2022.10.02 Mr.ダビットソンと行く六甲山・岩梯子から荒地山
阪急・芦屋川駅~城山~道畔尾根~岩梯子~猫目石~荒地山~水場~風吹岩~高座谷~阪急・芦屋川駅  
暑さもやっと落ちついたとは申せ、昼間はまだまだ暑さが残っています。台風の心配も去り、朝夕は秋の風が心地よい季節となりました。関西の山を案内するには六甲山を攻めるしかないと今回は「城山から岩梯子を経て荒地山」コースを選びました。
ジョンに「岩梯子コースより先に地獄谷コースと違うか?」と言われましたが・・・決行決定(笑)
日曜日とあって阪急・芦屋川駅横の広場は混雑していました。山岳会の腕章を巻いた人、団体名を書いた看板を高く掲げている人など、広場はほぼ満員です。トイレも行列が出来ていました。午前9時そんな団体を尻目に先に出発しました。どうせ追いつかれるやろけど・・・。今日のメンバーはダビットソンさんとジョンとひめの3人です。
阪急電車・芦屋川駅から芦屋川に沿って高座の茶屋の手前に「城山コース」と書かれた看板がありそこを右折、まずは城山へと向かいました。
わずかな時間で城山の広場に到着です。木製のベンチがありゆっくり休憩できると思っていたのですが山岳会の地図読みの人達で混雑しておりコンパスと地図を出して、ああでもない、こうでもないとガヤガヤと賑やかでした(私達も最初に学んだよなぁ)タバコの臭いも気になり、わずかな休憩で出発することにしました。(山でタバコ吸わないで欲しい~!)  
いつもは静かな城山の頂上もこの日ばかりは賑やか賑やか…… 
 快適に進んでいくと国土交通省六甲砂防事務所の三級基準点がありました。何度目かの鉄塔を通過すると岩梯子に到着です。岩梯子は人気コースなので土曜日、日曜日は登山者が多いかも知れないと案じていましたが思いの外少なかったです。
城山コースは両側からの木立がトンネルを作っているため太陽を遮り時折吹く涼しい風を受け快適に歩いて行くことができました。後続の人達にはどうせすぐ追いつかれるだろうと思いましたが地図読みの人達は岩梯子には行かず別のコースに進んで行った様子でした。
岩梯子の直下で休憩と準備をしていると3~4人の登山者がやって来ました。「お先にどうぞ!」と言うと「いいえ、私にはここは登れません。横から行きます」せっかく岩梯子に来て迂回するのは勿体ないと思いつつ安全対策なんだなぁと後ろ姿を見送りました。
謂わば死後…ちゃうちゃう…岩梯子(いわばしご)です
我が倶楽部の掟「はじめて岩場通過はロープで確保」と決めています。岩場も空いていたので大切な人を守るためロープを出すことにしました。多分ジョンの頭の中には、しばらくロープ操作をしていない私を試す目的もあったと思います。パートナーチェックを受けベルトの緩さを指摘されました。「痩せたんかなぁ?」そんな冗談を交わしながら緊張をほぐしました。ロープをエイト結びでカラビナに掛けスワミベルトにセット、いざ登攀開始です。いつ登ってもワクワクドキドキします。足の置き場、手の置き場を慎重に確認しながら支点位置に到着しました。自己ビレイを取り、ロープアップをして半マストでダビットソンさんを引き上げます。一度テンションがかかりましたがその後はビレイが間に合わないほどにスムーズに登ってこられました。(これならロープ不要だったね)

私達がビレイ中に登山者が4人ほど私の操作をじっと見ていました。「そっか~ロープを持ってくればいいんやな」「おばちゃん連中は時間かかるからなぁ」と仲間内でヒソヒソと話しておられました。この日は下見の様子で本番にはきっとロープで安全確保されることでしょう。(陰の声・・おばちゃん連中が時間かかるつて失礼な話だわっ!)
岩梯子を登り終えると、次に待ち構えるのが「新・七衛門嵓(しんしちえもんくら)」。ここはリュックを背負ったままでは通過できません。リュックを背負ったまま通過すると岩にリュックが引っかかってしまいます。リュックを下ろして穴の向こうに置いてから、自分自身を穴に突っ込み通り抜けるのです。次にジョンのリュックとカメラ、その次にMr.ダビットソンさんのリュックを持ち上げて愉快な穴潜りを楽しみました。(昔ここでリュックを勢いよく投げすぎて落としたことあるなぁ。。。笑)。振り返って穴蔵を見ると「あんな形でよく止まっているなぁ!」・・・平成7年1月17日阪神大震災でくずれた後の形が現在の姿なので「新」が付いていました。
  「七右衛門伝説」
『昔、七右衛門と呼ぶ純真な若者が世をすねて酒酔享楽の末、盗みを覚え有馬へ向かう山越えの行商人を襲い続けた。元来、荒地山には石の宝殿に祭る権現様が住んでいて悪事を働くものを連れ込むと伝わっていた。七右衛門はこの岩穴で頭をくじかれて、たたり死にしたという』
新・七衛門嵓を通過すると大きな岩の塊の場所に到着しました。丁度平たいテーブルの様な岩があり、ここで昼食を取ることにしました。 午後からのスタートは10分ほどで荒地山(標高549m)の山頂に到着です。広い平らな場所ですが三角点も基準点もなく展望もまったくありません。荒地山は、その名の通り全山岩肌を露出した粗粒花崗岩で、風化がひどくそんな名前が付いたのだそうです。別ルートから来たと思われる多くの人達が弁当を広げていました。
猫目石で昼食です
荒地山山頂は登山者でいっぱーいです
水  場
風吹岩
荒地山からは風吹き岩を目指して下るのみです。少し疲労感はあるものの「逆・有馬越え」の時の様な辛さはありません。見覚えのある風吹岩まで降りてきました。「逆・有馬越え」で辛くて風吹岩には立ち寄っていません。この日は風吹き岩に立ち寄る余裕がありました。写真も撮る余裕がありました。あとは魚屋路をひたすらくだり高座の滝を目指すばかりです。
キャッスルウオール
 
 高座ノ滝  滝の茶屋まで降りてきました
  滝の横に設置されているお稲荷様に無事下山のお礼を申し上げゴールとなりました。
しかしここからはきつい下りを芦屋川駅へと20分程下っていきます(結構これが辛いです)阪急・芦屋川駅でダビットソンさんと別れ、更に20分かけて阪神・芦屋駅まで歩くのですが二人ともダラダラと歩き疲れを身体中で表していました。歳はとりたくないねぇ。 
阪急電車:芦屋川駅に到着でーす
  ●終わりに 
伊吹山登山の予定を変更して岩梯子にご案内しましたが満足して頂けたかどうかは・・・?Mr.ダビットソンさんは体感が良くてロープは要りませんでしたが私達の流儀(初めての岩場通過はロープでで確保)を守って頂きました。ハイキングモードで岩梯子を登り途中で二進も三進もいかなくなった人を何度もサポートしたことがあります。初回はまずはロープ確保から、2回目は自力で安全に登攀すれば楽しさも倍増するのではと思っています。