京阪阪本線・三井寺駅―三井寺―小関越え―緊急遮断ゲート―本邦最初鐵筋混凝之橋―蹴上―京阪・蹴上駅
桜の頃に歩いた道を秋に再び歩こうと企画しました。今回はポッチーも参加です。大丈夫か?と不安は募りますが本人が行きたいと言う意思を尊重することにしました。
「琵琶湖疏水ウォーキングコース」は、滋賀県大津市の琵琶湖畔から京都市内の蹴上インクラインまで、琵琶湖疏水沿いを歩くコースです。桜満開の時に同じ道を歩き、その後クルーズ船にも乗りました。「秋の紅葉も良さそうね」そんな囁きが現実となったのです。
JR東海道線・大津駅で乗り換えて京阪電車石山阪本線・三井寺駅で集合です。乗り換え多いけど、これで3度目だからみんなスムーズに来られるよね。合流後、ポッチーが同行するのでギブアップ時はエスケープルートもあることを説明し、いざ出発です。
京阪阪本線・三井寺駅  
琵琶湖疏水 
 第一疏水取水口を見る  第一疏水取水口(琵琶湖側)  第一疏水取水口(疏水側側)
 第二疏水取水口  
まずは大津閘門からスタートです。水位差がある水面間で船を通航させるために水量を調節するための水門、パナマ運河のようなもので、琵琶湖疏水の始まりです。春にはサクラ満開でしたがいまは冬眠中なのか木々たちは春に向けて栄養を蓄えていると言った感じです。
前回は立ち寄らなかった三井寺へ拝観料600円払って訪れてみました。三井寺は琵琶湖を見守り1200年余、幾多の苦難を乗り越えてきた不死鳥の寺と言われています。滋賀県大津市、琵琶湖南西の長等山中腹に広大な敷地を有する三井寺は、天台寺門宗の総本山です。
何度も山行をご一緒し思い出を共有した岳友の訃報を伝えしばし黙祷。 ご冥福を心からお祈り申し上げます。
三井寺の境内から疎水ウオークの道があるはずなのですが地図上にも明記されておらず、もと来た道に引き返し、歩き始めることにしました。晴天の中、ハラハラと舞い落ちる色付いた葉を手にとったり、ときたま「イテッ!」と言う声に何事かと思えばドングリが落下し頭の上に落ちたりと風流な晩秋の歩きはじめでした。
峠のお地蔵様で水分補給とレーションを頬張り、ふとお地蔵様の横をみると何と罰当たりな・・ゴミの放置を見つけました。口々に腹立たしさをなげいていると靖ちゃんがおもむろにゴミ袋を出して回収し始め自分のリュックに詰め込みました(なげいているだけの私とは違う~、靖ちゃんのおかげで心が清くなった気がしました)
小関峠のお地蔵様で小休止をして下り道を歩くと丸い円盤の様な建物が見えてきました。第1竪坑(シャフト)です。初めて歩く正ちゃん、ポッチー、junkoちゃんに第1竪坑の説明をしました。 
第1竪坑(だいいちたてこう)とは第1疏水にある竪坑です。深さは約47mあり、第1トンネルを掘るために、山の両側から掘り進むほか、山の上から垂直に穴を掘り、そこからも両側に掘り進めて工期を早める「竪坑方式」を日本で初めて採用しました。「びわ湖疏水船」の乗船中、第1竪坑の下を通過する際に、竪坑内部を見ることができます。竪坑内部の壁から涌き出た多くの地下水が舟の屋根を打ち付ける様子を体感できます。
疎水には、第一トンネル、諸羽トンネル、第二トンネル、第三トンネルと4つのトンネルがあります。第一トンネルの入り口上部から左に折れて小関越えを目指します。峠のお地蔵様まではきつい登り坂となっています。ポッチーの息遣いが荒くなり「こりゃとても無理だな」と思ったりもしましたがみんなが入れ替わりながらポッチーの背中を押してくれて無事峠を越えることができました。
建設当時の橋桁の様子を見ることができます
続いて緊急遮断ゲートの通過です。平成11年設置の緊急遮断ゲートです。大地震で堤防が決壊するおそれがあると自動的に流れを止めます。

途中には公園も沢山あり散歩したり、弁当広げたりとこの空間にはコロナの心配はなさそうです。私達が写真を撮ったりしている間にポッチーは少しづつ前進していました。見る限り辛くはなさそうです。Junkoちゃんも腰痛から回復されてリズミカルな歩きをしています。
丁度良い休憩場所を見つけてランチタイムとしました。時折クルーズ船の音がして疎水側から大津に向けてのクルーズ船がやって来ます。慌ててカメラを構えたり船上の人達が私達に向けて手を振っていますので手を振りかえしたりと風情ある光景を楽しみました。
山科駅の表示が出たところでポッチーに電車に乗るならばここしかないと告げると最後まで歩けるとの事でしたので 行動を共にすることにしました。
第三トンネル東口からは山越えができないので少し戻って南下、県道143号にでて右折、春にはイタドリを見つけてキャッキャはしゃいでいた場所も懐かしいです。日本で最初に出来たと言う鉄筋コンクリートの橋の上で外国の人に声をかけられました。山の中を歩きたいのだが・・・と言ってるらしいです。ジョンさんが手持ちの大切な地図を差し上げると喜んで去って行きました。
最後のトンネルの入り口を見たら100mほど戻って町に降りて三条通に出て蹴上を目指します
民家の合間を歩いたり、車道を歩いたりしながら午後2時には日向大神宮の一の鳥居まで戻ってきました。ここが琵琶湖疎水のゴールで琵琶湖疏水とインクラインの接続点になります。
ゴールで記念写真を撮り、もうすぐクルーズ船が到着するらしいので待つことにしました。橋の上はカメラマンでいっぱいです。トンネルを抜けてクルーズ船が入ってきました。サクラの季節と違い船上はかなり寒かったのではないでしょうか。 
地下鉄・蹴上駅から京阪三条に出て反省会場所のがんこ寿司の店に入りました。12月の古里温泉での納会の打ち合わせをして靖ちゃんとはここでお別れです。私達は阪急・四条駅まで歩き特急で梅田へ・・ところが正ちゃんが迷子になりました。改札をくぐるまでは姿が見えていたのですが・・・どこに行ったのでしょうか?愉快な高齢者グループはアクシデントをもろともせずそれぞれが無事に帰路に着いたことでしょう。
●最後に
同じコースを三度も・・余程お気に入りコースなんだと思います。季節を変え、メンバーが違えば同じコースでも違った楽しみ方が湧いてきます。「しんどい・辛い」と言いながらでも、元気で歩ける足があることが何よりもの財産だと思っています。私は「末期心不全」の病名を持つ爆弾男・ポッチーを抱えて日々暮らしていているため、みなさんと一緒に歩けることが何よりのストレス解消です。今回はそんな爆弾男・ポッチーも最後まで歩けました。同行して頂いた皆さんの温かいまなざし、応援、手当に心から感謝いたします。ありがとうございました。