本年度最後の沢登りを8月29日に実施しました。最初は京都の毘沙門谷に行く予定でしたが、少々、谷筋が荒れているという情報がリーダーの所属する山岳会から入ってきました。沢レンジャー達に行き先変更を了解してもらい、あわせて、ねこちゃんの沢デビューと言うこともあり、今回は比良の獅子ケ谷に決定した次第です。ねこちゃんとは北小松駅で合流、オリオン号とも「北小松駅9時集合」と言うことで四万十号と3パターンの出発となりました。途中の比良坂本あたりで大雨に遭い「アッチャーこれじゃあ中止やなぁ」と言いながら車を走らせて行くと北小松あたりは天気がよくて。どうも通り雨の様でした。
前回は名神が渋滞していたため四万十号は6時50分に発車しましたがス〜イ、ス〜イ状態で北小松駅に30分も早く到着してしまいました。ふと当たりに目をやると、喫茶店があり、そこでモーニングでも頂きながら待つことにしました。
「モーニング3つお願いします」「時間がかかりますよ」まあ、ねこちゃん到着の電車は8時50分着なので、慌てることはないと注文をして雑談をしていました。

ところが10分経っても20分経ってもモーニングは出てきません。しかし店主が時間がかかると前置きしているためキャンセルして出ていくわけに行かず「こんなに遅いと大阪ではすぐ閉店に追い込まれるなぁ」「モーニングやのうてランチになるで〜」ブツブツ小声で文句を言いながら、30分経ってやっと出てきました。
ホームにはねこちゃんの乗っている電車が到着したではありませんか。
ねこちゃんを喫茶店に誘うと、注文して出てくるまで、またまた時間が経過するため、キーを渡し車の中でオリオン号到着を待ってもらうように頼み再び喫茶店に入りました。(駅前の喫茶店は時間の無い時には利用しない方がいいよ)しばらくするとオリオン号も合流し全員が揃ったところで 「比良げんき村」駐車場にむけて出発です。涼しくなったためか前回満車状態であった駐車場には1台の車が停まっているだけです。
ミーティングで、ねこちゃんの沢デビューのサポートを全員に依頼し、着替えをすませ、いよいよ入水です。

入渓点で6月に忘れたサスケ先生のヘルメットを探しましたが見あたりませんでした。
ねこちゃん以外の沢レンジャー達は今日は自由に好きなコースを歩いてもていいことになりました。水を得た金魚の様に先輩沢レンジャー達は軽やかに水に入りました。
「お〜い.。後ろの姿が見えないほど、ぶっ飛ばすなよ!」リーダーの声が飛びます。
先頭はポチなのでどこまで守ってくれるか怪しいもんです。ねこちゃんには
「今日はキャーとか怖いは禁止用語」と言うことを伝え、水に入って貰うことにしました。
「水があまり冷たくな〜い」これがねこちゃんの第一声でした。リーダーと「これなら大丈夫」お互いが目でサインを送り合いました。おっかなびっくりの足取りが30分くらい続いた後は、いつもの様に怖がらずスムーズに進んでいるようです。
このコースは巻き道の少ない初心者も楽しむことのできる安全コースです。
いくつもの小滝を通過し最初に出会う大きな滝が楊梅ノ滝・雌滝です。ここで記念撮影。「寒くない?」「大丈夫です」早くもねこちゃんは沢デビューを楽しんでいる様子です。ここは鉄製の梯子を渡って「揚梅の滝」にでました。比良名瀑の楊梅の滝(雄滝)は40メートルの水しぶきをあげ美しく滝壷に落ちていました。ここからは登山道を利用して左に大きく巻いていきます。ふりかえるとオリオンさんの姿が見えません。記念写真を撮ってもらって三脚をリュックに仕舞うのを確認してアンカーは出発したのですが「オリオンさ〜ん」と呼べど答えが返ってきません。姫が引き返しオリオンさんを迎えに行きました。オリオンさんの声ははるか上の方で聞こえます。「登山道に戻ってきて〜」どうも違う道に迷い込んでしまったようです。
【いつも言っているように、後ろの気配を感じながら歩く。これは非常に大切なことです。今回は登山道を歩いて巻くということを安易に考えた結末だったと考えています。申し訳ありませんでした。】

←雌滝の前の岩に彫られた右手の指差し図
「落ちたら終わりや、気を付けろ」と声をかけながら高巻きをし、獅子岩をぐるりと巻き再び沢の中に入ります。沢沿いを高巻きしたり、水の中を歩いたり、写真を撮ったりと丘の上では味わえない、夏というのに汗もかかず、とにかく涼しい遡行です。自分の好きなところを歩けるのが沢歩き、先輩沢レンジャー達は確実に腕をあげていて楽しさも倍増の様です。獅子ケ谷は楊梅ノ滝・雌滝雄滝以外に大きな滝はありませんが洗濯板の様な美しい滝が多く、経験者は手を使わずに足だけで登り、初心者は沢の醍醐味を身体で味わうことのできる美しいコースです。洗濯板の様な滝を利用して全員で「沢の歩き方」講習をしました。それまでは四つん這いになっていた沢レンジャー達は講習後、見事に立って、美しく沢歩きをすることができました。
終了点が近くなると水線も細くなり歩きにくくなってきますが、「もうすぐゴール」となると惜しむように沢登りを楽しみながら、終了点の目印である
「落ちた石橋」を発見しました。ここで沢登りのゴールとなります。姫が、ねこちゃんの沢デビューを称えて胴上げをしようと言い出しました。

自宅に帰ってからメールで知ったのですが、奇しくもこの日は、ねこちゃんの○○歳のお誕生日だったそうです。
新しい歳への良い記念日となりましたね。おめでとう。お弁当を食べ、身繕いを整え、登山道を利用して下山することにしました。

車に戻り、「まだ時間も早いので温泉入って帰ろう」と言うことになり、帰り道にある温泉に立ち寄り、冷えた身体を暖め、談話室で赤木沢の集合時間や場所等の打ち合わせをしました。サスケ先生とうららちゃんにはリーダーからメール発信をしてもらうことにして全員に通達完了ということになります。ねこちゃんも、回数を重ねていると、だんだん楽しさが膨らんできます。お誘いがあれば、スケジュールが重なっていなければ、ぜひ参加をして下さいね。
今回の遡行は、沢レンジャー10号の誕生でした。

★ ねこちゃんの感想
「 ありがとう !」
みなさんのおかげで、水没しないで無事に沢デビュー出来ました。ねこが、想像していたよりも水温が冷たく感じなかった事がラッキーで、獅子ヶ谷は先輩方にとっては楽チンコースですが初心者のねこは寝言に出てくるくらい不安でしたが赤木沢に行きたいと言ってしまったのでOKが出ないと参加出来ないと頑張りましたが、赤木沢の説明を受けたので勝手にOKだと思ってます。
有難うございました
最初はみんな初心者です。
そのうち水に親しみ、岩に馴染んでくると楽しさが倍増してくるようです。獅子ケ谷は危険な箇所が少なく、初めての方にも十分楽しんでいただける沢です。
安全には十分配慮をしますが、各自気をつけていただくことが大切です。
「ここは落ちたら大変ですよ」
「はい」
その直後に落ちかけたサワレンジャーもいました。

人それぞれにレベルが違います。ロープかけてと言っていただければいつでもロープを張ります。
これからも安全にお楽しみください。
文:美智子姫 写真:鹿島秀元

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