小屋の心遣いの「湯たんぽ」も楽しい思い出になりました。又、皆さんに後押しされて最後まで完歩した、よし枝の努力もうれしいひとつです。ありがとうございました。
 淳ちゃん
 久しぶりにやまたびの皆さんにお会いできて本当にうれしかったです。足の悪いのに、ずうずうしく参加させて頂きご心配をおかけ致しました。好天に恵まれ登頂できましたのは、皆様のおかげです。本当にありがとうございました。
よし枝ちゃん
忙しくて参加を迷いましたが度々のお誘いで参加してとてもよかった。根石岳も天候に恵まれ尻スキーも最高でした。この頃また足がよく攣る様になって、ちょっと困っていますが皆さんに助けて貰い乍ら少しペースを落としたら歩くと大丈夫だったのでとても嬉しかったです。足が攣らなくなるトレーニング方法があったら教えて下さい。
 きくちゃん
今年2回目のスノーシュー。今回3日間存分に楽しもうとの参加なのに暖冬の影響か、行きと帰りの雨・・・雪だといいのにね・・・中1日は天候に恵まれアルプスの山々を見渡しダテカンバ、シラビソの木々の中をスノシュー・ソリで十二分に楽みました。ありがとうございました。
 やっちゃん
 雨の中の山行と思っていたのに日々の行いが良いのか、姫の「テルテル坊主」が願いを聞き届けてくれたのか気持ちの良い山行でした。根石岳は耳の鼓膜が破れそうな強風の中、カラビナスルーでアンザイレンをしての登山、とてもスリリングでした。あの強風のコルに群生すると言うコマクサが満開の頃や、しゃくなげの咲く頃に、また夏沢鉱泉に行きたいね。
 うららさん
 雨の合間を縫う奇跡のような晴山!仙丈のリベンジがかなった。箕冠山を下りたコルの風の強さよ。思わず身をかがめる。根石岳頂上からの展望は、これからの「やまたび」の語り草になるだろう。

「突風を くぐりて清(すが)し 雪の峰々」
 サスケさん
  「よし、よし、よし、ばかりの夏沢鉱泉」
風呂よし、湯たんぽよし、お布団よし、スタッフよし、元気であと何年参加できるかと思うと、お誘いの声がかかったら、何が何でも
「行ける時に行こっと!」と思う年代になりました。仲間達みんなが同じ様に華麗に年を重ねていけば「それなりの山行」ができると思います。だってリーダーも、同じ様に年老いていけば、そんなむずかしい山はヒィヒィハァハァ となるはずです。いつ声がかかっても良いように日々のトレーニングをしておきましょうね。
 姫
 ジョンのまとめ 
「横岳の稜線をゆっくりと時間をかけてやればいいのだ」
彼はひとりごとをいって、大タルミの方へ向かって歩き出した。突風が彼を襲ったのはその時だった。突然、空気中の一点で大爆発でも起こって、その爆風に飛ばされたように、彼の身体は軽く飛ばされ、雪の上を転がった。気がついたときには、突風はやみ、一定風速の西風が吹いていた。風につきとばされたという感じだった。眼には見えないなにかが、どこかにいて、足をすくったように思われた。どこも怪我はなかったし、痛いということはなかったが、加藤は、驚きと、冬山への畏怖と、わずかばかりの疑惑の中に立ちすくんでいた。吹きとばされ、雪の上をころがされたにかかわらず、ピッケルで身体を止めることもできなかった。それを考えると、自分がなさけなくもあった。…………………………………………

この夏沢鉱泉、硫黄岳の一説は、新田二郎著 「孤高の人(上)」 の第二章・展 望 に著されている。
昭和3年12月31日、主人公、加藤文太郎は国鉄・茅野駅に降り、上槻ノ木から夏沢鉱泉に入り、ここで元日を迎え硫黄岳に登っている。この時、風の強さに驚いた様子が冒頭の一説である。
八ヶ岳の風の強さは岳人の間では語り草になっている。今回の根石岳スノーシュートレッキングを実施するにあたり一番気になっていたのは根石岳のコルの強風だった。ここは西風が強く、しかもコルの東側が切れ落ちている。ピッケルが使えず、滑落停止も耐風姿勢もとれないスノーシューウオーカーは風に転がされたとき対応できないと判断し風が強すぎるときは箕冠山で引き返せばよいと考えていた。しかしそこまで行って判断に迷うときのためを思ってザイルを用意、サスケさん所有の9.4mm×30mのザイルを携行してもらった。これでアンザイレンをすれば谷底に吹き飛ばされることは無いだろう。
箕冠山が近づくにつれて木々が大きく揺れるようになってきた。振り返って硫黄岳の山腹に眼をやると雪煙りがたっているように見える。とにかく箕冠山の山頂に着いてから判断しようと考え、そのまま歩をすすめた。
風は音をたてて通り過ぎていく、木々の揺れから見ると風速20m弱はありはしないだろうか、風速20mの風は思うように動けないもののどうにもならない強さではない。しかしその中にあって瞬間最大風速は30mを越えることもあると聞く。全員谷底に吹き飛ばされることは無いだろうが、一人でも飛ばされたら大変なことである。引き返すべきかどうか自問自答したうえで、アンザイレンでコルの通過をすることを決断した。
風は時折息をするように穏やかになり、また強く吹いていた。突風が吹く前は一瞬穏やかになりそして思わぬ強い風が吹くものだそうだが、今日は強弱一定の周期で吹いているように感じる。大丈夫と判断して進んでいくことにした。
コルに降りると案の定、強風が吹いていた。サスケさんをトップ、姫をラストにして11名を間に入れ、カラビナスルーでアンザイレンをしてコルに入っていった。ジョンは緊急時に対応しやすいようにフリーで側面に付いた。強風に立ち止まらされ、押し戻され、よろけさせられながらも進んでいった。そして根石岳登頂、岩陰に身を潜めるようにして風を避け、八ヶ岳の展望を楽しんだ。北側には東天狗岳と西天狗岳、その間に蓼科山が白い頂をのぞかせている。
南に目をやれば、どーんと硫黄岳の山塊、その東側は大きく切れ落ちる爆裂火口。その後ろには八ケ岳の盟主赤岳が聳え中岳、阿弥陀岳を従えている。西南の方向に眼をやると、北岳、甲斐駒ケ岳、仙丈ケ岳がくっきりと浮かんでいる。さらにその奥に赤石山脈の山々、西側には飛騨山脈に乗鞍岳、御岳山の山容。このひと時は強風の恐ろしさをも忘れさせてくれるほど、実にすばらしい展望だった。

山頂で素敵な展望を楽しんだ後は、再び風のきついコルに降り箕冠山へと引き返す。往路よりは幾分風が弱まったような感じがする。箕冠山の上は周囲を樹木に覆われており穏やか。ここでレーションと水分を補給して夏沢峠へと下る。下り始めは硫黄岳右手に見ながら東を向いていくのだがやがて右に折れるようになる。ここらでトレースが無くなり、マークも見落としてしまう。グリーンロープも雪に埋もれているようだ。
「みんなでテープを探して」メンバーに協力を得る。僅かな時間で「あそこにあるよ」女性の声で返事が帰ってきた。「ありがとう。了解しました」マークは北側のぎりぎりのところについていた。切れ落ちているところを避けるため自然に中に入っているのが見落としの原因だった。
あとはただ下るのみ。正面に硫黄岳の山腹や爆裂火口に目をやりながら夏沢峠に到着。
少々風があるがヒュッテ夏沢のテラスらしき所で昼食。
下る途中時間も早いし、天気も良いので、オーレン小屋の側で地図の読み方と一人座位の雪洞堀り体験、尻ソリも楽しんで夏沢鉱泉に辿り着きました。全員同じ目的を達することが出来てよかったです。まずは一安心。
最終日茅野駅まで送っていただく道すがら、送迎車両の運転をしていた、夏沢鉱泉のスタッフ・愛称『ムッシュ』さんが 「根石のコルの強風は八ヶ岳一番キツイかも知れないですね」 と話しておられたのが、今尚心の片隅に残っている。 たぶん生涯忘れることは無い。


写真&GPSデータ:鹿島秀元さん