生駒縦走歩道 2019.05.21
 
初夏の風 生駒縦走
生駒山上駅~鳴川峠~鐘の鳴る丘~十三峠~高安山駅コース 12㎞
やまたび倶楽部の会員で、「ショーちゃん」が現役を引退し「毎日日曜日生活」になったため、やまたび倶楽部の行事に復活することになりました。待ち合わせ場所の近鉄生駒駅には、ほぼ同じ時刻に全員が合流することができました。鳥居前駅から午前9時発のケーブルに乗り山上駅まで行きました。このコースのポイントはなんといっても、左・奈良盆地と右・大阪平野の展望で、 大和三山・三輪山・大阪市街・大阪湾などが箱庭のように広がっています。サクラやツヅシは散っていましたが新緑を楽しみ、野鳥のさえずりを聴きながら12㎞と言う山のロングコースに挑戦しました。 
生駒ケーブル・鳥居前駅 駅のこいのぼり 生駒ケーブルカー
生駒ケーブル・鳥居前駅を出発   久しぶりの正ちゃん 遊園地のモニュメント 
この文字をクリックしていただきますとスライドショーがご覧いただけます
ケーブル山上駅を降り、生駒山上遊園地の中を素通りします
「事件です!」山上駅に着いた途端、ショーちゃんの姿が見えません。トイレも探しました。大きな声で呼んでもみました。携帯電話もラインもしました。残るは遊園地内の園内放送をお願いするしかありません。「♪迷子の迷子のショーちゃんよ~♪あなたはいずこに行ったのか~♪」歌なんぞ歌っている場合ではありません。ようやくショーちゃんから連絡がありました。「ショーちゃん!今とどこにいるの?」「テレビ塔の下」遊園地内にはテレビ塔が無数に建っています。「電話を切らないで目に映る光景を言ってみて~」そう言って探していると遥か彼方から手を振るショーちゃんを発見しました。よかったわぁ。
ぬかたアジサイ園分岐辺り 東大阪方面
そんなアクシデントを大笑いに代えてスタートをしました。朝方までかなりの雨が降っていましたので足元は濡れて滑りやすくなっています。転倒しないように気を付けながら信貴生駒スカイラインを横断して歩いて行くと木立の中の見落としそうなところに「別石十三仏」を見つけました。あちこちでホトトギスが美しい声で鳴いています。慈光寺の「河内名所図会」の中にホトトギスの名所だと書かれているほどです。少し休憩を取り県境沿いの道を歩くのですが「左足は奈良県、右足は大阪府」と言われるように左右に街並みを見下ろしながら可憐な花との出合いに感嘆の声を上げてなかなか前に進みません。「おい、おい今日中に帰れるのかぁ?」と言われてしまいました。
ウグイス
道路右手の林の中に佇む別石十三仏
別石十三仏の標示 府民の森・ぬかた園地 地蔵堂
▲用水池の鯉
 休憩所の東屋を見つけ、少し早目の昼食タイムをとることにしました。東屋の中は落ち葉などで汚れており、その先に新しいテーブルを見つけ天気も良いことから青空レストランでランチタイムとなりました。「もうどくらい歩いたのだろう?」「まだ4分の1も歩いてないよ」しばらくはショックから立ち直ることが出来ませんでした。
気温も上がりショートカットをしようと相談しましたが予定通り高安山駅をゴールにしようと決めました。「野外活動センター自由の森なるかわ」の看板を見つけました。以前に、やまたび倶楽部で宿泊したことを懐かしく思い出していました。
▲鳴川峠の首切り地蔵
時々、谷を駆け抜ける風に救われ鐘の鳴る丘展望台に到着しました。こんなところに、こんな立派な施設がと驚くばかりです。入れ替わり立ち代わり鐘を鳴らして記念写真を撮りました。靖ちゃんが留守番のポッチーに逐一ラインで写真を送信してくれるのでポッチーも参加している気分になれてご機嫌です。(いつもやさしい配慮ありがとう)
▲鐘の鳴る丘
▲ 大阪の街と後方は六甲山地
 スカイラインと並行するようにして十三塚石標に辿り着きました。十三塚の碑は重要文化財に、トンネルの南側には旅人の安全を願って立てられたお地蔵さんが祀ってありました。
山の中にところどころキノコの形をしたオブジェがあり中を覗くとトイレの残骸が残っており思わず逃げてしまいました。山を愛する者の行為とは思えません!
(腹立たしいっ!)
大きな看板がありました。航空保安施設と書いてあります。航空保安施設とは、航空機の航行を援助するための無線施設、灯火、標識などの総称だそうです。「空港の警備や整備を行う施設」と誤解されることがあるがそうではないです。大きなアンテナは撤去されてしまったのか見ることは出来ませんでした。
  ▲生駒十三峠の十三塚
我が国の各地には塚に対して特別の信仰を寄せる習俗がみられる。十三塚もその一つで、13基の塚が並んでいるものに対して命名されたものである。供養塚、境界指標、修法壇などの性格が指摘されているが、近年では、その名称を「十三仏塚」とするものもあることから、15~16世紀にかけて成立展開した十三仏信仰にともない築造されたとする説が有力である。
生駒十三峠の十三塚は、大和国と河内国の国境にまたがって所在し、河内から大和へ抜ける十三街道の十三峠の北側にある。13の塚は稜線上に列状をなし、最高所に中央の王塚がひときわ大きく築かれている。王塚は、神武天皇の皇后の御陵で小塚は殉死者の塚であると伝えられ、塚に触れると崇りがあり、塚に雨乞いをし、塚に祈ると災難や疾病が平癒するといわれる。王塚の裾には割石の石敷が設けられ、側に「十三塚」と陰刻した仏像がある。 
▲十三峠
 
▲ 高安山城址入り口 ▲ 近鉄西信貴ケーブルへの道
いつの間にか「近畿自然歩道」と道標が変わっていました。どこからだろうか?アップダウンを繰り返しながら高安山山頂(三等三角点487.5m)の看板を見つけましたが誰も行こうとはしない・・・笑(スルーしました)大きな宗教団体の建物を過ぎると大阪管区気象台レーダー観測所の立派な建物が見えてきました。1968年(昭和43年)に大阪管区気象台が中央区 大手前へ移転するのに合わせて新しいレーダー観測所が高安山頂すぐの場所に建設され、レーダー機器も新調されました。現在は無人化されており、大阪管区気象台から遠隔操作されています。観測所から半径約300kmの範囲の気象観測を行っているそうです。

すぐ傍には高安城跡の看板もありました。高安城は7世紀に築かれた古代山城(朝鮮式山城)です。663年(天智2年)の「白村江の戦い」に敗れた大和朝廷が唐・新羅に対する防衛のために、讃岐の屋嶋城、対馬の金田城とともに築かれたと『日本書紀』に記載されています。戦国時代には信貴山城主・松永久秀がこの地に支城を築いたとも伝わります。

近鉄西信貴ケーブルの高安山駅に到着したのが3時30分。15分待ちでケーブルが発車します。これを逃せば1時間待たねばなりません。(ラッキーだわっ!)
高安山駅から近鉄電車に乗り「いつものところ」で反省会をしました。ショーちゃんが「迷子のお詫び」と言ってみんなにビールをご馳走してくれました。めでたし、めでたしです。 
 ●姫の感想
参った、参った、のスタートで大笑い。「先に行ったのかと思いました」と説明がありましたが我々はメンバーを置き去りにして前に進むことはありません。「おかしいな!」と思ったら速やかにリーダーに連絡をして下さい。すぐ見つかったから良かったものの、遭難にでもなったら大変です。終始笑いに包まれての楽しい山行でした。山の12kmは歩きごたえがあります。生駒山の縦走がこんなにもハードだとは思ってもみませんでした。
 ●Junkoちゃん
今日もありがとうございました。六甲山は宝塚に住んでいる関係上、地理的にも近いので馴染んでいるのですが、生駒山は見るには近く行くにはチョット時間がかかりどうしても誘われなければ行かない山です。帰りの電車の中から生駒山鉄塔群から高安城跡近くの大阪管区気象台レーダー観測所の印象的な白い建物を見た時、あんなに歩いたのだと感動しました。
 ●ショーちゃん
 今日は生駒縦走コース歩きに参加させて戴き、ありがとうございました。ケーブルカーの生駒山上駅に着いてからコース出発前に迷子になってしまい、皆さん方に大いにご心配をかけてしまいまして、誠にすみませんでした。これからも "やまたび" の行事にはお誘い下さいませ。12kmとは、久し振りに結構な距離を歩きましたが、その割には筋肉痛を感じないでおります。ペース配分が良かったのでしょうね。機会があれば、よろしく!
 ●靖っちゃん
 昨日はありがとうございました。
雨で中止だと思ったのにラッキーでした。何時も眺めてる生駒山上へ、沢山の鉄塔を間近に大阪を奈良を見下ろしながらのハイキング楽しかったです。
 ●JON
生駒山の尾根通しはアップダウンが多く、驚くばかりでした。大阪府と奈良県の境を歩くため 国調多角と記された杭が多く立っていたのが目立ちました。国調多角点とはごくごく簡単に言えば「そこに測量器械を置いて筆界を測量しましたよ。将来もこれがあれば筆界復元に役立ちますよ」という杭のようです。県府境いの尾根通しは、ガイドマップによると左足は奈良県、右足は大阪府になるとか。