久しぶりの加西アルプス
 ひょんなことから再び「カンさん」の車に便乗して加西アルプスに出かけることにしました。
宝塚駅午前7時20分の集合です。天気も良くまるで初夏の日差しに「へばるかも・・・」と不安な思いで出発しました。
播磨下里にのどかに広がる加西盆地を前景に、古法華を中心としてほぼ東西に連なる善防山(251m)から笠松山(244m)へかけての岩山の起伏が広がるのが見てとれます。このハイキングコースの魅力は、笠松山の山頂から善防山山頂へと、ゆったりと延びる岩稜帯です。
ところどころ低木がしがみついているとはいえ、360度広がるパノラマ、古法華を中心に左右に連なる尖峰群は、さながらアルプスのミニ版といった風景です。
山頂からは、長の石山、ため池、水田など加西を象徴する風景が一望できるルートです。
▲切り通しへのきつい坂 ▲切り通しです ▲切り通しの南側に有る登山口
▲奥の高い山が善坊山です 今から頂上を目指します
 善防山城は標高251mの善防山山頂に築かれている。 主郭は山頂にあるがそれほど広くなく、巨石がゴロゴロした地形になっている。 南西尾根に浅い堀切で区画して一郭あり、その先は急峻な地形になっている。
主郭から南東へと続く尾根には石積した門跡と見られる地形が所々あり、切岸にも石積跡が点在している。東尾根先の「第二頂上」の看板のある所が二郭と思われ、しっかりした石積が西面にあり、曲輪もしっかりして北東側に馬蹄形の段が階段状に数段続いている。
▲振り返れば笠松山です ▲この日はかなり暑いです ▲石切り場が見えます
▲8時40分に切り通しから上がって 9時10分善防山頂上に到着です えっ30分間の歩行ですか?  そうだよ!  …早やッ
 駐車場に車を停め、いきなりの坂道や切り通しの道を歩いて行くと登山口の道標がありました。そんなにきつい山ではないと言いつつも、しばらく山歩きをしていないため足が思い通りに動きません。まずは善防山へむけて登りました。所々に鎖が垂れていましたが触れることなく淡々と登って行けるほどの斜度であります。振り返ると播磨の町並みが美しく見えています。あっと言う間に頂上に到着し城跡の看板がありました。説明板では嘉吉の乱の際に山名氏に攻められ落城したと書かれてました。
▲頂上に有る周りの山の案内板
▲善坊師城の案内板
 ~ 火攻めで落ちた善防山城 ~
 この山上には、善防(ぜんぼう)山城が築かれていました。赤松義則の八男、則繁が、嘉吉の乱(1441)で、細川・山名に敗北しました際、善防山城も山名の軍勢に取り囲まれました。城に残った善防方は岩肌に油を含んだ「竹の皮」を敷き詰め、応戦したといいます。敵は滑って攻められないと思われましたが、敵はその竹の皮に火を放ち城は炎に包まれ山名勢の大軍の前にあっけなく落城したと伝えられています。
この合戦の凄まじさを感じさせます。明治初期まで白骨体が木の葉の下に眠っていたといわれ、現在も、善防山を見渡せる鶉野の一角に戦死者を祀る『塚まち』がひっそりとたたずんでいるようです。
 ▲ここで少し休憩を取り、善防山を後にして吊り橋を渡って笠松山へと向かいます。
▲切り通しにかかる吊り橋 ▲笠松山への登山道
  ▲吊り橋を渡って岩場を上がると景色が開けてきます
▲頂上までほとんど岩場を歩きます
▲石切り場の跡  ▲岩場が続きます
▲振り返ると善防山は右上です
▲笠松山の頂上展望台です 
 此処から東に4kmほどのところに旧姫路海軍鶉野飛行場があったようです 今もその名残が残り資料館もあるようです
 加西アルプスとは善防山から笠松山などの岩陵帯歩きのコースです。露出した岩の尾根や、吊り橋、鎖場など、登山者を飽きさせることなく、頂上へと導いてくれます。笠松山の頂上からは360度の景色が楽しめ、明石海峡大橋や淡路島を望めるはずなのですが、この日は霞がかかっており残念ながら見ることは出来ませんでした。
 ▲笠松山の頂上展望台からぐるっとパノラマです
▲姫路セントラルパークのゴンドラです ▲播磨下里方面 ▲頂上からの景色を満喫して下山です
 頂上からの景色を満喫したあとは南側の谷を隔ててそびえるピークに建つ東屋を目指して下っていきます。幹でも枝でも手にして安全策を講じないと怖さを感じるほどの急な下り坂です。後ろからズルッ、オッとか音がしたら木にしがみつく始末です。巻き添えを食って共に下まで転げ落ちるのは勘弁してくださいませ。そんな時はどうぞお一人でご自由に。標高差で80mほど下ってコルまで下りると一安心。此処から20mほど登り返せば東屋に着くものを、JONが「もう歩けない」という、やむを得ず左にとって古法華寺への最短コースを下ることにしました。コルから10分ほど下ると古法華の広場に到着です。おいおい。運動不足を歳のせいにするなあ。
▲あっという間に古法華の広場に下りてきました
 昼食にするには時間も早く下山しながら適当な場所をみつけることにしました。下山道は狭くて細くてきつくて神経を張り詰めて下りていくと広場に出ました。
大きな木の下にはテーブルと椅子があり昼食を取ることにしました。暑さにやられて少し疲れましたが、とても良いコースだったと思います。
▲小粒ながらもサクランボ…甘いね!
▲古法華寺の石仏群
 笠松山の山麓にあたる古法華寺には古法華(ふるぼっけ)石仏と称される奈良時代の三尊石仏(重要文化財)があり、「古法華」とは「法華山一乗寺の旧地」の意味と思われます。
▲善坊山への登山口 切り通しまで帰ってきました 上の吊り橋は善防山から笠松山への道中渡った橋です
▲駐車場へ帰ってきました ▲今から加西のフラワーセンターへ行きます
 駐車場に戻り帰りには加西フラワーセンターに立ち寄りました。バラの花がとても美しく咲いており一鉢づつ足をとめてマスクの隙間を作りバラ香りを楽しみました。園内はとてつもなく広く全部廻る元気は残っていませんでしたが温室内の見事な花たちに心を癒され、池の上には沢山の鯉のぼりが泳いでいました。
兵庫県立フラワーセンターによりますと、此処は花に関する知識の普及及び、栽培技術の向上と憩いの場を提供する公園機能を兼ね備え、あわせて潤いのある郷土づくりと花と緑を普及する拠点施設と位置づけ、「緑の回廊構想」の一環として中国縦貫自動車道の開通を機に開園しました。 自然の松林に囲まれた園内は中央に満々と水をたたえた亀ノ倉池、南国ムードあふれる大温室や大小様々な花壇や樹木園で構成されています。池には、野鳥が遊び、大温室では、熱帯、亜熱帯地方の清楚な花や大輪の花が咲き乱れています。
 寛さんの感想
 だいぶ前の事だがここはクライミングで来たことがある。 なかなか手強くて1/3のルートしか触れなかったのだが。
周りの山肌も岩剥き出しで、その稜線を多くのハイカーの姿が見えていたので、いつかは歩いてみたい山でした。
コロナ自粛で悶々としていましたので今回の山行は念願の山歩きとなりました。
 佐々木さんの感想
 梅雨の合間の青空にめぐまれ、善防山、笠松山に行きました。
子育ての落ち着いた40才頃より、近郊の山からアルプスを目指し、登山をするようになりました。とにかく岩稜帯が好きでした。
最近体を壊し登山も久しぶりでしたが、私を知る山仲間が、この山を選んでくれました。
低山ではありますが、起伏にとみ岩稜帯で面白く、また歩きやすい山です。四方の山々に田畑等見晴らしのよい山でした。
岩稜帯は紅葉も映えますから、その頃にまた行きたいと思います。
 JONの感想
 この加西アルプスと呼ばれる善防山、笠松山の一帯は岩稜帯歩きの訓練で過去に何度も訪れているところです。
「靴裏をぴったりと路面に着けろ」 「踵接地はしないように」 「手を着かないで、手を着いたら踵が上がるから」 「背筋を伸ばして」 「ストックはこんな所では前傾しすぎないように有効ですよ」 そんなことを言いながら歩いたことを思い出していました。
しかしそれらのワンポイントアドバイス、今回は全て私自身に向けられていました。 よもや途中でアゴを出してしまうとは…まいったなあ…とても他人様の面倒を見どころではありません、登山もぼちぼち終わりにして鳥撮一本でいきますか。  それにしても寛さん良い歩きか方してますね。
 ひめの感想
 加西アルプスは車でないと困難な場所でした。「カンさん」のお声掛けが無ければ行くことができない山でした。山はもう夏です。レーションは水気の多い物が疲れを助けてくれます。飲み物は半分凍らせて冷たくしたのが良いように思います。疲労感いっぱいの山より今回の様な体力に余裕を残す山の方が「また行きたい」と次に繋がる気がしました。