奈良ー大阪
 近鉄てくてくマップ  トレーニング山行 IN 千光寺鳴川峠大阪❸まっぷ
「どこか行きたい山は?」と聞かれて「紅葉の石鎚山」と答えたのは6月の熊野古道の「虫おくり」イベントでのことでした。長く続いた熊野古道シリーズが終わると目標がなくなり、さてさてどこに行こうかと悩んでいました。日々の里山歩きは近鉄マップてくてくシリーズを楽しんでいましたが。「う~ん石鎚山かぁ登れるかなぁ?」とちょっと不安の要素もあり、後はトレーニングを重ねて行こうと決心をしました。そんなわけで今回は石鎚山トレーニングを兼ねての山歩きです。装備も「カラビナ、スワミベルト、スリング、ロープスリング」と本番さながらの装備です。 

奈良県生駒郡平群町にある千光寺は、約1400年前に役行者(役小角)が幼少期の時より山に入り、修行を積み、修験道を開かれた場所です。 西暦660年頃、生駒明神に参拝の折に鳴川の里に入り、小さな草堂を建て将軍木(ウルシの木)で千手観音を刻んで安置しました。

その後天武天皇が国家鎮護を願って伽藍を建立し、「千光寺」と名付けたそうです。また、後世の人々は、役小角が大峯山を開く以前に修行したところから、「元の山上(もとのさんじょう)」と呼ぶようになりました。千光寺では小角が大峯山に行かれてからも母・白専女は鳴川の里に残り修行を続けられたとのことです。 この伝えから、女人禁制の吉野大峯に対し女性の修行も受け入れたため、「女人山上」と呼ばれ、女人の修行道場として栄えました。役小角が千光寺で修業を重ねた後、大峯山寺を建立。このため千光寺は「元山上」と呼ばれるようになりました。真言宗「鳴川山千光寺」の境内の裏山には行場があり、修行ができるお寺です。  

近鉄生駒駅で乗り換えて元山上口駅午前9時集合です。無人駅にもかかわらず大勢のハイカーたちが降りてきました。平群町観光ボランティアガイドの会が呼びかけた千光寺までのハイキングが開催されている様子で駅を出ると受付が始まっていました。この日は「千光寺・戸閉式大法会」と言う行事があるらしく、光寺の行場である元山上ヶ岳の山閉じの儀式で冬の間、修行の場である山々を閉じ、次の季節への生命力を育む。千光寺境内で護摩が焚かれ、行者堂の鍵の受け渡しが行われるそうです。
私達も参加者だと間違われ「個人山行」であると告げ、午前9時10分、受付の横をすり抜け歩き始めました。Junkoちゃん達は、ちゃっかり資料を貰っていました(笑) 
吹く風は秋らしいとは言え照り付ける太陽はまだ暑く、いきなりの坂道に青息吐息です。歩いてすぐの距離に「生駒山口神社」がありました。姫が「いこまやま  くち神社」と読み大笑い。正しくは「いこま やまぐち神社」です。鳥居の下から見上げると延々と階段が続いていました。「ここは見るだけね」そう言いながら神前橋を渡り、のどかな風景の中、彼岸花が咲く坂道を登り続けました。大きな杉の木の下に立派なお地蔵様が祀られていました。 
街道筋のお地蔵様
清滝石仏群 
鳴川集落は小さな川が刻んだ谷に細長く伸びる小さな集落で、集落の屋根瓦は立派で鶴を形どった瓦もあり、あまりの立派さに足を止め思わずシャツターを押しました。

平群町観光ボランティアガイドの会の団体は電車到着毎に出発している様子で先発隊の団体に追いつきました。ボランティアの人が清滝地蔵、貝吹き地蔵、はらみ地蔵、揺動地蔵尊などの説明を一緒に聞きました。ゆるぎ地蔵は「願主快尊」の銘があるそうです。お祈りすれば病気が治ると言われ、「ゆるぎ地蔵」と呼ばれるようになったそうです。

千光寺と行場の分岐に辿り着きました。直進すると千光寺です。役行者は42歳までここで修業を積み、その後大峯山の山上ヶ岳に登って行場を開いたそうです。だからここを「元山上」と呼ばれるようになったそうです。ご本尊は千手観音様。鉄の下駄があり女性はこれを履いて3歩歩けば良縁に恵まれ、隣にある巨大な鉄の錫杖を男性が3回持ち上げれば良縁に恵まれると言われています。 
私達は千光寺にはいかず行場コースへと進みました。道が分かれており片方の道は苔に覆われ誰も歩いていない様子のため、橋を渡り細くてきつい斜面をしばらく歩きましたがどうも道迷いしたらしいです。ジョンが先に様子をみに歩きましたが途中で道がなくなって引き返してきました。水分補給の小休止をした後に引き返し苔むした道に軌道修正しました。すぐの川沿いに大きな清滝地蔵が立っていました。道標に「行場道」とあったため迷わず悪路ではありますが進みました。階段となっている道は荒れて埋もれて階段の面影はありません。「この道間違ってないか?」と半信半疑で進んでいくと平等岩と書いた看板があり「合ってるわ!」と思わず叫びました。 
平等岩
リュックを置き、平等岩に登ってみると反対側に錆びた細い鎖が掛かっていました。「この鎖は危ないなぁ」と思うほど朽ちていました。 
これも「行」のうちでしょうか 大黒岩
▲ 蛙岩  岩の名前はわかりません
西の覗き岩に向かいます
▼▼西の覗き岩から覗いてみます ▼▼
 続いて大黒岩、蛙岩がお目見えし目の前に大きな電波塔が見えて来ました。しばらく下って行くと「西の覗き」と道標があり昼食後に行って見ることにして大きな岩場の上でランチタイムとしました。まったりとした至福の時間を味わい、その場にリュックを置き、いよいよ「西の覗き」に挑戦です。ジョンがロープでビレイをしてくれ、まずは姫が西の覗きに挑戦、続いて靖ちゃん、正ちゃん、junkoちゃん、ジョンと、それぞれ口々に「親孝行するかっ?」「親はもういてません!」「夫を大事にするか?」「わかりません!」などと好き勝手を言いながら覗きの体験をしました。不安定な大岩は下向きになっていて大峰山の西の覗きより恐怖感があるそうです。(大峰山の西の覗きは女人禁制)
西の覗き岩から覗いたあと昼食タイムです
唐突に正ちやんが「ロープの勉強はいつしまんねん?」と言い出しました。真新しい新型のカラビナとシュリンゲを前日に購入したらしくみんな目を丸くして驚きました。それではと正ちゃん用にロープワーク講座を開始することにしました。昼食時間も含め11時45分から13時30分迄の間、大木と足場の悪い斜面を利用して正ちゃん初めてのロープワーク講座、残りの人はロープの復習です。   「今更・・?」と言うことなかれ!日々の練習こそ、いざと言う時の現場で役に立つのです。70の手習いおおいに結構です。
午後の出発は、もときた道を引き返しドライブウエイへの道を進みました。道路にアケビの殻が落ちていて見上げると大きなアケビが口を開けています。
「獲って!獲って~」とせがみ3個もゲットできました。みんなで分けて食べましたが何とも言えない新鮮で、甘くておいしい事・・・
午後2時、鳴川峠への見覚えのあるトンネルが見えてきました。ベンチに腰を掛けてしばし休憩です。首切り地蔵様も立っていました。休憩の後は、ひたすら瓢箪山駅に向けて下って行くのみです。水車小屋14時38分、瓢箪山の家々が見えてからの長いアスファルト歩きは誰しもが無言になり、おまけに西陽を浴びながら暑さにやられました。
瓢箪山駅15時30分ゴールです。本日の歩行距離は13,0m、23821歩です。山歩きの13kmはなかなかのもんです~

運よく快速電車が入ってきて鶴橋にて反省会と石鎚山の打ち合わせを済ませ、それぞれ家路へと・・・。
ひめの感想
行場と言うからには岩登り・・・と想像していましたが、ひたすら巨岩の合間を歩くのみでした。しかし足腰には良いトレーニングとなりました。山の中は標高を増すごとに秋を感じることができました。石鎚山の紅葉を期待しながら安全に楽しむことをみんなで確信したトレーニング山行でした。帰宅後ポッチーに蛇の抜け殻を見た話をすると「何で持つて帰らなかったのか・・・」と残念がられました。キモチワルイ・・・
正ちゃんの感想
きのうは、鳴川峠歩きにお誘い戴きありがとうございました。アケビの実を沢山 get して割って中身を口に頬張ると甘くて旨い。その後で、種を遠慮なくそこら中にペッ、ペッと撒き散らすのも快感でした(笑。次の機会もよろしく。
JONの感想
行場を全て巡ることはできませんでしたが、楽しい一日でした。また近々「正ちゃんのためのロープワーク」を実施しますね