2022.09.26
JR比叡山坂本駅~表参道(東塔本坂)~根本中道~ケーブル延暦寺駅~明王堂~無動寺道~作り道~JR比叡山坂本駅
 9月担当は正ちゃん。9月は、やたら台風が多い上、残暑も厳しいのでなかなか決断するのに時間がかかった様子でした。7月の「社会を明るくする運動」の講師でもある落語家・露の団姫さんの話をきっかけに行先を「比叡山」ときめたようです。

JR・比叡山坂本駅 10時03分到着の電車にそれぞれの場所から乗り込みました。2両目指定なので車内で合流。初めの計画ではケーブル利用としていましたが気候も良いし、大菩薩峠へのトレーニングも兼ねて歩いて向かうことになりました。私たちは藪漕ぎ仲間、歩くことに異存はありません。ハイ。(往路はケーブル乗りたいよぉ~)

「延暦寺」とは、比叡山の山内にある1700ヘクタールの境内地に点在する約100ほどの堂宇の総称です。延暦寺という一棟の建造物があるわけではありません。山内を地域別に、東を「東塔(とうどう)」、西を「西塔(さいとう)」、北を「横川(よかわ)」の三つに区分しています。これを三塔と言い、それぞれに本堂があります

百人一首で有名な慈円は、比叡山について「世の中に山てふ山は多かれど、山とは比叡の御山(みやま)をぞいふ」と比叡山を日本一の山と崇め詠みました。それは比叡山延暦寺が、世界の平和や平安を祈る寺院として、さらには国宝的人材育成の学問と修行の道場として、日本仏教各宗各派の祖師高僧を輩出し、日本仏教の母山と仰がれているからです。

比叡山は、京都と滋賀の県境にあり、東には「天台薬師の池」と詠われた日本一の琵琶湖を眼下に望み、西には古都京都の町並を一望できる景勝の地でもあります。このような美しい自然環境の中で、1200年の歴史と伝統が世界に高い評価をうけ、平成6年(1994)にはユネスコ世界文化遺産に登録されました。天台宗は伝教大師最澄によって開かれた宗派です。
1571年天台宗の総本山比叡山延暦寺で起きた織田信長と延暦寺の比叡山焼き討ち事件は有名です。
JR比叡山坂本駅に到着しました。出発準備をしてまずは日吉大社に向かいます。正ちゃんが途中の蕎麦屋を指差して鶴喜蕎麦屋が、ごっつい美味しいと宣伝したため、帰りはぜひ食べようと決めました。 
 中腹に見えた対の建物についてお尋ねしました。日吉大社の祭礼時の御旅所とのこと。日吉大社の祭礼についても詳しく教えていただきました 
途中で地元のおじい様が椅子に腰かけており朝の挨拶をかわしました。山の中腹を指さして「あの建物は何ですか?」と質問をしましたら、まぁなんと詳しく丁寧に教えて下さいました。「あれは御旅所です。日吉大社の山王祭が4月12・13・14・15日に行われまして、その時神輿をあそこまで上げる神輿上神事がおこなわれるのです。
3月第1日曜日。山王祭最初の神事であります神輿上神事が行われます。この神事では、八王子山麓の登拝口から山上の奥宮へ神輿を担ぎ上げる神事です。
東本宮横八王子山登拝口~八王子山上(牛尾宮・三宮)修祓(お祓い)、山王祭役員への委嘱状伝達 神輿上神事 (11時過ぎに山上へ到着)
お越し頂いた皆様には神輿前のロープ曳きをお手伝い頂くことができます。(もちろん、後ろをついて歩くだけでもよいようです)
山上では、滅多に公開されない奥宮内を拝観でるようです。
丁重におじい様にお礼を申し上げて日吉大社へ。比叡山の麓に鎮座する日吉大社は、全国3800余の日吉・日枝・山王神社の総本宮。平安京遷都の際には、この地が都の表鬼門(北東)にあたることから、都の魔除・災難除を祈る社として、また伝教大師が比叡山に延暦寺を開かれてよりは天台宗の護法神として多くの方から崇敬を受けているそうです。
旧竹林院
比叡山のふもとにある大津市坂本は、門前町として古来からおおいに栄えてきました。
一帯は国の重要伝統的建造物郡保存地区に選定されています。なかでも里坊は、歴史の街・坂本ならではの町並みをつくっています。里坊は延暦寺の僧侶の隠居所で、今も数多く残されています。旧竹林院は、こうした里坊のひとつで邸内には主屋の南西に約3,300㎡の庭園が広がり、2棟の茶室と四阿(あずまや)があります。八王子山を借景にした庭園は、地形をたくみに利用しながら滝組と築山を配し、四季折々の風情をかもし出しています。
東塔本坂登山口 三婆鴉とアルバトロス1號&2號
 日吉大社の鳥居で記念撮影をしていると小さな子どもと外国の人と日本人のグループに写真撮影を頼まれました。小さな子供もケーブルに乗らず歩いて行くのかと尋ねると「はい」と答えた為、年寄りの我々も元気を貰い、後に続く事にしました。しかし、みるみる間に姿は見えなくなりました。目標を見失った私達は景色を楽しんだり、休憩したりといつものスロー登山となりました。ジョン曰く「夜までに着くんかいなぁ?」琵琶湖がとても綺麗なんですもの・・・ゆっくり見せてよ~! 
キツイ急阪 十三丁辺りを過ぎた所
 何度目かの休憩の後、ふと気が付くと正ちゃんが「ストック忘れた!取ってきますわぁ」と慌てて走り出したので「リュック置いていけば?」私達はその間休憩が出来ると大喜びで正ちゃんの戻るのを待っていました。しかし待てど暮らせど戻って来ません。シビレを切らしたジョンが迎えに行きました。「おおぃ!おおい!正ちゃんあったどぉ~」と叫んでいる声が聞こえます。ひょっとして正ちゃんまだ下の方まで探しに降りて行ったのか?。その後はカメラとストックを繋ぎ、置き忘れないようにしていました。
土の道からアスファルトの道に変わり亀堂を過ぎて建物らしき気配を感じるようになりました。此処の坂はきつかった。
延暦寺会館です。きつい、きつい最後の登り道を経て一息ついていると登山口で出会った子供連れのグループがランチを終えて出てこられました。「えーっ・・もう食事済んだの?」と聞くと1時間前ぐらいに到着していた様子でした(はやっ・・いいえ私達が遅いのよっ!)
やっとこさ着きましたきつかった ちょっとした景色に癒されて…
延暦寺会館前の芝生 本日のリーダー:正ちゃん
比叡山の中心部はとても賑わっていました。車やケーブルで上がってこられた様子の参拝客が沢山いました。まずは根本中堂で参拝をしてから昼食をという正ちゃんを振り切って、まずは腹ごしらえだと「無料休憩所」を見つけて中に入り昼食です。もっと楽勝で登って来れると思っていたのですが甘かったようです。
食後は思い思いに修理中の根本中堂に参拝に行き、その間ジョンはソフトクリームを食べながらみんなの帰りを待っていました。
東塔エリアです 
 延暦寺根本中堂
延暦寺では三塔即ち東塔・西塔・横川にそれぞれ中心となる仏堂があり、これを「中堂」と呼んでいますが、東塔の根本中堂はその最大の仏堂であり、延暦寺の総本堂となります。本尊は薬師如来です。延暦寺を開いた伝教大師最澄が延暦7年(788)に創建した一乗止観院(いちじょうしかんいん)が元であり、その後何回も災害に遭いましたが、復興の度に規模も大きくなりました。現在の姿は徳川家光公の命で寛永19年(1642)に竣工したものです。ご本尊の前には、千二百年間灯り続けている「不滅の法灯」も安置されています。建物は国宝に指定されています。廻廊は国重要文化財に指定されています。
 キジバト  
 ヤマガラ 
これを上がれば明王堂です 無動寺明王堂
 明王堂から下る階段です きついです
さてさて帰り道はケーブルかと思っていましたが「トレーニングにならないから歩いてくだろう!鶴喜蕎麦代を浮かそう」ということになりケーブル駅横を通り無動寺明王堂や大乗院を経て無動寺道を行くことにしました。途中イノシシ除けの柵があり「通行できません」と書いてありました。今更何を言うのか!引き返したくない!このまま行こう!「通行禁止」とは書いておらずイノシシの柵も自由に開閉できることから行けると判断して前進しました(まさか・・・藪漕ぎにはなるまいなぁ~最澄さんもついていることだし~)
台風や大雨で登山道は大きく崩落しており臨時に付けた真新しい鎖が所々に取り付けられていました。いずれ、無動寺道は通行できなくなる気がしました。
  でも大丈夫、無動寺道は千日回峰行で三塔巡拝される行者さんが日吉大社から無動寺明王堂までの間に使われている道です。 こんな道大好き…三婆鴉
 崩落した登山道は片足がやっと置けるほどしかなく下を見れば絶壁です。「気をつけて!なるべく山側にへばりついて!」水量が多ければ渡れなかったであろう箇所もありました。「通行できません」の看板は崩落していることを告知していたのでしょう。無事危険個所を通過し、休憩を繰り返しながら坂本の町に出ました。
楽しみにしていた鶴喜蕎麦屋は「支度中」の看板が出ており残念ながら食べることは出来ませんでした。
ゴールの比叡山坂本駅到着は午後4時59分、今回もよく歩いたものです。良いトレーニングになりましたがケーブルにも乗りたかったなぁ、蕎麦も食べたかったなぁ。本番まで各自トレーニングを積み大菩薩峠を楽しみましょうと誓いそれぞれ帰路へと。 
やっとこさ JR比叡山坂本駅に到着しました
みんなの感想
 
 ●正ちゃん
山たびの皆さん、今日は大変お疲れさん!
ワテも近くのバス停から自宅までの道では、脚が重~いと感じました。お陰さんで良いトレーニングができましたね。後 、来月11日までトレーニングを積んでいきたいと思います。
 ●靖ちゃん
 琵琶湖の景色が見れて良かったです。下りの道が結構きつかったですが藪漕ぎで鍛えていたので大丈夫でした。自主トレしておきます。ありがとうございました。
 ●JON
今回もキツイ山行でした。比叡山から坂本に下ったこと、横川から坂本に下ったことはあったのですが登ったのは初めてです。この時の登りは八瀬から西麓を登ったり、東海自然歩道を南から登っていました。東塔本坂も2時間もあれば登れるだろうとタガを括っていたのは大間違いで、「お母ちゃん休憩」「ちょっと休もう」これらの連続でした。延暦寺会館の横を登るときのきつさは他に類を見ないほどでした。今日、東塔本坂を登る人も少ないのか道も荒れていました。登山道横の柵も殆ど壊れていました。ケーブルが運行されていますので復旧することも無いと思います。
下りに使った無動寺道も近年の自然災害の煽りか要所要所荒れていました。途中二つの川の合流地点では方向が解らなくなるほど様相が変わっていました。
私はメンバーのことは気にせず普通に歩いていましたが時々直後を歩くjunkoさんから「ジョンさん早い」と注意され、姫が「其処を持って」「山側によって」「鎖をちゃんと持って」適切なアドバイスをおくっていたのには頼もしく思いました。
 ●姫さん 
 良いトレーニンクとなりました。
私は信仰心が薄いため根本中堂への参拝はしませんでしたが修理が完成したらケーブルで再度訪れたいと思っています。その時は昼食に鶴喜そばを食べて、食後にお団子やソフトクリームを食べたいと思っています(やっぱ信仰心薄いなぁ)
 ●junkoさん 
今日もありがとうございました。今日は早めに帰れましたので温泉に浸かり歩いて家に帰り着きました。先だっては疲れ果てタクシーにて帰宅しました。比叡山は琵琶湖よりすぐ切り立っているので、六甲山同様結構キツイ。
ありがとうございました
 ●留守番隊ポッチー 
皆さん今日は行けなくて残念です。
季節も良く無理せずに楽しんで下さい。御安全に!
靖子さん写メールたくさん送って頂き有難うございました。皆様お疲れが出ませんように。 
 
  ●終わりに 
比叡山は京都トレイルの時、プライベートでと何度か訪れていましたが記憶とは薄れるものでとても新鮮に思えました。歴史好きの人にはたまらなく貴重な場所であると思いました。登りも下りも結構厳しかったと思います。道中のススキやコスモス、曼珠沙華など、ケーブルでは味わえなかった秋を楽しむことができました。根本中堂の修理が終わった頃ケーブルに乗り再び訪れ大比叡(848.3m)を踏み、ゆっくり三塔巡りをしてみようではありませんか。