定番コースに飽きて刺激が欲しくなるとお勧めするのが六甲山ピラーロック(万物相)コースです。本来は地獄谷から入りB懸尾根から行くのがルートなのですが、今回は欣風さんにピラーロックを紹介するのが目的なので危険な地獄谷は避けました。中央稜から第一鉄塔に登り、その横の道なき道をズリズリと急坂を下りA懸岩の前を通り、B懸尾根に出てピラーロックに行きました。

ピラーロックとは浸食された花崗岩が切り立っている万物相です。風化した岩が複雑な地形を形成していて、断崖になっている所や滑りやすい所もあるので結構神経を使います。ピラーロックの場所は登山道から少し外れた所にあり、そこへいたる道は狭く、入口も分かりにくくなっています。いつもA懸尾根でクライミングしていると「ピラーロックはどっちですか?」と必ず聞かれます。一度コースを覚えると何度訪れても楽しくなると思います。私が初めて見た時は「ここは砂漠かっ?」と驚いたものです。さてさて欣風さんの感想はどうなのかと心配しながらのご案内となりました。 
予定していた18日は雨模様のため19日の土曜日に順延。秋風の涼し気な風が吹いていますが太陽が上がると夏の戻りみたいです。滝の茶屋迄の辛い道のりを汗を流しながら登りました。土曜日とあって子供達が多いみたいです。若者も沢山通過していきます。

高座の滝から風吹岩へ向かう登山道の途中に第一鉄塔があります。ここで少し水分補給をして、第一鉄塔横の急坂を一気に駆け下ります。いつもはここをハアハア言いながら登って来るのですが今日は逆コースです。見覚えのあるA懸岩が見えてきました。ここからB懸尾根に向けて歩いて行くと、木々の生えない岩が露出してきました。
これが万物相&ピラーロック跡です。
垂直の岩場の多いピラーロックは雨風で浸食している花崗岩で、比較的もろく、風化の激しい岩石なのです。眼下には街並みも広がり、芸術的な風景を造り出しているピラーロックは、いつ来ても楽しいと感じられます。尼崎市内から大阪湾まで見渡せる展望スポットにしばし見惚れていました。

狭い道や足場の不安定な道を通過して、欣風さんがピラーロックを目にした瞬間「オーッ!おおおっ~!」と感嘆の声ばかり上げていました。これほど驚いて貰うと案内した甲斐があると言うものです。
身体がやっと通れる細い道や、落ちるかも知れないと言う狭い道など新鮮だったと思います。聞けば六甲山は芦屋川から有馬に抜けるスタンダードコースを歩いていたそうで、今日のコースは「目からウロコ」だったのではないでしょうか。
ピラーロックを眺めながらランチタイムとなりました。欣風さんお手製のお弁当を頂きました。お米が美味しい!鮭の塩加減もいい塩梅!、でっかい南高梅も大層美味でした。そしてデザートの梨も冷えてて美味しかったです。氷結したポカリスエットで冷やしてくれていたそうです。(ごちそうさまでした)
欽風さん
姫さん
JONさん
長い時間ピラーロックで遊び、中央稜線の十字路から高座谷に向けて降りてきました。中央稜を下るのと違い、あまり人と出会いません。途中獣の死んだ臭い匂いがしたので息を止めて足早に通過しました。きっとイノシシが死んでいたのかも知れません。そう言えばいつも、たむろしているイノシシが見えません。(イノシシの葬儀だったのかナ?)

高座の滝まで戻ってきて時間を見るとまだ1時30分でした。「もっとゆっくりしてきたらよかったね」と言いながら、阪急・芦屋川駅前広場に到着です。付近には反省会をする居酒屋さんが一軒もなく「さすがっ!高級住宅地の芦屋だわ」と言いながらコンビニでビールを購入し、帰り道にある公園で「反省会」をしました。涼し気な東屋の下でビールを飲みながら1日を振りかえったりしていると「帰りたくない気持ち」が膨らみ、ゆったりとした時間を費やしてしまいました。
欣風さんに感想を聞いたら「天気が最高!それにコースも最高!」との事でした。
ひめの感想
久しぶりのピラーロックで新鮮でした。コースは忘れていましたが身体が覚えていたのか「あっ!ここ登ったことがある!あっここ曲がったことがある」と、とても楽しく歩けました。初めての欣風さんの反応もとても良くて嬉しかったです。六甲山は無数のコースがあり、まだまだ楽しんで頂けると思います。しかし六甲山での遭難も多く、道標のテープや岩に付けられているペンキを信じずに地図持参で楽しんで頂きたいと思いました。