Yamatabi club | ||
2009.10.11〜12 | ||
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12日、午前1時、案の定、目覚めたジョンが 「お〜っ寒い、寒くないか?」 「寒いねぇ」 「火炊こうか」 と寒さに耐えられなくなりテントの中でコンロに火をつけ暖を取ることにしました。隣のサスケテントもジッパーを降ろす音が聞こえており寒さ対策をしているように聞こえました。「我れ関せず」で眠り続けたいたのはポチだけ!そんなわけで午前4時過ぎには朝食用のお粥の準備に取りかかり午前5時には朝食タイムとなりました。テントの外に置いていた鍋の水は薄い氷が張り、いかに寒かったを物語っていました。テント場では暗闇の中でテントを撤収し出発するグループも沢山いましたが我々は夜の明けるのを待ってテントを撤収し鳳凰三山のひとつ「地蔵岳」にむけて出発することにしました。午前6時です。 |
テント場に朝陽が射します | 木々も眠りから覚めて | 私達も出発です |
今日は食材が減ったけどまだ11kgはあるよ | 気合を入れて出発です | 樹林帯を抜けると長いザレ場が続きます |
こんなに長い霜柱 | 地蔵岳が見えてきます | オベリスクもはっきりと |
最後の一登り | 北側に拡がる雲海 | 地蔵岳の基部に到着 |
地蔵岳のオベリスクが迎えてくれます |
もうすでに、朝日を浴びた地蔵岳オベリスクに向けてアリの様に長蛇の列が続いていました。テント場からおよそ1時間30分ほどで最初の山「地蔵岳」(2764メートル)に到着です。岩の間から最初に目に飛び込んできたのは、この夏に駒津峰で登頂を断念した甲斐駒ケ岳です。花崗岩の山頂がくっきりと浮かんでいます。 基部にリュックをデポし、白砂に立つ岩の剣「地蔵岳オベリスク」に登ると別世界の様な展望が開け、雪をかぶる富士山がハッキリと真正面に見えました。北岳の山塊はバットレスを従えています。槍ヶ岳、甲斐駒、仙丈岳などが見え、八ヶ岳連峰の全容とその奥に浅間山が見えます。 |
地蔵岳の基部で目に飛び込んでくる東駒ケ岳 | 背後には富士山が浮かぶ | いろいろな造形美を楽しませてくれる |
八ヶ岳連峰もくっきりと | 赤抜沢ノ頭の向こうに北岳 | 観音岳の肩に富士 |
賽の河原 |
観音岳の登りから見る地蔵岳 | 本邦第二位の高嶺 「北岳」 |
感動のひとときを過ごすことができました。地蔵岳オベリスクの最高峰には残置ロープが数本かかっていましたがクライミング装備がないためオベリスク頂上は踏みませんでした。 神秘的な賽の河原を経て2つ目の山「観音岳」(2840.4メートル)に向かいます。景色が良すぎて、すぐ足が止まり、なかなか予定時間通りには進みません。観音岳へは岩稜帯を通過する時はクライミングを学んでいて良かったと思う瞬間です。不安定な足場も楽々と進むことができました。観音岳は鳳凰三山の中では最高峰で景観も素晴らしく、なかなかその場を去ることができませんでした。うながされる様にして3つ目の山「薬師岳」(2780メートル)に向けて、ハイマツの中を抜け絶壁を通り薬師岳到着です。途中のハイマツの中で「お花畑」中に座った場所に大きなツララがぶら下がっており思わずポキッと折り「手ふき」がわりに使わせてもらいました。(ただでは起きん奴っちゃなぁ) |
観音岳を目指します | 観音岳への最後の登り | 途中こんなに大きなツララが |
観音岳の山頂にて…ポチさん | 観音岳の山頂にて…うららさん | 観音岳の山頂にて…サスケさん |
観音岳の山頂にて…姫さん | 薬師岳です | 従走路も終わりです |
薬師岳の上は台地です | 薬師岳山頂の標 | 御座石 |
長めの休憩をとり、いよいよ5時間をかけての下山となりますが、かなりきつい下山となりますので標準時間での下山は難しいと懸念しつつ、中道を通り、ひたすら下山することとなりました。膝への負担を軽減するためにストックの使用を義務付けました。テントの荷物は朝露に濡れて重く肩にかかり、ゆっくりしか歩を進めることができないのです。1時間を目標に何度も休憩をとり滝の音のする当たりまで降りてきました。朝露に濡れた登山道は木の根で滑りやすくスッテンコロリンの競争みたいでした。 | ||
肩痛を起したジョンとザックを交換 | 青木鉱泉に到着 | あとは大阪に帰るのみです |
テント場を午前6時に出発してから駐車場に戻るまでの9時間、鳳凰三山を楽しみ、下りの悪路に悩み、苔むした景色に慰められ、水の音に癒され、雨にも遭わず下山の終了を告げる林道に出ました。更にまだ40分歩くのですが、懐かしい平地歩きに速度も増して「♪泣いたカラスが早〜笑ろた♪」状態で、午後3時、青木鉱泉に到着です。「入浴料千円」に目をまるめ「高すぎる〜!途中の諏訪湖サービスエリアで入ろう」と言うことになり、575円の諏訪湖サービスエリア内にある温泉で汗を流しました。風呂場の中で若い女性から声をかけられ鳳凰三山に登ってきたと話しをすると「私達もです〜」と急接近、楽しい会話が続きました。私達がテントの中で震えていた頃、小屋の中もとても寒くで眠れなかったと話しをしてくれました。諏訪湖サービスエリアでついでに夕食も済ませ、一路大阪へ向けて帰るのみとなりました。3連休の最終日ということもあり25qの渋滞に耐え、大阪にたどりついた時は日付が変わっていました。 |
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文:美智子姫 |
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