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芦屋ゲートロックにて |
中高年の登山者でも、安全に山行をするためには、どのような状況下においても冷静な判断ができ、確実に脱出する方法を身につけておかなくてはいけません。地形図の読み方や気象に対する知識、セルフレスキューや救急救命法、岩稜帯の歩き方など学ぶべき点は数多くあるとあると思います。 こんにちの山登りはハイキングといえどもツエルトやロープ携行は必然となっております。ロープは使い方を間違えば命取りになりますので、正しい結び方、用途などを身につけておかなければなりません。どのような状況下でも確実に結べ確実に操作ができるようにトレーニングを日々しておくことが大切です。 昨年の初めからクライミングをはじめ、六甲山系の岩場でトレーニングを重ねていきました。 ゲートロックに始まり、ホワイトフェース、ブラックフェース、蓬莱峡の岩場、保塁岩、京都金毘羅山の全6回の講習でしたがこの講習中はクライミングシューズを履いてはいけないと言われていましたので、登山靴でただひたすら登り降りしました。ハーネスなども持っていなくてシュリンゲとリボンテープを使って簡易のハーネスを腰に付けけていました。 カラビナも2枚ほど、シュリンゲも2本、ヘルメットといえば工事用のもの、手袋は軍手です。 安全のために腰にロープをつけ最上部のカラビナで折り返したロープを下でビレイヤーが確保するトップロープという方法のトレーニングです。 ロープを使っての下り方にはローアーダウンとラッペルというロープに頼っての下降方法があるのですが最初は手足で登って手足で降りてくる方法です。言わば岩場を這いずり回っているような感じです。 「体を岩から離すように」 「肩越しに下をよく見て」 「手足が伸びきってはダメ」 いろいろな指示が飛んできますが応じることが出来ません。 |
簡単に見えるルートでも上りだすと1箇所は難しいところがあるもので、セミのようにへばりついて泣きたくなることもありました、恐い思いも何度もしましたし、落ちてロープにぶら下がったこともありました。でも訓練をすることは大切なことですね。回数を重ねるうちに何とか形も出来てきて楽しくなっていきました。この辺りまで来るともうやみつきです。 ゲレンデをほかに移しA懸垂岩、キャッスルウオール、岡山和気の岩場など足を延ばすようになって行きました。 |
2007年の夏は念願の剱岳にも登りました。昨年の暮からはアイゼン・ピッケルのトレーニングもはじめフロントポイントで急坂を登ることも出来るようになりました。おかげさまで雪の西穂独標にも行くことが出来たのです。登山するなら行く山に見合ったトレーニングをするのは必要不可欠です。ロッククライミングを専門的にしなさいというのではありません、オーバーハングや垂直壁を練習する必要はありません。でもアルプスに登るなら、高度感に慣れるのと岩稜帯の歩行や岩場の昇降トレーニングは必要です。 |
勿論体力つくりはそれ以上に大切です。 いつどのような事態に遭遇するかもわかりません。いかなる状況に直面しても確実に対応できるようにしてから高所登山にチャレンジしたいものです。 本番以上のトレーニングを積んだ岳人でも遭難することはあります、また思いつきで登った俄登山者でも無事に下山してこられます。 山好きの中高年のあなた、あなたならどちらをえらばれますか。 |
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