いざという時のために 019
JON登山楽講
熱中症
高温や高湿の環境下で起こる全身の熱障害を熱中症といい、症状により熱痙攣、熱疲労、体温調節機能障害を伴う熱射病に分けられます。
熱痙攣
高温の環境下で作業や運動をした時などに起こる、痛みを伴った筋肉の痙攣であり、吐き気や腹痛を伴います。 大量の発汗があるのに水分を補給しなかったり、塩分を含まない水分のみを補給したときに起こり、体温の上昇があってもわずかです。
熱疲労
高温の環境下で、ことに蒸し暑いところで、疲労感、頭痛、めまい、吐き気などの症状が認められます。 大量の発汗による脱水症状であり、汗の蒸発による熱放散が不足するために体温は上昇します。
熱射病
高温の環境下で体温調節機能が破綻した状態をいいます。異常な体温の上昇と興奮、錯乱、痙攣、昏睡などの意識障害が特徴である。発汗の停止によって皮膚は乾燥し、手当が遅れればショックや細胞・臓器障害に陥り、死亡することもあるので危険です。 <手当> ・風通しが良い日陰や冷房の効いた所に運び、衣類をゆるめて楽にします。 ・本人が楽な体位にしますが、顔面が蒼白で脈が弱いときには、足を高くした体位にします。 ・意識があり、吐き気や嘔吐などがなければ、水分補給をさせます。スポーツ飲料(塩分が含まれている)か、薄い食塩水などを飲ませます。 ・皮膚の温度が高いときには、水で全身の皮膚をぬらし、あおいで風を送り体温を下げます。 ・皮膚が冷たかったり、震えがあるときには、乾いたタオルなどで皮膚をマッサージします。 ・このような手当をしても、熱痙攣や熱疲労の症状がおさまらないときは、できるだけ早く医師の診療を受けさせます。 ・熱射病の症状があるときは、急いで医療機関に搬送します。 ・意識がないときは、一次救命処置の手順により手当を行います。
   
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