「京都・大文字山」
JR:山科駅〜毘沙門堂〜倒木帯〜京都トレイル合流〜大文字山〜大文字火床〜銀閣寺門前 (ゴール)
大阪近郊の山々を歩いてほぼ1年余り、名残惜しくも広島に拠点を移すことになったとの事で思い出に残る最後の山はどこかと考えました。
「そうだっ!お別れ登山は大文字山の送り火の火床にしよう!」
夏の京都を紹介する時、必ずといって良いほど大文字山が描かれており、8月16日の五山の送り火では、「大」の文字が暗闇の中から浮かび上がり、とても幻想的な光景です。「大」の字のあのあたりに立った事があると思い出になる。しかもお昼は「すき焼き」をすると言う突拍子もない企画となりました。突拍子はいまに始まったことではなく発案してはジョンを困らせるのは朝飯前の姫の行動であります。(火気厳禁の場合は30分ほど歩いて鴨川べりまで降りればいいサ!) 
▲  JR東海道線:山科駅ホーム ▲  山科駅 ▲  駅前のモニュメント
 集合場所はJR山科駅午前9時にしました。
JR山科駅を出て京福線に沿って歩き琵琶湖疏水を渡り閑静な住宅地の中を歩きます。
▲ 琵琶湖疏水は整備・清掃期間らしく水は流れていませんでした。 ▲ 毘沙門堂への石段
サクラの開花と同時に水は脈々と流れ蹴上クルーズがスタートします。私たちはもう予約済みです。来る4月6日木曜日、大津9時15分出航のクルーズ船に乗ってこの琵琶湖疏水を下ります。
▲ 地蔵尊 ▲ 参道 ▲ 仁王門
▲ 唐門 ▲ 本殿
毘沙門堂門跡を拝観したあとは極楽橋に戻り登山口へ。その場所には、千人塚と書かれた石碑がありました。石碑の下には、その昔足利義輝が三好・松永の軍と戦って敗れ、その時の兵士達の遺骨が眠っていると書かれていました。 
途中で杉の枝が垂れており、どのくらい花粉があるのか実験することにしました。(アホやなぁ)棒切れで叩いてみると前が見えなくなるほど花粉が舞うのがわかります。その後から、ダビツトソンさんがクシャミ連発していましたが・・ひょっとして花粉症?(犯人はジョンさんで~す) 
山科からの登山道は倒木だらけで、くぐったり、またいだりと苦労の連続でしたが平坦な登山道より面白くて私は大好きです。悪路は足の置き方、ストックの付き方など自然と身に付くものです。リュックがひっかかっただの、頭を打っただの退屈をしない登りが続きました。どうにか倒木帯を抜けてやれやれと思い歩を進めていると独り歩きのお爺さんが休憩しており「山頂はもう少しですか」と尋ねてみると「まだまだ半分しか歩いておらん」と言われてガクッと疲れが増して休憩です(笑)  
汗が噴き出すほどに暑く衣類調整したり水分補給したり、まるで夏日です。先ほど出会ったお爺さんがまだ半分だと言われてから疲れが増し「山で距離を聞いてはいかんなぁ」と反省しました。
急な登りを3人共無言で登っていくと大文字山の山頂付近に差し掛かったのか人影がチラホラ見えてきました。京都トレイルとの分岐に出たみたいです。
京都トレイルの看板を確認し更に登っていくとひらけた場所が見えてきました。 「山頂に到着で~す」
▲ 大文字山の頂上広場で記念撮影だあ
 ▲ デンの記 撮影です  まずはカンパーイ
山は苦労して登るに限ります。苦労して登っただけのことはあります。京都市を一望できる良い眺めでした。天気は良いし、空気も良いし、コロナで騒いている世間をしばし忘れることができました。まずは大文字山三角点(466m)にデンをしました。たかだか標高466mの大文字山ではありますが、されど標高466mです。とても高く感じました。大勢の人が思い思いに弁当を広げたりコンロで湯を沸かしラーメンをすすっていました。ここに「火気厳禁」の看板は見当たりません。
木立の陰に格好の場所をみつけ荷物を広げてすき焼き鍋を囲みます。いつも忘れてしまう昼食風景をダビットソンさんがスマホで撮影して下さいました。「そや!写真や!」この日の目的は「すき焼き鍋を楽しむ日」のためしっかりと撮りました。後々に振り返った時、きっと良い思い出となるでしょう。

何はさておき冷えたビールで乾杯です。まずはタツプリの肉から頬張り、野菜を入れ餅を入れ最後はウドンを入れて満腹です。外で食べるすき焼き・・どこの三ツ星レストランより美味しかったです。(自分で言うなっ!)美味しい空気の調味料、山仲間と一緒という味付けも加わって思い出多いランチタイムとなりました。
▲ 大文字山の頂きで飯盒炊爨だあ 
 鍋を囲みながら1年を振り返ったり、これからの山歩きの希望など話は尽きませんでした。ジョンの顔を見ると日焼けなのかビール焼けなのかわかりませんが・・真っ赤っ赤でとうとう大木の上に寝っ転がってしまいました。(置いて帰るよ~)
あと片付けを済ませ火床へと下りました。火床は79基あるらしく、それらに火をつけると大の文字になるのです。自分達が立っている場所は「大」の字のどのあたりかワイワイガヤガヤ。火床へ行く途中で「火気厳禁」の看板が目に入りました。火床周辺は個人所有の山らしく事前調査しておいて良かったです。(鴨川まで30分は歩けないよ~)
火床からの眺めも素晴らしく京都市内が一望できました。沢山の人達が火床から京都を見下ろしながらお弁当を広げています。銀閣寺コースからだと子供でも登ってこれる距離のため親子連れも沢山いました。
▲ 大文字の火床より京都市内を望む ▲ 大文字の火床
▲ 一画目と二画目の交り点、三画目の払いの打ち込み点が左側の火床になるようです 
▲ 此処大文字の火床は火気厳禁になっていますがこの一文がなければ最高な飯盒炊爨の適所ですね。登山者全員やりたがりますね。 
▲ 銀閣寺界隈まで下りてきました ここがゴールです 
  終わりに
1年かけて充分、山トレは完了しました。これからは行きたい山を見つけて羽ばたいて下さい。出発前の装備の点検は大丈夫ですか?非常食・雨具は必携です。単独山行はお薦め出来ませんがもし単独の場合は熊除けの鈴も携行して下さい。戻ったら山行日誌つけて時々私達にも写真を送って下さい。「日本百名山踏破」をクリックして頂ければ登山口、所要時間、小屋情報など詳細を記録していますので参考にして下さい。
  姫の一言
山歩きの最初の計画ではダビットソンさんの相棒も同行予定でしたが、いつのまにか私達3人の山行になりました。初対面にも関わらず親しみを持って接して貰えたジョンは、殊の外、ダビツトソンさんがお気に入りの様子でした(笑)。山の話も弾みました。(本人曰く「オレは人見知りなんや」そうです)転勤先でも時間ができたら山に登って下さい。きっと寿命がのびるはず。きっとストレスがすっ飛ぶはずです。山で出会った仲間達は人を裏切ると言う言葉を知りません。男女関係なく、きっと、きっと素敵な出会いもあるはず。高齢になったからと山を諦めていた私達にもう一度山の楽しさを思い出さして下さってありがとうございました。お元気で!
  JONの一言
一年間に渡り登山の序章を楽しんで頂けたことと思います。安全登山についてはこれから多くを学んでいただかなければなりません。地図読み、気象図、救命救急、救助など身に着けて行ってください。登山に対して大切なことは、先ず知識・装備・技術・経験・勘など一朝一夕には身につかないと思いますが頑張ってください。
最初に時間を見て日本赤十字社の実施する救命救急法を学んでみてください。またレスキュージャパンなどの実施している救助講習会も受けてみてください。もし広島で日本赤十字社の講習が実施されていなければ消防署の行う救命救急講習会を受講してください。
私は人見知りなのですがそれ以前に人間嫌いなのです。でも所長さんのお人柄に惹かれて楽しい山行が出来ました。
更なるご活躍をお祈り申し上げます。