No.004 20160110
【雪庇(せっぴ)について】
雪の稜線や山頂付近で、風が一方向に吹き、風下方向にできる雪の塊のこと。放置すると、自重に負けて崩落するまで際限なく大きくなる。日本の冬には北西風が卓越するので、東向きや南向きの斜面によくできる。(添付の写真は、滋賀県西部の比良山系から琵琶湖に向かって東側に出ている雪庇です)
馬の背と呼ばれる細い尾根に見られる雪庇は、時として滑落の原因として恐れられている。登山者が尾根を歩く際、雪庇の真上にいることに気づかず踏み抜いてしまうこともあり、真上からの観察では地面と雪庇の区別は不可能とされる。風上と風下の気象条件を熟知していれば、雪庇の方向を読み取ることも可能だが、それでも完全ではない。大きな雪庇はブロック雪崩の原因になることから、定期的に除去されることがある。
平成12年3月、文部省主催 大学山岳部リーダー冬山研修会 立山・大日岳で起こった雪庇崩落事故は多くの岳人の心に残っていることでしょう。

       
文:美智子姫